こんにちは。これまで3000人以上の男女の相談に乗ってきた、恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。
髪もボサボサで化粧もしない“完全なる非モテ”から脱出した経験を活かし、多くの方々の「もったいない」をご指摘してきました。誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。

42歳で婚活を始めた女性の「地獄でしかなかった」体験談。お見...の画像はこちら >>
 結婚適齢期という言葉は死語かもしれませんが、今の時代も婚活は若いほど有利になります。というのも、“普通の人”がまだ多く残っているためです。個々の好みはあれど、普通の感覚がある人同士が出会えば、結婚に発展しやすいのです。未婚率が上昇している昨今、30代後半や40代、50代でも未婚の方はいます。ですが年齢が上がるほど、婚活では“クセが強い人”に遭遇しがちです。

写真と別人! 昔の写真を使うおじさんばかり

 42歳で婚活している恵さん(仮名)は「若いうちに婚活すればよかった」と肩を落とします。マッチングアプリで知り合った男性から「既婚だけどいい?」と言われて嫌になり、結婚相談所に登録します。

 ところが同年代の40代男性は自分より若い女性を希望するため、恵さんには50~60代男性からの申し込み(会いたいという意思表示)しかありませんでした。唯一、48歳で申し込んでくれた男性もいたのですが、恵さんより6歳上なのに年収が低かったのです。

42歳で婚活を始めた女性の「地獄でしかなかった」体験談。お見合いで打診された“耐えがたい結婚の形”にア然
スマホ見ながらため息
 同年代の男性に自分から申し込みをしてもOKをもらえることがめったになく、それでも何人かは40代半ばから後半の男性と会うことができました。この中にはやはり、恵さんより年収が低い男性も含まれます。


 写真では髪があるのに会ったら頭皮が透けて見えるほど薄毛の男性や、写真では普通体型なのに、実物は別人のように丸い体型、ということも。程度の差はあれど、写真とは印象が大きく違う人ばかり。

 それでも恵さんは、「おばさんなんだから選り好みしている場合じゃない」と自分に言い聞かせ、顔に出さないようにしながら彼らと会話をしてみるそうです。

それって偽装結婚じゃないの? 相手の希望に呆れた

 そんな中、会計事務所勤務の49歳男性・雄一さん(仮名)とお見合いしました。

 彼は「この年で一度も結婚していないと、これまで色々怪しまれましたよ」と自虐的に言います。

「分かります。結婚していないと『何で結婚しないの?』って言われますよね。こっちが聞きたいのに」と返した恵さん。話していて共感することもあったそうです。

 それまでに会った中ではまだ話しやすい方だと感じて、2回目も会ってみることにしました。

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カフェで会話をする男女
 しかし雄一さんから持ちかけられた提案に、恵さんは呆れてしまいます。

「雄一さんはいろいろ打ち込んでいることがあって、生活を変えるつもりがないそうです。別々に暮らして、お互い好きなことをして、たまに会う程度の夫婦はどうかと提案されたんですよ
結婚した実績が欲しいだけみたいでした。まるで偽装結婚。私は一緒に暮らしたいので、目指す家庭像が違うとお断りしましたが、変わった人でしたね」

 結婚の“実績”だけを求めて婚活する人は、男女を問わず一定数います。年齢的に焦ってくると、そういった迷いが出てくる気持ちはわからなくもないのですが、結婚は相手があってのことなのに失礼だと筆者も感じました。もちろん、同じ価値観を持つ人がどこかにはいるかもしれませんが。

お見合い相手を家の近くまで呼び寄せる39歳女性

 続いてはある男性のケースです。結婚相談所で婚活中の守さん(仮名・39歳)は、同い年の美和さん(仮名)とお見合いすることになりました。

 守さんは東京の練馬区在住で、美和さんは神奈川の川崎市在住です。結婚相談所では基本的に、お見合いを申し込まれた側に場所の決定権があります。このお見合いでは守さんが申し込みをしたので、美和さん側に主導権がありました。

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待ち合わせ
 こうした場合によく選ばれるのは、渋谷や新宿といったお互いの中間地点であるターミナル駅付近です。ところが美和さんが指定したのは川崎市の駅である新百合ヶ丘でした。守さんの家からは1時間以上かかります。
場所を知った時に「なんで?」と一瞬思ったそうですが、何か事情があるのかもしれないし、仕方がないのではるばる新百合ヶ丘まで出かけることに。

何を言ってもネガティブな言葉が返ってくる

 実際に会った美和さんは、写真で見た印象より年上に見えたそうです。さらに、何を話しかけてもネガティブな方に会話の流れを持っていきます。

 守さんが「今日は会ってくださってありがとうございます。天気も良くてよい日ですね」と言えば、「そうですね。でも暑いし、日焼けしそう」と返されます。遠くまではるばる来ているのに。

「素敵なお店ですね」と言えば「そうですか。この辺これぐらいしかないんですよ」、「美和さんのご趣味は映画なんですね。何か最近観てよかったものはありますか?」と聞けば「いや、なにか書かなきゃいけないから映画にしただけで、映画は何年も観ていません」と返ってくるのです。

 せめて同じように相手側にも質問し返せば会話のキャッチボールが成立するのに、それすらするつもりはなさそうでした。

「独身だと色々言われるから」婚活する人たち

 ついに美和さんは守さんの質問を一方的にぶった切り、「独身だと社会不適合者とみなされるから、やりたくないけど婚活してるんです。誰かと一緒に暮らすのは無理だと思うけど、守さんは結婚って同居がマストな人ですか?」と問いかけてきました。

 守さんは「マストってほどでもないですが、できたら一緒に暮らしたいですね」と答えるのが精一杯でした。


 30分ほど経ったところで、美和さんはお見合いを切り上げてしまいました。30分というのは、結婚相談所が会員に伝えているお見合いの最短時間の目安です。

「これ以上、1分でも私といるのは無駄だという感じでした。もしかしたら家族から言われてしぶしぶ婚活しているのかもしれないけど、そうだとしてもひどい。こっちははるばる新百合ヶ丘まで行ったのに」

一方の希望を押しつけず、歩み寄る姿勢を

 美和さんや雄一さんのように、結婚したい理由に「世間体」が含まれる人は決して少なくないと思います。ですが仮に世間体のために婚活に踏み出したとしても、それが結婚の主目的だとストレートに相手に伝えてしまうことこそ、社会不適合なのではないでしょうか

 もちろん、結婚の形は人の数だけあっていいと思います。ただし大切なのは、どちらか一方の希望を押しつけるのではなく、互いのニーズが合致していることや歩み寄る姿勢です。すべての人に受け入れられる形ではないからこそ、“お互いに納得できる関係”を築く覚悟が必要なのだと思います。

※個人が特定されないよう一部脚色してあります。

<文/菊乃>

【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。
低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt
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