「交際0日婚」に驚きと祝福の声
「エレガント人生」は、36歳の中込悠さんと31歳の山井祥子さんによる男女コンビ。それぞれ別々のコンビを組んでいましたが、2020年に結成。主に公式YouTubeチャンネルやTikTokを中心にコントを発信しており、若い世代を中心に人気が急上昇中です。そんな中、9月21日に2人はお互いに自身のXで結婚を発表。「人生で最も信頼できて、一緒にいてあまりに楽しい激マブと結婚できて最高の気分です」と中込さんが投稿し、山井さんも「飲み友達として親交を深めてきた中込悠さんと結婚」という言葉を綴っていました。
昔も今も夫婦コンビは決して珍しくありません。従来の夫婦コンビは、すでに夫婦である男女がコンビを組んでお笑いを始めるケースです。しかしこの2人の場合は、もともと異性として意識せず、お笑いという仕事を一緒にやってきた仲間という関係性。そこから交際という流れを経ずに、結婚発表をしました。
この2人の結婚発表に対しては、「親友と結婚なんて憧れる」「結局、リアルで出会った一番仲良くて、自分をさらけ出せる異性と結婚するのが一番幸せだよね」といった祝福や羨望、さらには共感のコメントが多く寄せられています。
マッチングアプリ全盛時代に生まれた“リアルな結婚観”
最近では学校や職場での自然な出会いが減り、リアルな場所で自然に出会って恋愛や結婚に至る若者が減っているためにマッチングアプリがここまで流行っているとも言えます。しかし、マッチングアプリを介した出会いでは、お互いに良い印象を持たれるために振る舞いを取り繕ったり、価値観が合わなかったりして、なかなか関係がうまく進展しないケースも少なくありません。
また、当然ながらマッチングアプリを通じた交際では、出会う前の相手の日常や人柄をリアルタイムで知ることはできません。交際を進めて仲を深めていく中でも、デート以外での振る舞いや本性が見えにくいというデメリットも。
現代のこうした結婚事情において、「すでに何年も仲がいい親友同士で結婚」「真面目に仕事をしているときも、お笑いでふざけているときも、飲んで騒いでいるときもお互いに見ていて、すでに苦楽をともにしている間柄」「お互いに仕事や人生の目標は同じ」という形で結婚に至ったエレガント人生の2人は、マッチングアプリを利用した結婚の流れとは全く異なる現代的な結婚観を提示しているのかもしれません。
「祥子ちゃんみたいな人が最強」SNSで話題の素朴な魅力
実は以前から中込さんは、美味しそうにスイーツを楽しむ素朴で自然体な笑顔の祥子さんについてSNSで発信しており、たびたび話題になっていました。
今回の結婚によって「いつも隣にこういう女性がいたら惹かれるのは当然だよね」、「彼女を超えて人間として好きなんだろうな」と、今まで中込さんが投稿していた写真がより好意的に受け止められています。
「戦友と結婚」という新たな理想像
また、今回の結婚は実際に既婚者側からは「結婚は恋や愛を超えて絆が大事だから、親友と結婚するほうがいい」、「最初は彼氏彼女でも最終的に戦友みたいになっていくのがいい夫婦」という意見も相次いでいました。
そう考えると、結婚相手を探す際には異性としての魅力だけで判断するのではなく、親友であるかどうかを視野に入れる方が、結婚後の幸福な人生につながる可能性があるのかもしれません。
実際、2022年には恋愛や性的な関係を望まずにパートナーを探す人向けのマッチングアプリ「友情結婚アプリLIKE」が登場しています。恋愛関係や性的関係ではなく、利害や価値観が一致するパートナーを探したい人向けなので他者に性的欲求を抱かないアセクシャルの人などからも需要が高い様子。
この“友情結婚”というキーワードはこれからも一般的になっていくのかもしれません。
エレガント人生の結婚発表は、2人のファンを超えて、多くの人々の興味と関心を引きつけるニュースとなりました。「お笑いコンビは夫婦みたいなもの」と以前から多くの芸人が語ってきましたが、今回の結婚でその言葉にさらに説得力が加わったと言えるでしょう。
<文/エタノール純子>
【エタノール純子】
編集プロダクション勤務を経てフリーライターに。