【今日のにゃんこタイム~○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.190】

 野良猫が生きる世界は過酷。誰にも気づかれず、ひっそりと命を落とす子も少なくありません。
そんな危機から救われ、家猫ライフを満喫しているのは、むぎと人間さん(@mugitokoromo)宅に迎え入れられた、むぎくん。

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 むぎくんは、飼い主さんのお父さんによって命を救われました。

田んぼ脇の用水路で「生きたい」と叫んでいた子猫を保護

 2023年6月9日の夜、仕事から帰宅した飼い主さんのお父さんは、子猫の鳴き声を耳にしました。

 声を辿り、街灯がない田舎道を懐中電灯で照らしながら歩くと、自宅から100mほど離れた田んぼ脇の用水路に子猫が……。1日中、降り続いた雨によって用水路には大量の水が流れていました。

用水路で今にも流されそうな子猫を保護→2年後の“成長した姿”と食いしん坊キャラが愛くるしい
保護した場所
 子猫は小さな手で近くの草に一生懸命しがみつき、鳴き叫びながら足をバタバタ。流されまいと耐えながら、助けを求めていました。

 その様子を見たお父さんは、子猫を保護。しかし、自宅には臆病な性格の先住猫が2匹いたため、娘である飼い主さんに相談しました。

用水路で今にも流されそうな子猫を保護→2年後の“成長した姿”と食いしん坊キャラが愛くるしい
保護直後
 当時、飼い主さんは結婚し、ペット可の物件に引っ越したばかり。新婚旅行後に猫を迎えようと思っていましたが、思わぬ出会いを知らされ、新婚旅行をキャンセル。猫用グッズを買いそろえ、お父さんが保護した子猫を迎え入れました。

食欲旺盛な愛猫に翻弄させられた“幸せな育猫期”

 子猫の名前は、「むぎ」に決定。お迎え当日、お腹の上に乗せると、むぎくんはそのままスヤスヤ。
その温もりを感じた飼い主さんは、3年ほど前に亡くした実家猫を思い出し、泣けてしまいました。

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実家猫ぶっちーちゃん
 ぶっちーちゃんは保護した時に白血病キャリアと判明。白血病が発症して始まった介護生活の中では心身が疲弊し、飼い主さんは「逃げ出したい」と「生きてほしい」の狭間で苦しんだこともありました。

「だからこそ、むぎは絶対に幸せにしようと誓いました。葛藤や悲しみは避けられないかもしれないけれど、今度はしっかりと命に向き合い、最期まで幸せに生きられるように力を尽くしたいなって」

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初めてお腹の上で眠ってくれた時
 お迎え当初、励んだのは結膜炎の治療と寄生虫の駆除。新しい環境に来た不安からか、むぎくんは2週間ほど夜鳴き。飼い主さんは、2時間ほどの睡眠で出勤する日々を送りました。

 一緒に暮らす中で驚いたのは、むぎくんの食欲です。ご飯はいつも、きれいに完食。生後2ヶ月の頃には、食卓に並べたおかずを強奪しようとしたことも。

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ほうれん草とベーコンのバター炒めを盗もうとして現行犯逮捕された時
「だから、食事中は隣の部屋にいてもらい、扉を閉めました。でも、むぎは部屋の引き戸を開けてリビングに入ってきて……(笑)生後8ヶ月の頃には、料理中に近づいてきて危ないので鍵付きのケージに入ってもらっていましたが、ケージの扉の下に手を入れて扉を持ち上げ、留め具を外して脱出したこともありました」

猫用おやつよりも葉物野菜が好きな“変わらない個性”が愛くるしい

 この子は、大麦になる――。そんなお父さんの予言通り、むぎくんは、がっちりとした体格に。
しかし、内面は変わらず、暴れん坊。気に入ったおもちゃは遊び倒して破壊し、飼い主さんが帰宅すると、興奮して突進したり足に噛みついたりします。

用水路で今にも流されそうな子猫を保護→2年後の“成長した姿”と食いしん坊キャラが愛くるしい
好きなのは、シューズボックスの高いところやクローゼットの扉の上
「食いしん坊なところも変わりません。『ごはん!』と声をかけると、絶叫しながら突進してきます。1時間前からご飯の催促をされるので、適正量のフードを1日に4回に分けてあげています」

 食の好みは個性的で、なぜか猫用おやつよりも葉物野菜が大好き。飼い主さんがキッチンでレタスやキャベツを洗っていると、盗みにやってきます。

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猫草も大好き
 なお、甘えん坊なところも変わっていません。むぎくんはめったに喉を鳴らさず、べったりくっつくこともありませんが、家族の姿が少しでも見えないと「アオーン!」と大声で鳴くのだとか。

「ただ、嫌なことは嫌だと自己主張するようにはなりました。爪切りをすると噛みつき、動物病院では大暴れします(笑)」

実は内弁慶な愛猫…命の恩人であるお父さんとの仲は…?

 そんなむぎくん、実は内弁慶。知らない人が来ると、冷蔵庫の上で固まります。

用水路で今にも流されそうな子猫を保護→2年後の“成長した姿”と食いしん坊キャラが愛くるしい
業者さんが来た時の絶望顔
 ただ、命の恩人であるお父さんのことは認知しているよう。
飼い主さん宅に迎えられてから、まだ2回しか再会できていませんが、どちらの時もわりと早く警戒心を解き、スリスリしたり、ナデナデを許可したりしていたのだとか。

用水路で今にも流されそうな子猫を保護→2年後の“成長した姿”と食いしん坊キャラが愛くるしい
お父さんに抱かれるむぎくん
「外での生活は、常に危険や飢餓と隣り合わせ。あのまま外にいたら、むぎは人知れず命を落としていたかもしれません。色々な偶然が重なり、出会えて本当によかった。むぎとの生活は、毎日が幸せでいっぱいです」

 できるだけ自由に楽しく、長生きしてほしい。いつか、むぎが歳をとって、どんな姿になっても最期まで向き合い、愛し続ける――。大好きだった実家猫の看取りを経たからこそ、飼い主さんはそう強く誓い、かけがえのない命を優しく見守りつづけています。

用水路で今にも流されそうな子猫を保護→2年後の“成長した姿”と食いしん坊キャラが愛くるしい
むぎくん
 深い猫愛に包まれながら、自由気ままな日々を楽しむむぎくん。その生活が、これからも豊かなものでありますように。

<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>

【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
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