皆さん、「自分だけの部屋」はありますか?家事や育児、仕事に追われる毎日の中で、「一人になれる空間がほしい」と感じたことがある人は少なくないでしょう。

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 特に家族と暮らす住まいでは、自分専用のスペースを確保することは簡単ではないですよね。
SNS上では主婦による「夫や子どもたちには個室があるのに、自分にだけない」といった投稿がときおり話題になることも。

 この「個室問題」は、現代の家庭が抱える共通の課題なのでしょうか?

 今回、30代から50代の既婚女性200人にアンケート調査を実施したところ、自分専用の個室を持てない人が多数派であることが判明しました。その背景には、住宅事情や家族構成といった、現代の家庭が直面する現実的な課題が大きく影響しているようです。

6割が「夫婦どちらも個室なし」住環境の余裕のなさが浮き彫りに

 まず、自分専用の部屋の有無について尋ねたところ、最も多かった回答は「夫にも私にも個室がない」で全体の約6割(120人)でした。次いで「夫にも私にも個室がある」(41人)、「夫には個室があるが、私にはない」(26人)、「夫には個室がないが、私はある」(13人)という結果になりました。

 夫婦ともに個室を持たない家庭が過半数を占める一方で、個室の配分には男女差が見られました。具体的には、「夫だけが個室を持つ」家庭(26人)は、「妻だけが個室を持つ」家庭(13人)のちょうど2倍という結果になりました。

 この数字は、個室を設ける際に夫が優先される傾向を示唆しているかもしれません。しかし、より大きな視点で見れば、多くの家庭が「家族全員、空間的に余裕のない住環境で暮らしている」という共通の現実を浮き彫りにしています。

 共働き世帯が増える現代においても、「夫婦どちらか一方のための書斎・ワークスペースを確保できない」住宅事情が多くの家庭に共通していることがわかります。

部屋数不足と子ども優先の現実

自分だけの個室「夫にだけある」が「妻だけ」の2倍!現代の個室事情を女性200人に調査してわかったことは
個室がない理由
 個室を持たない理由として最も多かったのは「部屋数が足りない(間取り上むずかしい)」で68人が回答。全体の約3分の1を占めました。

 続いて「子どもの部屋を優先している」(33人)、「自分には必要性を感じない」(47人)、「賃貸で間取りの自由度が低い」(20人)、「住居が狭い/収納で部屋が埋まっている」(8人)などが挙げられました。

 注目すべきは、「自分には必要性を感じない」と回答した人が47人いた点です。
しかし、他の回答と照らし合わせると、純粋に「欲しくない」というより、現実的な住環境の制約の中で「諦めている」という側面も考えられます。

「家計・予算の都合」(7人)や「家事動線上、共用スペースで事足りる」(16人)などの回答からは、限られた住宅事情の中での“合理的選択”の一面も垣間見えます。

 これらの結果から、個室を持てない背景には、単に「心理的我慢」や「家庭内の優先順位」の問題だけではなく、住宅の広さ、子育て期の選択、経済条件といった生活構造に密接に関わる課題があることがわかります。

求められるのは“生産空間”より“回復空間”

自分だけの個室「夫にだけある」が「妻だけ」の2倍!現代の個室事情を女性200人に調査してわかったことは
個室を何に使いたいか
 個室がない女性たちに「もし専用の部屋があったら、どのように使いたいか」を尋ねたところ、最も多かったのは「一人で休憩・昼寝・ぼーっとする時間を過ごすため」(44人)でした。

 続いて「趣味(手芸・推し活・読書・ゲームなど)を楽しむため」(37人)、「夜、一人で就寝するため」(30人)、「メイクや身支度など、自分のケア時間のため」(24人)という結果になりました。

「在宅ワーク・勉強など、集中して作業するため」と答えた人は19人で、より上位に挙がった用途を下回りました。この結果から、女性たちが求めているのは“能動的な作業空間”よりも“自分を取り戻すための回復空間”であることがわかります。

 家庭内で「常に他人と共有する時間」が長い生活リズムの中で、「誰にも邪魔されずに過ごす静かな時間」を求める心理が表れているといえるでしょう。

個室のある女性たちの使い方は?多くは「寝室」としての活用

 一方、自分専用の個室を持っている女性たちは、どのように活用しているのでしょうか。自由回答からは、多くの女性が「寝室」としての使用を挙げていることがわかりました。

「寝室として」(50歳女性・会社勤務(一般社員))

「寝室」(54歳女性・無職)

「自分が過ごす部屋、寝る部屋」(47歳女性・その他の職業)

 また、趣味や自分の時間を楽しむスペースとして活用している例も見られます。

「趣味の部屋として使っています」(53歳女性・専業主婦)

「趣味の部屋」(37歳女性・会社勤務(一般社員))

「夜にパソコンでネットを見ながらのんびりと」(49歳女性・専業主婦)

 中には、複数の用途を兼ねた使い方をしている人もいました。

「ベッドを置いていて寝室がわりにもしている。
自分の趣味のものを置いている」(47歳女性・専業主婦)

「在宅ワークと自分の寝室」(36歳女性・会社勤務(管理職))

「ベッドなし、ノートパソコンや手芸道具などを置いてるが滞在時間は少ない」(46歳女性・専業主婦)

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 今回の調査から、「自分だけの部屋」を持つことは、単なる贅沢ではなく、住宅事情やライフステージといった構造的な要因と深く関連する、生活の質に関わる問題であることが見えてきました。

 皆さんのご家庭では、家族それぞれの「自分の空間」はどのように確保されていますか? また、限られた住空間の中で、どのようにプライベートな時間を大切にしていますか? 家族の暮らしやすさを考える上で、「個室」という視点から見直してみるのも一つの方法かもしれませんね。

【調査概要】
調査対象:30~59歳の既婚女性200人
調査期間:2025年11月5日
調査機関:(株)クロス・マーケティング「QiQUMO」によるアンケート調査

<文/女子SPA!編集部>

【女子SPA!編集部】
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