癒しと笑いを届ける実況ベイビーについて、どんな思いで運営をされているのか。原田さんに話を聞きました。
誰も傷つけないコンテンツに込めた思い
──「実況ベイビー」の動画には、どのような思いが込められているのでしょうか?原田修佑さん(以下、原田):一番は「子ども、赤ちゃんの愛くるしさを全世界に届けたい」という思いです。そして、何よりも「誰も傷つけないコンテンツ」であることを大切にしています。動画を提供してくださった親御さん、将来このコンテンツを見返すお子さん、そして見てくれる視聴者の方、三者全員がハッピーになれるコンテンツを作ることを心がけています。
──そのような思いに至った経緯を教えてください。
原田:子どもの頃、学校生活になじめず辛い思いをした経験があります。そんな時に支えになってくれたのがテレビをはじめとするエンタメでした。エンタメに救われたからこそ、今度は自分が、子どもや親御さんに「誰も傷つかない楽しいコンテンツ」を届けたい。笑顔や安心を生み出すきっかけになればという思いで、実況ベイビーをはじめ様々なコンテンツを作っています。
──動画を作るうえで大切にされていることはありますか?
原田:実況ベイビーでは、前向きな言葉選びを一番大切にしています。その子の今とこれからを応援する一人として関わり、家族が振り返ったときに「あの時は大変だったけど、愛おしい思い出だね」と笑顔になれる──そんなコンテンツになるよう心がけています。
──実況ベイビーは、コメント欄を読んでいるだけでも温かい気持ちになります。
原田:そうですね。まるでこどもの成長を一緒に応援している仲間のように感じます。コメントを通じて、お子さんの成長をみんなで応援し合える空気が生まれていると思います。子どもに優しい世界、子育てを支え合う輪が実況ベイビーを通じて少しずつ広がっていると信じています。
イヤイヤ期も大変だけど楽しい
──よくイヤイヤ期の実況中継も上げられていて、思わずくすりと笑ってしまいます。育児の中で大変な時期のはずの「イヤイヤ期」も、実況がつくことで一つの成長として愛おしく見えてきます。原田:私自身もイヤイヤ期で苦労しましたし、本当に大変な時期ですよね。ただ、実況を添えることで、その姿がどこか愛おしく見えたり、コミカルに感じられたりするんです。実際に親御さんからも「イヤイヤ期を乗り越えられそう」「これも成長の一環だと思えば楽しめる」といった前向きな声をいただきます。動画を通して「大変だけど楽しんでみようか」と思える人が少しでも増えたらうれしいです。
──実況をつける動画はどのように選ばれているのですか?
原田:選び方は2つあって、応募いただいた動画の中から選ぶパターンと、実況をつけたらかわいいだろうなという動画を僕が見つけて、親御さんに依頼をするパターンがあります。
僕のSNSが赤ちゃんの動画しか出てこないので、毎日たくさんの赤ちゃんを見ているんです(笑)。SNSにあがっている赤ちゃんの動画を見ていると、頭の中で勝手に実況が浮かんできます。
親御さんから届く動画は、どれも可愛くて選ぶのが大変なのですが、その中でも特に「物語がつけられる動画」や「動きがある動画」を選ぶようにしています。
過去の子どもも未来の子どもも愛おしく感じる瞬間を
──実況ベイビーに寄せられる声はどのようなものが多いですか?原田:やはり「育児の捉え方が変わった」という声が一番多いです。先ほどの話にもありましたが、イヤイヤ期など「思わずイラっとしてしまうこともあったけど、実況ベイビーのおかげで楽しめるようになった」という感想をいただくと、やっていてよかったなと思います。
──ステキな感想ですね。
原田:3歳のお子さんを育てている方が、1歳の実況動画を見て「こんな時期もあったな、可愛かったな」と感じ、その夜に家族で動画を見返したというエピソードもありました。さらに、生後1~2か月で授乳に悩む方が「これを乗り越えれば、うちの子にもこういう未来が待っているんだと希望を持てた」。そんな声をいただくことも多くて。
その動画のお子さんやご家族だけでなく、子育てに奮闘するすべての人の支えになっていると感じています。いろいろな視点で楽しんでもらいながら、育児を少しでも前向きに感じてもらえたらうれしいです。
──「実況ベイビー」を通して少し目線を変えるだけで、気持ちが楽になりますね。
原田:SNSの普及で、子育てに関して「こうすべきだ」という情報を目にする機会が本当に増えましたよね。
価値観を定義しないメディアを作りたい
──本来、子育てってこんなに楽しいんだ、子どもってこんなにかわいいんだという気持ちに立ち返ります。原田:実況ベイビーも「価値観を定義しないメディア」というのを大切にしています。僕自身も2人の子どもを育てる中で日々学びが多いですし、みなさんと一緒に、うまくいかないことも含めて前向きに楽しめる子育てをしていけたらと思います。
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イヤイヤ期などの大変なシーンも、実況をつけることでくすりと笑える愛おしい成長の瞬間に変わります。バタバタする毎日の中で、少し目線を変えるだけで子どもってやっぱりかわいいなぁと気持ちが切り替わることもあります。そんな幸せな視線を実況を通して親子に届ける実況ベイビー。そこには原田さんのエンタメで育児をもっと楽しくしたいという強い思いが込められていました。
【原田修佑】
1993年生まれ、愛知県豊橋市出身。二児の父。元テレビ東京アナウンサーとして『WBS(ワールドビジネスサテライト)』やスポーツ実況を担当。
<取材・文/大夏えい>
【大夏えい】
ライター、編集者。大手教育会社に入社後、子ども向け教材・雑誌の編集に携わる。独立後は子ども向け雑誌から大人向けコンテンツまで、幅広く制作。