この国難のなか、総裁のメイクに注目してる場合か?と思いつつ、やっぱり気にはなる……。そこで、『骨格補正メイク』の著者でメイク講師の池田曜央子さんに聞きました。今までの高市さんメイクはどこが変で、変えたのは成功だったのか?
以前のベタッとした眉毛は、眉ペンシルが原因
一般の人向けにメイクレッスンを行っている池田さんは、以前から高市さんの眉毛が気になって仕方なかったとか。なんと、高市さんの事務所に「眉メイクをさせてもらえないか?」と連絡したことがあるそうです(スタッフが不在で立ち消えに)。以前の眉毛はどこが変だったのでしょうか?

原因は、“眉ペンシル1本”で描いているから。眉ペンシルは芯を油分で固めているので、眉パウダーと比べるとテカリやすく、眉ペンシルのみで描くと不自然な仕上がりになります。
眉毛も髪の毛と同じように、サラッ、ふわっ、としている方が自然なのです」(池田さん、以下同)

もう少し、眉頭を寄せたほうがベター
イメチェン後の眉毛は、池田さんから見ても今っぽくなったけれど、まだ改善点はあるといいます。「以前は、眉の高低差が強く、全体的に黒く、眉頭もくっきり、細くベタっとした眉でした。
今は真逆で、高低差は少なく自然なストレート、全体的に明るめのブラウン、眉頭は淡く、自然で今っぽい仕上がりです。
以前のように眉が主張していると、どうしてもそこが気になってしまい、話が全然頭に入ってこない…ということも起こり得ますが、今の眉なら大丈夫でしょう。
ただ、もし私がメイクさせていただくなら、バランスを補正するために、やや眉頭を寄せ目にして、また眉の上ラインをふわっとさせてもう少し太さを出したいところですね」
では、普通の人でもありがちな「べったり眉毛」を、自然な眉に変えるコツは何でしょうか?
「“眉ペンシル1本描き”から卒業することです。
ありがち!リップが若い頃の流行色のまま
また、高市さんのリップの変化も注目されています。以前は濃いリップで上唇の山をくっきりかいていたのが、今はピンクベージュ系で柔らかい雰囲気になっています。「上唇の山をぼかして人中(鼻の下)を短くするのが、若い女性に流行っていますが、私としては、上唇の山はしっかり描いてもいいと思います。
それよりも気になったのが、リップカラーの古さです。先日60代女性の集まりに参加したのですが、皆さんが言うには、『高市さんのリップカラーは、私たちが20代だったバブル期に爆売れした外資系コスメの色なのよね。あ、まだあの色を使ってるんだ……って』と盛り上がっていました。
トレンド最先端をいく必要はないのですが、やはり昔のメイクを死守している方は、なんとなく頑固なイメージに見えてしまいますね。その点で、高市さんがリップカラーをアップデートしたのは、よかったと思います」
ブルーのスーツも、微妙に使い分け
また、総裁選当日に着ていた鮮やかなブルーのスーツも目を引きました。かつては、黒やグレーのスーツが多かったのが、ブルーをトレードマークにした高市さん。憧れの人だというサッチャー元英国首相のブルーとモロ同じ、という説もありますが……。
それに対して、最近の高市さんの鮮やかなロイヤルブルーは、威厳・知性・華やかさを感じさせる色。英国王室の公式カラーとしても知られていますよね。
また、威厳を強調したいときはロイヤルブルー、柔らかさや親しみを出したいときはやや緑がかったティールブルーなど、青を軸に使い分けているように感じられます。プロのアドバイスが入っているのでは?」
華やかさを出そうとして、赤や黄色の芸人みたいなスーツを着る女性政治家もいる中、ブルーは賢い選択だったかも。
メイクやファッションを刷新したわりには、副総裁を麻生太郎元首相(85)にするなどの執行部人事は“旧体制に戻しただけ”という批判もありますが、本業の刷新をよろしくお願いしたいところです。
<池田曜央子 文/溝口ゆかり>
【池田曜央子】
(いけだ・ようこ)メイク講師。骨格補正メイク考案。一般社団法人日本骨格バランス協会代表理事。
1977年生まれ、青山学院大学経済学部卒業。建築士だった38歳のころ、愛犬の事故死でうつ状態に陥り、糖質依存となり15kgの激太り。外見差別を受けたことをきっかけに、美容・ファッションなどを学び、メイク講師として活動を開始。