みなさん、こんにちは! ファッションスタイリスト&ライターの角佑宇子(すみゆうこ)です。ファッションは時としてよく分からないものが流行することがあります。
ある日から「これがブームです!」と、もてはやされるものの中には「ナゼ、それが?」と、突っ込みたくなるようなアイテムってありますよね。

 そう……今年でいえば、股に留め具がある超ハイレグの「ボディスーツ」。一部のおしゃれ女子の間で流行しているこのアイテムに、疑問を感じた方も多いのではないでしょうか?

 そこで今回は、今注目されているボディスーツが人気の理由について解説していきます。

GUからも登場! ボディスーツは大人の間でも流行りそう

なぜ今? お股に留め具がある「昔のハイレグ水着みたいな下着」...の画像はこちら >>
 ボディスーツは数年前からブームとなっていました。しかし、挑戦的なファッションであることから日本ではあまり浸透しきらずにいたなか、今年はついにGUからもハイレグのボディスーツが登場

 これはスタイリストとしての個人的な意見ですが、GUから登場するトレンドファッションは必ずその後ジワジワと市民権を得ていく傾向にあります。そのため、このボディスーツも流行当初は一部の若い女性にしか支持されなくても、後々大人世代にまで広く受け入れられるようになっていくのではないかなと予想しています。

 それはさておき、この超ハイレグなボディスーツは一体、どうして流行っているのでしょうか。

流行の理由①:コロナ禍を経て着心地の良さが求められる

 ボディスーツの流行は「ストレスフリーな着心地」と「スタイリッシュなファッション性」という大きな二軸によって加速しているようです。

 まず、ストレスフリーな着心地という点においては、「動いたときに服がボトムスから出てこない」「体にフィットして動きやすい」「肌触りが良く着心地が良い」といったところが魅力になっています。

 動きやすい服が幅広い支持を得たきっかけは、やはり2020年からの新型コロナウイルス拡大によるものですね。自粛期間が長く、家の中で楽に過ごせる服を着ていたことから、外出着にも「動きやすさ」「シンプルさ」を求めるように

 ボディスーツはインナーと洋服の良いところを絶妙に兼ね備えたアイテムだからこそ、今の時代になって一層支持が高まったのでしょう。

流行の理由②:シンプルだからこそ肌見せでおしゃれ追求

 スタイリッシュなファッション性という点においては、「シンプルながらエッジの効いた着こなしを実現できる」という、ボディスーツの可能性が評価されての流行であると考えます。

 ボディスーツは身体に密着するようなシルエットが特徴的です。
そのため、インナーやアウター、ボトムスとの重ね着次第で色々な着こなしが楽しめます。

なぜ今? お股に留め具がある「昔のハイレグ水着みたいな下着」流行のワケ。赤ちゃんのロンパースにも似てる
GUにも登場したボディスーツ(税込990円/2025年10月時点の値引き価格)
 また、ピタッと体にフィットするからこそ、部分的に肌を見せるカットアウトデザインを採用することで、ボディスーツが野暮ったく見える現象を防いでいます。

 単体で見ると思わずギョッとするハイレグのボディスーツだって、パンツと組み合わせれば本当にさりげなくチラッと肌が見えるだけのセンシュアルな着こなしに早変わり。見た目のインパクトこそ強いですが、実は着てみると印象が大きく変わるというのもボディスーツのポイントですね。

大人はハイレグではなくレースで抜けをプラス

 大人の女性にもおすすめできるボディスーツ。むしろ、成熟した大人だからこそ似合うアイテムと言っても過言ではありません。ですが20代の若者と同じようなスタイルで着こなしてしまうと、少し違和感を覚えてしまうかもしれません。

なぜ今? お股に留め具がある「昔のハイレグ水着みたいな下着」流行のワケ。赤ちゃんのロンパースにも似てる
ボディスーツ
 若い世代は、超ハイレグのボディスーツにローウエストのワイドパンツを組み合わせたカジュアルスタイルを好む傾向があります。

 大人世代は、品格をプラスした着こなしに昇華させることで年齢に見合ったスタイルを実現できます。そこでおすすめしたいのは、ハイレグではなくレースの透け感が特徴的なボディスーツ

 分かりやすく肌見せをするのではなく、繊細なランジェリーレースで肌を守りながら、インナーの一部だけがうっすら透けるような着こなしがおしゃれですね。アウターにはかっちりしたメンズライクなジャケットを合わせて、ほどよくミスマッチさのある着こなしを意識するとクール&セクシーな印象に。

取り入れ方次第で印象が大きく変化

 ボディスーツといっても、デザインは多種多様に存在します。
シンプルなコットンタイプからレース、シアー素材やカットアウトデザインまで、眺めているだけでも楽しくなってしまうほど。

 気にはなっているけれど、すぐに取り入れるにはまだ勇気がいる……という方は、まずは自分に合ったアイテムをリサーチすることから始めてみてはいかがでしょうか。

<文&イラスト/角佑宇子>

【角 佑宇子】
(すみゆうこ)ファッションライター・スタイリスト。スタイリストアシスタントを経て2012年に独立。過去のオシャレ失敗経験を活かし、日常で使える、ちょっとタメになる情報を配信中。2023年9月、NHK『あさイチ』に出演。インスタグラムは@sumi.1105
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