新卒から18年半、テレビ朝日のアナウンサーとして、報道、スポーツ、バラエティなど多岐にわたる番組を担当してきた大木優紀さん(44歳)。

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 40歳を超えてから、スタートアップ企業である「令和トラベル」に転職。
現在は、令和トラベルが運営する旅行アプリ「NEWT(ニュート)」の広報、まさに「会社の顔」として活躍中です。

 第18回となる今回は、秋のヨーロッパ旅について綴ります。(以下、大木さんの寄稿)。

秋になると行きたくなる、思い出のヨーロッパ

 唸るような暑さが和らいできて、東京もようやく朝晩の風が涼しくなってきました。こういういい季節になると、「あぁヨーロッパ歩きたい」という気持ちになります。

 思い返すと、もう20数年前。まだ大学生だったとき、私は初めてヨーロッパに降り立ちました。ちょうど秋で、学生旅行らしく節約優先の旅。台湾で一度乗り継ぎ、フランクフルトを経由してローマに向かう格安便を利用しました。

 台湾で乗り継いだら、もうほとんどその便には日本人がいなかったんですよね。それでしばらくしたら、急に「降りてくれ」と言われてしまって、びっくり。日本語表記もまったくないところで、友人とふたり、乗り継ぎ便を間違えたんじゃないかと慌てふためきました。

 よく見ると漢字で「アブダビ」と書いてあり、台湾で乗り継いでアブダビで一度降機しなくてはいけない航路だったんですね。
今では考えられない乗り継ぎかつ南回りの航路だったんです。そんなことも知らなかった当時の私は、慣れない英語で必死にやり取りをしました。

 そうやって、ハプニングも経験しながら、さらに飛行機を乗り継いで、24時間以上かけてやっとローマの空港に着きました。

 到着したらもう夜だったので、あたりは真っ暗。ローマ中央のテルミニ駅すぐ近くにある、リーズナブルなホテルの屋根裏部屋みたいなところで一晩過ごしました。

 翌朝、ちょっと高いところにある窓を開けて外を覗いたら、その、美しい景色に思わず、感動の感嘆の声を上げてしまいまったのを覚えています。イタリア独特のレンガ造りの屋根が連なっていて、真っ青な空にレンガ色の連なる街並みが映えていました。このとき目にしたその景色は、今でも鮮明に記憶に残っています。

街歩きのヨーロッパ。ベストシーズンはズバリ、秋

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夕暮れのミラノ photo by unsplash
 そんな初めてのヨーロッパ旅以来、まとまった休みが取れたとき、記念日の旅行など節目節目で「絶対ヨーロッパに行きたい」と思うようになりました。

 ヨーロッパは季節ごとにいろんな表情を見せてくれますが、やっぱりおすすめは、街歩き。そしてその街歩きを存分に楽しめるのが、断然「秋」なんです。
その理由は3つあります。

 1つ目は、気温がちょうどよくて過ごしやすいこと。日中でも20度前後のところが多く、歩いていて心地よい気候です。

 2つ目は、夏のバケーションシーズンが終わって観光客が少なくなること。喧騒が落ち着いた街では、地元の人々の暮らしを垣間見ることができ、それがまた旅の魅力を深めてくれます。

 3つ目は、石造りの街並みに秋の光や紅葉がよく映えること。そこに夕方の斜めの光が差し込むと、街全体が本当にキラキラ輝いて、まるで映画のワンシーンに迷い込んだような気分になれます。

 そんな美しい秋のヨーロッパ。今回はその中でも、特におすすめしたいエリアを3つに絞ってご紹介します。

おすすめエリア①:秋の散歩にぴったりな国はベルギー

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大木優紀さん
 最初におすすめしたいのが、ベルギーです。ベルギーといえば、小便小僧のいるブリュッセルももちろん素敵なんですが、昨年訪れたブルージュの運河沿いの街並みは、本当に最高でした。まさに秋の散歩にはぴったりな、こんな美しいところがあるのかっ! という感じになりました。

 あちらこちらからワッフルやチョコレートの甘い香りが漂ってきて、どこで写真をとっても絵になっちゃう。


 このときルクセンブルグもセットで行ったんですが、ルクセンブルグの上り坂も秋にはぴったりでした。小さな国だけど、断崖絶壁に築かれた要塞都市は圧巻。紅葉の木々と、中世の石橋のコントラストが、これまた美しいんです。

おすすめエリア②:喧騒と静寂が入り混じるセントラルヨーロッパ

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プラハ photo by shutterstock
 次に紹介したいのが、チェコのプラハ。旧市街の時計台でオレンジ色の屋根が連なる景色を見下ろすと、その絶景がまるでタイムスリップしたような感覚になります。

 そこから少し足を伸ばして、音楽の都、ウィーンに行くのもおすすめです。さらにはハンガリーのブダペストと中央セントラルヨーロッパ3ヶ国を回ってみるのもいいんじゃないかなと思います。

 ウィーンは日本では考えられないくらいのリーズナブルな値段で、オペラを鑑賞できます。芸術や音楽を堪能しながら、秋の深まりを味わうのは格別の体験です。

 そして、グッと思いが深まった後に、プラハでのおすすめはビアガーデン。プラハのちょっと黒い色をしたビールが美味しいんですよね。

 中央ヨーロッパは、喧騒と静寂が入り混じり、歴史的な背景から生まれる重厚な空気が漂っています。イタリアなどの風景とはまた全く違う、ちょっと重々しい空気なんかもあって。


 その重厚感の中で、しっかりと自分を見つめ直すっていうとちょっと重たいんですが、本当に濃厚な時間を過ごせる場所です。

おすすめエリア③:短期間でも行きやすいのは、定番のパリ

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パリ
 3つ目のおすすめは、もう大定番なんですが、フランスのパリです。パリは羽田からの直行便もありますし、とにかくアクセスがしやすいのが魅力。お金も時間もそこまでかけられないけど、ヨーロッパに行きたいという方は、「とりあえずパリへ」で間違いありません。

 2回目でも3回目でも、10回目でも、秋になると街路樹が赤や黄色に色づき、セーヌ川沿いを歩くだけで心が弾みます。

 ルーブル美術館やオルセー美術館で「芸術の秋」を味わったり、街角で無料の路上演奏に耳を傾けたり。美術と音楽、そして食。すべてを一度に楽しめるのが、パリ旅の満足感を確かなものにしてくれます。

 パリは、羽田空港から直行便でおよそ14時間半くらい。『NEWT』のツアーなら、5つ星エアライン利用のプランや、ホテルを自由に選べるプランなど、旅のスタイルに合わせて選択できます。キャセイパシフィックの乗り継ぎ便であれば、5日間のツアーで12万円台からあります。土日に少しお休みを足して、気軽に秋のパリを楽しむことも可能です。

ヨーロッパで、自分だけの旅のストーリーに出会おう

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ヨーロッパ
 ヨーロッパって本当に特別なんですよね。
これは何度行っても変わらない実感です。

 ヨーロッパに行ったら、やっぱり街歩き。そしてその街並みの魅力を一番感じられるのが、秋。みなさんもぜひ、今年の秋は石造りの美しい街をゆっくり歩いてみてください。

 歩いて、感じて、私が学生時代に屋根裏部屋から見たローマの街並みのように、一生心に残る景色に出会えるはずです。そしてそれが、きっとあなた自身の旅のストーリーになると思います。

 秋のヨーロッパ。みなさんの思い出のストーリーやおすすめの場所があれば、ぜひコメントで教えてください。

<文/大木優紀>

【大木優紀】
1980年生まれ。2003年にテレビ朝日に入社し、アナウンサーとして報道情報、スポーツ、バラエティーと幅広く担当。21年末に退社し、令和トラベルに転職。旅行アプリ『NEWT(ニュート)』のPRに奮闘中。
2児の母
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