2025年5月に、小室さんと眞子さんのお2人に待望の赤ちゃんがお生まれになられました。

 性別は非公開。
悠仁様の成年式のときにも帰国しないまま、赤ちゃんのお姿も公開せず、ブライバシーを守って生活されています。それは、自己顕示欲が止まらないメーガンさんとヘンリー王子カップルの対極のよう……。

 あるパーティで、赤ちゃんの性別を聞かれた小室さんが、「ああ、それは本人のことなので」と答えて煙に巻いた、という「週刊女性PRIME」の記事もありました。皇位継承権に関わるナーバスな話題なので、公開は控えているのでしょう。

 でも、ここまで徹底的に言わないのは、もしかして皇位継承の可能性がある性別……? という予測も浮上します。とにかく、世界的のロイヤルファミリーの中でも類例を見ないほどガードが固い小室さん夫妻。海外メディアも気になるようで、ついにアメリカの雑誌で特集されていました。

富裕層向け雑誌で特集された小室眞子さん

小室眞子さんの“お忍びライフ”を米セレブ雑誌が特集。むしろ注...の画像はこちら >>
「Town & Country Magazine」は「Luxury Style, Travel, and Leisure, Society」などがテーマの富裕層向けの雑誌。表紙にはノーブルな皇室ファッションをまとい、やんごとない表情でお手振りされる眞子さんの写真が掲載されています。

「Princess Incognito: How Former Japanese Royal Mako Komuro Escaped It All」というのが特集のタイトル。日本語にすると「お忍びプリンセス:元皇族の小室眞子さんがいかにしてすべてから脱出したか」という意味になります。

 ウェブ版にも記事が転載されていました。ちなみに「Town & Country Magazine」のサイトを見ると、コスメやファッション、旅行、セレブ、といった話題の中、ロイヤル関係の記事も目立っていました。


「チャールズ国王はなぜ今アンドリューの爵位を剥奪したのでしょうか?」「メーガンさんお気に入りのカシミアセーター」「レディ・マーガリータ(イギリス国王ジョージ6世の曾孫)が祖母マーガレット王女の婚約指輪を着用」などの欧米のロイヤル記事に混じって眞子さんの記事も注目されていそうです。

メーガンさんとヘンリー王子を例に出し……

 眞子さんの特集記事は「買い物客の皆さん。もしロイヤルを見かけても見物したり写真を撮ったりパパラッチを呼ばないでくださいね!」という呼びかけで始まり、ティアラにカジュアルファッションでネギがのぞいた買い物バッグを持った眞子さんのイラストが添えられています。

 イラストは風刺画タッチですが、記事の内容はわりと好意的でした。「ゴシップやイベントだらけの華やかなニューヨークで、かつて日本の皇室の内親王であった小室眞子さんほど、極めて控えめに暮らしている人はいません」と、奥ゆかしさを褒めているようです。

 王室関係の記者、トム・サイクス氏もこんなコメントを寄せています。「もしあなたが街で眞子さんと小室圭さんに会っても、すぐには見分けがつかないでしょう」

 そしてメーガンさんとヘンリー王子を例に出し、「眞子さんと圭さんが示したのは、王室を離れ、真にプライベートな生活を送ることは可能だということです。もし本当にそれを望むのなら」と、小室さん眞子さんのプライバシー意識の高さを好意的に捉えていました。Netflixと契約し、インスタを公開しながらも、ことあるごとにプライバシーを持ち出すメーガンさんとヘンリー王子を揶揄しているようです。

地味なファッションは“匿名性を保つための努力”?

小室眞子さんの“お忍びライフ”を米セレブ雑誌が特集。むしろ注目が集まるガードの固さとは/辛酸なめ子
眞子さんとグレタガルボ
 セレブや名声についての著書があるミシガン大学のダニエル・ハーウィッツ教授も、眞子さん小室さんのお忍びライフについて見解を語っていました。

「名声から逃れる方法はいくつかあり、セレブの中には、とてもシンプルな行動を取る人もいます。それは、国を出て行くことです。眞子さんが日本を去ったように」

 ハーウィッツ氏によると、グレタ・ガルボの晩年の生き方が、眞子さんの生活と通じる部分があるそうです。

「映画界を去ったガルボは、誰からも尊敬されるハリウッドで暮らす代わりに、ニューヨークに移りました。
彼女は可能な限り地味な服を着ていました。私はよく彼女がブロードウェイを歩いて買い物に行くのを見かけました。人々は彼女に気づきませんでした」

 眞子さんの地味でモッサリしたファッションや、すっぴん姿は、プライバシーを守るための演出だったのでしょうか。「匿名性を保つための目覚ましい努力」と書かれていて、本人的に普通に気に入った服を着ているのだとしたら複雑な思いになりそうです。それにしては小室さんのヘアスタイルが特徴的で目立ってしまっていますが……。

不動産購入時のエージェントも夫妻について語らない徹底ぶり

 記事では、皇室典範の、女性皇族は一般男性と結婚すると皇室を離れて民間人になるという規定や、眞子さんが結婚するときに小室さん母親の借金問題で世間に反対されたエピソード、婚約の記者会見の様子などにも触れていました。

 眞子さん小室さんのストーリーが走馬灯のように蘇ります。確かにあのとき2人は一生分以上の注目を浴びてしまったのでしょう。皇族に生まれ、一挙一動を晒されてきた眞子さんが、ひっそりと静かな生活を送りたい、というのは自然な欲求かもしれません。

「控えめな謙虚さは日本の君主制の神秘性の一部です」「眞子さんと夫は、サセックス公爵夫妻の逃亡に対するヒステリックな反応のようなものを一切引き起こすことなく、王室の檻から逃げることができました」と、エリザベス女王についての著作があるクライブ・アーヴィングは述べています。

 2人の家の購入を仲介したとされるエージェントは、眞子さんに関する質問への回答を拒否。ニューヨークの日本大使館・領事館、ジャパン・ソサエティ、メトロポリタン美術館などの団体もコメント要請に応じなかったそうで、周りのガードも強固です。

 さらに自宅近くの食料品店や、コーヒーショップの店員も、眞子さんには見覚えがないと話したそうです。


世界は2人を中心に回っている?

小室眞子さんの“お忍びライフ”を米セレブ雑誌が特集。むしろ注目が集まるガードの固さとは/辛酸なめ子
日本雑誌協会代表撮影
 セレブリティについての本の著者、P・デイビッド・マーシャル氏は「彼女は名声や知名度から離れた、別のアイデンティティを求めているのです」と、推測。「かつて著名だった人物が姿を消すと、皮肉にも、世間の関心を高めることになるのです」とも述べていました。

 お忍びプリンセスは、身を隠せば隠すほど逆に注目度や影響力を増してしまう……。子供の性別もいつまで死守できるのでしょうか。

 でも、数多のセレブやロイヤルがいる中、徹底的に隠れる、というキャラは他にはあまりいないので、これからも貴重な存在として学者や指揮者の研究対象にされそうです。そして歴史に名を残す存在に……。

 今のところ、世界情勢や日本の経済状況は2人に味方しています。円安やニューヨークの物価高のせいで日本のマスコミはニューヨークまで取材に来られなそうです。当分の間、静かで平穏なお忍びライフは継続されることでしょう。世界は2人を中心に回っている……のかもしれません。

<文・イラスト/辛酸なめ子>

【辛酸なめ子】
東京都生まれ、埼玉育ち。漫画家、コラムニスト。
著書は『辛酸なめ子と寺井広樹の「あの世の歩き方」』(マキノ出版)、『辛酸なめ子の現代社会学』(幻冬舎)、『女子校育ち』(筑摩書房)など多数。
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