「健康のために豆乳を飲んでいる」「カルシウム不足だから牛乳」などの目的で、豆乳や牛乳を飲むことはありませんか? もちろん、単純に味が好きで飲むこともあると思います! 実は腸活の視点から見ると、それぞれに全く違う魅力と、注意したいポイントがあるんです。

牛乳と豆乳、結局どっちが体にいいの? 意外と知らない注意点と...の画像はこちら >>
今回は、「腸活するなら豆乳と牛乳どっちが正解なの?」という疑問に、最新の研究結果を基に解説します。
それぞれの効果やメリット・デメリット、自分に合う選び方まで詳しくお伝えするので、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね!

豆乳と牛乳、腸活視点で見る栄養成分の違い

まずは、豆乳と牛乳、それぞれの腸活にとって大切な栄養成分を見てみましょう!

【豆乳の栄養成分】
●大豆オリゴ糖:豆乳のスター成分と言ってもいいものです! 詳しくは後述しますが、腸内に住むビフィズス菌など、良い働きをする細菌の大好物になります。
●植物性たんぱく質:牛乳の動物性たんぱく質と比べて、整腸作用が期待されています。
●イソフラボン:女性ホルモンと似た働きをすることで有名ですが、強い抗酸化作用も持っているのです!

【牛乳の栄養成分】
●カルシウム:骨や歯を丈夫にするだけでなく、腸のぜん動運動(腸が内容物を押し出す動き)をサポートする役割もあります。
●乳糖(ラクトース):豆乳のオリゴ糖と同じく、ビフィズス菌のエサになります。ただし、人によってはお腹がゴロゴロする原因になることも……。

こうして見ると、どちらも腸にとって嬉しい成分が入っていることが分かりますよね。では、次にそれぞれのメリットとデメリットをより深掘りしていきましょう!

腸内の良い細菌が増える! 豆乳の嬉しい腸活効果

たとえば日本獣医生命科学大学の研究では、健康な成人が毎日100gの豆乳を2週間飲み続けたところ、驚くべき変化が見られました。

なんと、良い働きをするビフィズス菌が有意に増加し、逆に悪玉菌が多いと考えられている細菌群(エンテロバクター科)が有意に減少したのです!(※1)

牛乳と豆乳、結局どっちが体にいいの? 意外と知らない注意点と“失敗しない選び方”
大豆と豆乳
腸内の良い菌を育て、悪い菌を減らすことを同時にやってくれる飲み物は貴重な存在。

ただし、そんな豆乳にも注意点があります。豆乳は、人によってはお腹が張りやすくなる「高FODMAP食品(腸内で発酵しやすい糖質を含む食品)」の一つ。もし豆乳を飲んで数時間以内にガスが溜まる感じがする場合は、一度に飲む量を減らしてみるのが良いかもしれません。

人によってかなり個人差があるので、心配しすぎる必要はありませんが、まずはコップ1杯(約200ml)から毎日の習慣に取り入れてみるのがおすすめです!

知っておきたい牛乳のメリットとデメリット

豆乳と比べて、牛乳のメリットデメリットを見ていきましょう。牛乳の魅力は、なんといってもカルシウムやたんぱく質を手軽に補給できる点です!

牛乳と豆乳、結局どっちが体にいいの? 意外と知らない注意点と“失敗しない選び方”
グラスに入った牛乳を飲む人と牛乳パック
ナポリ大学などが行った研究によると、牛乳を飲む習慣があったり、習慣的に乳製品を摂ることで、腸内のビフィズス菌が増えるという報告もあります(※2)。

しかし、多くの人が経験する「お腹のゴロゴロ」問題……。これは、牛乳に含まれる「乳糖」を分解する酵素が少ない「乳糖不耐症」が原因であることが多いです。


さらに、もう一つ注目したいのが「カゼイン」というたんぱく質。牛乳たんぱく質の約8割を占めるこの成分は、人によっては消化に時間がかかったり、腸で軽い炎症を引き起こしたり、腸の動きを遅くさせて不快感の原因になったりする可能性があることも分かってきています(※2)。

「牛乳を飲むとなんだかお腹の調子が良くないかも……」と感じる場合は、影響を受けにくい「低温殺菌牛乳」や「A2ミルク」という商品を選んでみましょう!

体質と目的で選ぶ「豆乳・牛乳」使い分け術

ここまで豆乳と牛乳の効果やデメリットをお伝えしましたが、最も大切なのは自分に合うかどうかです! ぜひ、以下をヒントにして選んでみてください。

【「豆乳」がおすすめの人】
・牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしたり、お腹を下してしまう方
・美容も意識したい方(イソフラボンの効果に期待)
・普段の食事でオリゴ糖が不足しがちな方

大豆タンパク質を摂取できる点は、豆乳の魅力の1つです。お肉や卵など、動物性のタンパク質に偏りがちな時は、豆乳を取り入れてみましょう!

【「牛乳」がおすすめの人】
・牛乳を飲んでも特に不快感がなく、さらに味が好きな方
・効率よくカルシウムを摂取したい方

乳糖やカゼインによる悪影響を避けたいので、一番のおすすめは上記の通り低温殺菌牛乳やA2ミルクです。最近は、これらの商品をスーパーで見かける機会も増えてきたので、ぜひ一度試してみてくださいね!

腸活成功のカギは「自分に合う」選択!

今回は、豆乳と牛乳の腸活効果やデメリットについて、比較してみました。結局、どちらか一方が絶対的に優れているわけではないことが分かったと思います!

牛乳と豆乳、結局どっちが体にいいの? 意外と知らない注意点と“失敗しない選び方”
Young woman enjoying a glass of milk while having a healthy breakfast at home. Healthy lifestyle concept.
私の個人的な意見としては、牛乳が合わないと感じる方が比較的多い印象なので、迷ったら豆乳をおすすめしたいところです。

どちらを選ぶにしても、できれば砂糖や添加物が加えられていない「無調整豆乳」や「成分無調整牛乳」を選ぶようにしてくださいね。完璧を目指さずに、楽しく腸活を続けていきましょう!

(※1)Tomohiko Fujisawa et al. 「The effect of soymilk intake on the fecal microbiota, particularly Bifidobacterium species, and intestinal environment of healthy adults: a pilot study」(2016)
(※2)Silvia Tagliamonte 「Milk protein digestion and the gut microbiome influence gastrointestinal discomfort after cow milk consumption in healthy subjects」(2023)

<文/腸活の研究家ざっきー>

【腸活の研究家ざっきー】
腸活の研究家。「健康と体作りを後回しにしない」をモットーに、フォロワー11万人のInstagramでは、論文を元にした腸活情報や腸が整うレシピを発信中。Instagram:@zakii312、Twitter:@chokatu_zakii
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