2010年にTBSに入社し、『朝ズバッ!』『報道特集』などを担当したのち、2016年に退社したアンヌ遙香さん(40歳・以前は小林悠として活動)。

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 TBS退社から8年経った今年、紆余曲折を経て20年生活した東京を後にして活動拠点を故郷北海道に戻したアンヌさん。
アラフォーにして再スタートを切った「出戻り先」でのシングルライフの様子や心境をつづる連載です。
 第54回となる今回は、先日40歳の誕生日を迎えたアンヌさんが「誕生日」について綴ります(以下、アンヌさんの寄稿です)。

40歳を迎えて

 9月26日で40歳になりました。Instagramなどには多くの方からおめでとうメッセージをいただき本当に恐縮しております。

 こうして優しいお声がけをいただける立場に置かせていただいていること、純粋に心から感謝しています。

 昨今だとLINEの機能のひとつとして自分の誕生日を登録しておくと、つながっているお友達に「このひと誕生日ですよ」と通知が行き、カードやギフトが送られてくる素敵すぎる機能もありますよね。

 この誕生日をきっかけに久々連絡を取り合った友人もいたりしました。ありがとうございます。

 さて、この40という数字、皆さんはどうとらえますか?

 昨年、39歳になったときのことを思い返すと、当時は正直ちょっと嫌だったかも。「え~30代、この一年でもうおわっちゃうんじゃん!」みたいな。

40歳を迎えることが“複雑”だった

40歳を迎えることが正直“複雑”だった元TBSアナの私が、誕生日を楽しめたワケ|アンヌ遙香
オータムフェストにて
 39も40も変わらないよ! という意見もあるのは百も承知ですが、やはり40歳というひびきのもつイメージとしては「不惑」「しっかりとした大人」。

 とうとうこの領域に自分も足を踏み入れるのか、もうなにも言い訳(なにを言い訳したいのかは謎ですが)できないじゃん! うわーん、なんて前まではちょっと複雑な心境であったのは確か。

 しかし、いざ、今年40の誕生日を迎えた瞬間、そこには純粋にワクワクしている自分がいました。

 ある程度年齢を重ねると、もう誕生日なんて嬉しくもない、という方もいらっしゃるかもしれませんが、やっぱり「今日は自分の誕生日なんだ」と思うと、ただの365日のうちの一日にすぎないはずの日常も、なんだか特別なものに感じる不思議。


 やっぱり誕生日ってなんだかウキウキする。それは40歳になっても変わらないということがよくわかりました。まわりからの見られかたは多少変わるんでしょうかね? それは実際にこれからの生活で判断していこうではありませんか。

産婦人科医・高尾美穂先生に励まされる

 誕生日について、私がここまでポジティブにとらえられているのは、もしかしたら産婦人科医の高尾美穂先生の「リアルボイス」をよく聴いているからかも。

 テレビのコメンテーターでもおなじみの高尾先生、音声配信番組をお持ちで、リスナーの皆さんからの生の声を悩み相談のような形で紹介されており、私もよく拝聴しています。

 女性の健康問題、家族の悩み、職場での人間関係の悩み、先生へのファンレターなど内容は多岐にわたりますが、特徴的なのがお誕生日にまつわるレターというのが頻繁に紹介されること。

 40代から70代の女性がメインのリスナー層のようですが、この世代の女性の多くは、仕事のこと、家庭のこと、親の介護のことなどの社会的問題と、ホルモンバランスの乱高下といった心身のヘルスケアの問題が重なり、非常に難しい状況におかれている方が本当に多い実感が私にもあります。

 だから結構みなさん、自分の誕生日をないがしろにしがちな方が多いイメージ。

 でも高尾先生は「お誕生日月間はみんなにアピールしまくろう!」「お祝いしてくれる人が誰もいない、と落ち込むのではなく、自分で自分をもてなしたり、これまでできなかったことをエイヤ! とやっちゃおう!」と常日頃呼び掛けており、その言葉によって励まされ、自信を取り戻すリスナーさんがとても多いのです。

誕生日という節目が背中を押してくれる

40歳を迎えることが正直“複雑”だった元TBSアナの私が、誕生日を楽しめたワケ|アンヌ遙香
オータムフェストにて
 リアルボイスリスナーさんが「家族には毎年おめでとうすら言ってもらえないけど、今年は自分の方から積極的にお祝いして!と言ってみようと思います」「長年夢だった一人旅を、誕生日に決行してみようと思います」「スキンシップが少なかった夫に、誕生日なんだからハグして! と思い切って言ってみました」など、それぞれの誕生日という節目が一人ひとりの背中を押し、新たな一歩を踏み出すきっかけになっているのです。

 私もこの配信を常日頃から聞いていたからこそ、「40代かーいやだなー」というよくわからないネガティブな感じよりも、「誕生日じゃん! 今年は何しよう!?」というウキウキした雰囲気で迎えることができたのかもしれません。

 ちなみに私は誕生日当日、札幌大通公園で開催されている、道民みんなが愛する「オータムフェスト」というお祭りに繰り出し、美味しいピザのために並び、海鮮を満喫し、お酒をたらふく飲み、とにかくとにかく楽しんできました。

 誕生日が近づくにつれ、「今月はお誕生日月間なんです!」と自ら宣言し、「誕生日はオータムフェストに行きたいので、もしもう行かれていたらおすすめのお店を教えてください!」と周囲に聞きまくり、自らお誕生日楽しみ! スタイルを形作っていったのでした。


 いくつになっても、どんな状況でも、一年にたった一度しか来ない誕生日。この日くらい、自分を甘やかして、自分を主役にしてあげて、目いっぱい満喫しちゃいましょうよ。

 そして私は改めて、まわりの人のお誕生日をきちんと大切にして、なるべく「おめでとう」の言葉はしっかりとかけていきたいと感じた次第。

 今日お誕生日のあなた、心からおめでとうございます。

<文/アンヌ遙香>

【アンヌ遙香】
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道札幌出身、在住。現在はフリーアナウンサーとしてSTV「どさんこWEEKEND」メインMCや、情報番組コメンテーターして活動中。北海道大学大学院博士後期課程在籍中。文筆家。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中。Instagram: @aromatherapyanne
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