あなたは、気になっていた男性の何気ない振る舞いに幻滅してしまったことはありますか?

今回はそんな経験をしてしまった女性のエピソードをご紹介しましょう。

ミスが多く頼りない後輩男性をフォローする

気になる彼と「さんま定食」を食べたら、恋が終わったワケ。“許...の画像はこちら >>
会社員の大塚佑香さん(仮名・33歳/独身)は、最近同じ部署の後輩、佐藤くん(仮名・27歳/独身)のフォローに入る機会が何度かありました。

「佐藤くんはミスが多くて、報告の仕方もあまり上手じゃなくて。
注意をすれば素直に聞いてくれますし、悪い子ではないんですが頼りないんですよね」

見かねた佑香さんは、佐藤くんの仕事っぷりを観察し、先回りしてアドバイスをするようにしました。すると佐藤くんのミスはみるみる減っていったそう。

彼の成長と優しさが嬉しくて、いつしか気になる存在に

「そんなある日、私がトラブル対応に追われて残業している時に佐藤くんが話しかけてきて。『先輩、少し休んだほうがいいです。さっきからずっとベテラン刑事みたいな渋い顔になっていますよ』と冗談ぽく笑いながらコーヒーを手渡してくれたんですよ」

さらにそのまま一緒にトラブルを調べてくれて、経緯の洗い直しを彼なりにまとめてくれました。

「佐藤くんの成長と優しさが何だか嬉しくて。その後も、資料を整理していたら佐藤くんの付箋があり『先輩に見せる時にはここに気をつける』と書いてあるのを見てしまったりと、じわじわと『可愛いヤツめ』と思うようになっていったんです」

気になる彼と「さんま定食」を食べたら、恋が終わったワケ。“許せないひと言”で再起不能!
sanma
そしてまた別のある日。ゲリラ豪雨に見舞われ、傘がなく佑香さんが困っていたら「一緒に入ってください。駅までなるべく濡れないように急ぎましょう」と佐藤くんがナチュラルに傘に入れてくれたそう。

「その時に、豪雨と雷にキャーキャー言いながら佐藤くんと密着して歩いたのが妙に楽しくちょっとドキドキしてしまって。いつの間にか佐藤くんのことが気になるようになってしまったんですよ

さんま定食を一緒に食べたら……彼の行動にア然

そんなある日、社食のメニューにさんま定食を見つけた佑香さんはテンションが上がりました。

「うちの社食のさんまは身がジューシーで皮がパリパリの、知る人ぞ知る秋名物の社内グルメなんです。そしたら佐藤くんもやってきて、私の真似をしてさんま定食を頼んでいたので、また可愛いヤツめと思わずニヤついてしまいました」

気になる彼と「さんま定食」を食べたら、恋が終わったワケ。“許せないひと言”で再起不能!
木製のテーブルに置かれた焼きサンマ
せっかくだからと向かい合わせに座り、一緒に食べ始めたのですが……。

「そしたら佐藤くんがいきなりさんまの真ん中に大胆に箸を入れて骨ごと割って、無造作に口に放り込んで、『美味いですね~』と笑顔で口に入れた身をいったん出して骨を取って……その指を思いっきりしゃぶったんですよ

目の前の光景にあっけにとられてしまった佑香さんは、しばらく箸が止まってしまったそう。


さんまに申し訳ないし、失礼だって思わないの?

「マナーが悪いとかまったく思っていない感じで、どこから注意したらいいのか分からないなって思ってしまったんですよね」

力任せにさんまを食べ進める佐藤くんのお皿は、骨が散らばり皮は半分ずり落ちていました。

「とにかく食べ方が雑で……まだ身のついた部分がたくさん残っているのに、面倒くさいのかごちそうさましていました。そんな佐藤くんの姿を見て“このさんまに申し訳ないし、失礼だって思わないの?”と腹が立ってきてしまって」

しかも、綺麗に食べ終えて魚の標本のように骨だけ残した佑香さんに「あはは、よっぽどお腹がすいていたんですね」と佐藤くんは言い放ったそう。

「はぁ? と思いました。まるで私が卑しいみたいな言い方をされて、ドキドキしていた気持ちがスーッと冷めていきましたね」

その後後輩とはどうなった?

そして佑香さんは、人の気持ちってほんの数分でこんなにも変わってしまうものなんだなと改めて感じました。

「魚の食べ方って、その人の内面が現れる気がして……急に佐藤くんがガサツで野蛮なヤツに思えてしまったんですよ」

気になる彼と「さんま定食」を食べたら、恋が終わったワケ。“許せないひと言”で再起不能!
拒絶する女性
それ以来、佑香さんは佐藤くんに対する態度を徐々に以前のように戻していったそう。

「その件があってから“私も無意識に誰かをギョッとさせるような行動をとっているかもしれない”と気を引き締めるようになったんですよね」と苦笑いする佑香さんなのでした。

<文・イラスト/鈴木詩子>

【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop
編集部おすすめ