弁当の底が不自然に持ち上がっていることが問題視されるなど、“コンビニ飯”は定期的に物議をかもしているが、基本的にはセブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンの商品がやり玉に挙げられるケースが多い。ただ、大手3社を追うミニストップのある商品がここ最近物議をかもしている。


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 Xでは、ミニストップで売られているトップバリュ「ジューシーチキンカツサンド」(税込386円)の外見と中身の写真を添付したポストが大きな反響を集めている。正面から見ればボリュームのあるチキンカツだが、サンドしているパンをはいでみると、豚カツの端っこくらいの大きさのチキンカツがひっそりと姿を現す。あまりに外見と中身のギャップが激しいため、Xには多くの反応が寄せられている。

実際にチェックしてみた

「サンドイッチの中身が外見に反してしょぼかった」というケースは、コンビニ飯あるあるだ。専門店のように一つ一つを丁寧に作っているわけではないため、コンビニのサンドイッチはある程度“個体差”が生まれやすい。

ミニストップのカツサンドが炎上「見た目パンパン、中身スカスカ」は本当か? 実際にチェックしてみた“驚きの結果”
ミニストップのサンドイッチ
 たしかに“ハズレ”は存在するのかもしれないが、すべての商品が中身の寂しいものばかりとは限らない。そこで、「ジューシーチキンカツサンド」を実際に購入してチェックしてみた。

重厚感あるビジュアル、そして中身は

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ジューシーチキンカツサンド
 チキンカツには重厚感があり、ガッツリ食べたい時には、ついつい手を伸ばしたくなるビジュだ。

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Xの投稿とは違う気も……
 肝心の中身を見てみる。2つ入りではあるが、どちらも“チキンカツが奥までビッシリ”とまでは言えないものの、Xの投稿のような極端なスカスカ感は見られない。筆者が購入したものくらいの中身であれば、Xの投稿者もわざわざ報告しなかったのではないかと思う。

 ちなみに、味はフレッシュさとジューシーさを兼ね備えたチキンカツが魅力。カツサンドは豚カツが使用されるケースが多く、チキンカツをサンドした同商品には真新しさも感じた。

そこまでひどくはない?

 ミニストップのサンドイッチ事情をより深く知るため、もう1つサンドイッチを購入した。

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たっぷりレタスサンド
 「ハム増量」と記されたシールが貼られている通り、「ジューシーチキンカツサンド」同様に、具材にボリュームのある「たっぷりレタスサンド」(税込321円)を選択した。


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そこまでひどくないのでは?
 こちらも中身を見てみると、断面に厚みがある一方で、見えない部分には若干のスカスカ感があり、ボリューム不足を覚える。ただ、「騙された」と落胆するほどでもない。そもそもレタスやハムがしっかり入っているため、中身の重厚感はむしろ高いのではないか。

普通に「ちょうどいいサンドイッチ」

 また、味はレタスが瑞々しく、ハムもサッパリしており、自己主張もそこまで強くない。全体的に食べやすく、食欲がない時でもパパっと食べられそうだ。

 余談ではあるが、ミニストップはイオングループに所属しており、イオンのプライベートブランド「トップバリュ」の商品も取り揃えている。今回取り上げた2商品にも「トップバリュ」のロゴが入っていた。

ミニストップの売り上げは今後も厳しいか

 ミニストップといえば、2025年8月に一部店舗での、店内で作るおにぎりや弁当、惣菜の消費期限の偽装が発覚。その後ミニストップは、9月までに全国25店舗で店内で消費期限の偽装が行われていたことが分かったと公表した。「見た目に反して中身が少なかった」とコンビニ飯に憤る消費者は多いが、消費期限の偽装はさすがにやりすぎだ。

 ミニストップの全店売上高は今年3月~6月まで「平均売上高前年比」が100%を超えていたものの、7月(96.2%)以降はやや停滞。8月に一部店舗で店内調理品の消費期限偽装が発覚し、その後9月(93.0%)には売上がガクッと下落した。偽装発覚による販売中止やイメージダウンが影響した可能性も考えられる。


 10月中旬からは一部店舗でのおにぎりや弁当の製造・販売を再開し、徐々に全国の店舗でも復活させていこうとしている。ただ、今回のXでの報告により、ネガティブなイメージを刷り込まれた人は一定数いそうだ。ミニストップの苦境は、まだしばらく続くかもしれない。

※記事内の価格は、筆者が首都圏の店舗で2025年10月購入した時点の価格です。

<写真・文/望月悠木>

【望月悠木】
フリーライター。社会問題やエンタメ、グルメなど幅広い記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。X(旧Twitter):@mochizukiyuuki
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