10月12日に約2年半ぶりの芸能界復帰と個人事務所の設立を発表したタレントの小島瑠璃子さん。かつてはバラエティ番組で引っ張りだこだった彼女の再始動に、注目が集まる一方で、世間の反応は賛否が分かれているのも事実です。
今後、小島さんが芸能界でどのような立ち位置を築いていくのか、その可能性を探ります。

“こじるり無双”と称されたタレント黄金期

「世間から厳しい声…」小島瑠璃子、2年半ぶり覚悟の金髪復帰も...の画像はこちら >>
小島さんと言えば、「第34回ホリプロタレントスカウトキャラバン」で3万3910人の中からグランプリを受賞し、可愛らしいビジュアルと知的なコメント力でバラエティ番組に引っ張りだこでした。“こじるり”の愛称で親しまれ、グラビアアイドルとしてのルックスに加えて、お笑いやバラエティ番組でのリアクション、ワイプで抜かれた際の表情も評価されてきたほか、スポーツ番組のメインキャスターや報道番組でのコメンテーターとしても活躍していた小島さん。

特に政治番組での、頭の回転の速さを活かした現場リポートや政治知識に長けたコメントは、まだ20代という若さの女性タレントとしては非常に珍しく、当時は“こじるり無双”とも呼ばれて重宝されていました。

しかし、次第に私生活に関する報道も取り上げられるようになりました。2020年7月には、人気漫画『キングダム』の作者・原泰久さんとの交際が一部メディアで報じられました。この報道をめぐっては、当初さまざまな憶測が飛び交いましたが、原さんは2020年3月に離婚が成立していたことを自身のSNSで明かしています。離婚と交際開始の時期については詳細が公表されていないものの、一部で議論を呼ぶ形となり、小島さんの好感度が急落する事態となりました。

恋愛スキャンダルと“こじるりの転機”

「世間から厳しい声…」小島瑠璃子、2年半ぶり覚悟の金髪復帰も“キャラ変”を迫られるワケ
画像:ピタットハウスネットワーク株式会社 プレスリリースより(PRTIMES)
20歳近い年の差を乗り越え、原さんの離婚後に純愛とも思われた2人でしたが、翌年の2021年には破局が報じられています。その後、2022年には小島さんが日本でのタレント活動を休止し、2023年から中国へ留学することを発表。その際も「不倫略奪しておいて破局なんて、元奥さんと子どもたちがかわいそう」、「好感度が下がって仕事が減ったから中国に逃げたのではないか」といった批判が少なからず起きていました。

そのような状況の中、予定通り2023年に中国へ留学した小島さんは、同年3月に実業家の北村功太さんとの結婚を発表。さらに8月には第1子を出産し、母親となりました。北村さんはサウナ事業などを手がける若手起業家としても知られており、小島さんは芸能活動を休止し、中国で夫を支えながら、子育てと学業の両立に取り組んでいると見られていました。


しかし、2025年2月に北村さんが29歳という若さで急逝。一部では、当時の会社経営の厳しさが背景にあったとの報道もありました。突然の訃報に、幼い子どもを抱えてシングルマザーとなった小島さんを心配する声が多く寄せられています。

金髪復帰と再始動への厳しい視線

そんな中でも、小島さんは10月に金髪姿というイメージチェンジを行い、自身のインスタグラムを通じて芸能界の活動再開と個人事務所の設立を報告しました。また、10月12日に公開された経済やビジネスコンテンツを扱うNewsPicksのYouTube動画にも出演し、活動再開や旦那さんについて語っています。

こうした小島さんの芸能界復帰については、これまでの好感度やスキャンダルの影響もあり、世間からは厳しい声が寄せられているのが現状です。旦那さんの急死という不幸からわずか8か月という期間の早さについても、「せめて1周忌を終えてからでいい。復帰時期としては今ではないのでは?」「今までのことをまた掘り返されて叩かれて、本人がメンタルを病んだりお子さんに影響がないか心配」といった意見が見られます。

確かに、これから小島さんがバラエティ番組などに出演すれば、過去のスキャンダルや旦那さんとの出来事についてバラエティのノリで根掘り葉掘り聞かれたり、逆に共演者がどう接するべきかわからず腫れ物扱いとなる可能性もあります。自ら自虐して笑いに変えようとしても不自然ですし、旦那さんの死についてコメントする場合には、同情を誘うように受け取られる可能性も否めません。

“社会派こじるり”という新境地への可能性

「世間から厳しい声…」小島瑠璃子、2年半ぶり覚悟の金髪復帰も“キャラ変”を迫られるワケ
画像:吉本興業株式会社 プレスリリースより(PRTIMES)
このように、小島さんが以前のように活躍できるかどうかは不透明な点が多いことから、今回の復帰に懐疑的な意見が多いのかもしれません。一方で、小島さんが2歳の子どもを抱えてシングルマザーとなったことは明らかです。女手一つで働かなくてはならないという立場で、芸能活動を再開するには相当な覚悟や勇気を持って臨んでいるのではないでしょうか。


そこで、小島さんがこれから芸能界で活躍するために一つの道として考えられるのは、得意とする政治や報道などの分野に特化することです。中国での生活だけでなく、日本とは異なる政治やビジネスの現状、シングルマザーの子育て事情、そこで感じた日本社会への提言などは、小島さんにしか語ることができないテーマでしょう。活動休止前の彼女は20代で「年齢にそぐわない高い意識を持つ女の子」というイメージでしたが、現在の小島さんは「結婚や出産、自分探しなど、多様な人生経験を経た30代」としての厚みがあります。

過去に報じられてきたスキャンダルや旦那さんの件についてはできるだけ触れず、バラエティやお笑い番組ではなく政治や報道、育児など社会派の分野に焦点を当てていくことが、芸能界での新たな道になるかもしれません。さらに、現在は動画コンテンツが充実していることから、必ずしもテレビの世界に限定する必要もなく、他のプラットフォームで自分の強みを発揮する選択肢もあるはずです。

旦那さんを亡くして日が浅い今は、自身とお子さんを守るためにも、自分の得意な環境で安心して活動を続けていくことが最良の選択になるでしょう。

<文/エタノール純子>

【エタノール純子】
編集プロダクション勤務を経てフリーライターに。エンタメ、女性にまつわる問題、育児などをテーマに、 各Webサイトで執筆中
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