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夫婦間でも「察してくれるだろう」と思って夢や理想を言葉にしていないと、取り返しのつかないことになることもあるようです……。
今回は、理想の生活が夫の“ある買い物”によって壊れたと嘆く女性から話を聞きました。
念願の真っ白なマイホーム
「結婚前からの夢だったので、新居が完成したときは感激して泣きましたね」埼玉在住の金子真美さん(仮名・39歳)は、夫と11歳の息子との3人家族。真美さんは、結婚して家族で真っ白な戸建ての家に住むことことをずっと夢にみていたといいます。
「私のパート収入をすべてと、夫の給料からなんとか毎月貯金して頭金を増やしていきました。年2回のボーナスも、なるべく頭金にしようと節約してきたんです」
そしてようやく手に入れたのが、2階建てルーフバルコニー付きの戸建てだといいます。
「すべて白色にしました。外壁ももちろん白ですが、外構もすべて白に統一したんですよ。家の周りには白い砂利が敷き詰められていて、フェンスも形で選んだものを白色に塗装してもらいました。すべてが完璧でした」
そんな憧れの白い戸建て住宅を手に入れた真美さんに、まさかの事態が起こります。
クルマの購入は夫任せに
引っ越し前は、駅近の社宅住まいだった真美さん家族。生活に困らないため、車は持っていなかったそうです。「引っ越したら、小回りの効く軽自動車が欲しいねとは話していました。駅から遠くなったし、少し買い物に不便な場所なんです。
車にまったく興味がない真美さんは、乗れたらなんでも良いと思い、軽自動車の購入を夫任せにしたそうです。
夫が契約してきたクルマはまさかの…

夫は「契約前に相談しようかと思ったんだけど、真美が電話に出なかったんだ」と言ったそう。
実は台風が直撃したその日真美さんは、電車通勤しているスタッフの代わりに臨時でパートに入っていました。
しかし、なぜそんなに慌てて契約したのか真美さんが聞くと夫は、「ちょうど台風の日のセールをしていて、今日契約してくれたら20万円引きにしてくれるって言われたんだよ。しかも、この色ならさらに20万円引きでさ!」と嬉しそうに話したといいます。
夫には、家が白いから奇抜な色は避けようという発想自体がなかったようです。笑顔でそう話す夫に、真美さんは震えながら「契約キャンセルして」と告げました。
「そのあと、契約後でもキャンセルできるかディーラーに問い合わせしましたが、キャンセルはできないと言われてしまいました」
夢の白い戸建ての主役が紫色の車に奪われた
「車の色の希望を事前に共有していなかったのは反省しています。言わなくてもわかるでしょ? と勝手に夫に思っていたのかもしれませんね」と少し寂しそうな顔で真美さんは言います。「友人が初めて家を訪ねてくるとき、『白い戸建てでルーフバルコニーがあるのが家だよ』と伝えるのですが、友人にはよく『紫の車が停めてあるって言ったほう早いよ」と言われてしまうんですよ。悲しすぎです」
真美さんは、「真っ白の自慢の家の主役を紫色の軽自動車に奪われてしまった」と嘆きます。
さらに、11歳の息子も「紫色の車なんて、恥ずかしくて乗りたくない」と乗車を拒否しているそう。
家族で一緒に過ごす貴重な時間が減っていくような気持ちにもなり、真美さんはさらに意気消沈したといいます。
安く買った車には落とし穴があった

「いろいろなところで見積もりに出したのですが、紫色の車は安くは買えるけれど、売るときも安くなってしまうようで。今すぐに車を売ってしまうと大損するので買い替えはできません」
この一件で真美さんは、夫婦でも細かく言葉で共有するのが大切だと改めて思ったそうです。
言わなくてもわかると思っていることでも、積極的に伝え、話し合うことが大切なのかもしれませんね。
<取材・文/maki>