「恋は盲目」という言葉があるように、誰かを好きになると相手の真意や本当の姿が見えにくくなってしまうものなのかもしれません。今回はそんな体験でつらい思いをしたという女性・福石佑美さん(仮名・20代)に話を聞きました。


 佑美さんが陽翔さん(仮名・30代前半)と知り合ったキッカケは、勤務先から遠回しに強制参加を促された、仕事関係者との飲み会。社交的な場が苦手な佑美さんに気づいて声をかけてくれ、中心から少し離れた場所でしっとりと飲んだことでした。

完璧に思える男性との出会い

“イケメンで優しいお金持ち”と結婚した「普通の20代女性」の...の画像はこちら >>
「陽翔はイケメンでやさしく、さらにお金持ち。ドラマみたいな出会いもステキだったので、すぐ恋に落ちました。一般家庭で生まれ育ち、美人でもない私は引け目を感じることも多かったのですが、ネガティブな言葉を口にするたび陽翔が元気になる言葉をくれました」

 たとえば佑美さんが陽翔さんと容姿が違いすぎると口にしたときには「俺にとっては佑美がいちばん可愛い」と言ってくれ、得意なことや自慢できることがないと嘆いたときには「俺の心を癒せるのは佑美だけ」などと言ってくれたといいます。

「お金持ちな人や見た目がカッコイイだけの人はたくさんいるかもしれない。けれど性格までイケメンなのは陽翔しかいないと感動しているときに、告白され、すぐにOKしました。そしてそのままトントン拍子に結婚。幸せでした」

徐々に見えてきた彼の“本当の顔”

 結婚するまでは幸せいっぱいだった佑美さんですが、結婚後に少しずつ彼の本性や自分と結婚した目的を知ることになります。最初の違和感は結婚後、陽翔さんと佑美さんの友人を招いてホームパーティーを開いたときのことでした。

“イケメンで優しいお金持ち”と結婚した「普通の20代女性」のその後。ホームパーティーで露わになった“彼の本性”とは?
ホームパーティ 家飲み 乾杯
「はじめは何事もなく、取り寄せた料理を食べたりホームパーティーに参加した友だちが持ってきてくれたお酒を飲んだりして楽しく過ごしていたんです。でもみんながお酒に酔ってきた頃あたりから、私をけなすようなことを口にするようになりました」

 陽翔さんは佑美さんがいる前で「学歴がないぶんスタイルと顔がいい」「高い金を払って料理教室に通わせているのに上達しない」など笑いながらけなしはじめたのです。場の雰囲気が悪くなるとすぐに陽翔さんが話題を変えたこともあり、問題にもならずお開きの時間に。

「でもその日を境に、2人のときも私を下げる発言をするようになったのです。
最初は『そういう言い方はやめてほしい』とお願いしましたが聞き入れてくれず、『俺の愉しみはお前を蔑むこと』と冗談っぽく言われたこともあり、私のほうからは何も言わなくなりました」

 結婚を機に仕事を辞めていたため、まだ小さい子どもを連れての離婚も考えにくかったという佑美さん。そんな心情を見透かしたように「お前みたいな女、俺ぐらいしかもらい手はいない」など暴言も酷くなっていき、日々の生活もままならなくなっていたある日……。

久々に会った元彼が救世主に

「気分転換に入ろうとしたカフェの前で、たまたま高校生のときに付き合っていた元彼と再会したんです。彼はすぐに私の様子がおかしいことに気づき、いろいろと話を聞いてくれました。そして、『それはモラハラではないか?』と言われたんです」

“イケメンで優しいお金持ち”と結婚した「普通の20代女性」のその後。ホームパーティーで露わになった“彼の本性”とは?
カフェで会話をする男女
 そんなことを考えたこともなかった佑美さんは驚きますが、モラハラの説明を聞いているうちに陽翔さんの言動に当てはまるところが多々あることに気づきます。そして元彼が大人になって、DVなどの相談を受ける機関に就職していたことを聞き、さらに納得。

「私は夫からモラハラを受けていたのだと自覚しました。そして元彼の助言や助けもあり離婚。高校のときに好きすぎて別れてしまった元彼に救われました。少女漫画のようにそこから恋愛に発展……ということはありませんでしたが、すごく感謝しています」

 離婚後、介護士の資格取得を目標に施設で働きはじめた佑美さんは「人を好きになると相手のことが見えづらくなるのだとリアルに体験し、怖いと思いました」と話してくれました。恋は盲目。後悔しないためにも冷静に、そして厳しい目で相手を見定めたいものですね。


―シリーズ「男と女の『ゆるせない話』」―

<取材・文/山内良子>

【山内良子】
フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意。
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