新卒から18年半、テレビ朝日のアナウンサーとして、報道、スポーツ、バラエティなど多岐にわたる番組を担当してきた大木優紀さん(44歳)。

ハワイは3位。「直近3年間の海外の行き先」人気ランキング。2...の画像はこちら >>
 40歳を超えてから、スタートアップ企業「令和トラベル」に転職。
現在は旅行アプリ「「NEWT(ニュート)」」の広報を担当し、さらに、2025年10月にはハワイ子会社「ALOHA7, Inc.」のCEOに就任。家族とともにハワイに移住し、新たなステージで活躍しています。

 第23回となる今回は、2025年最新の海外旅行トレンドを綴っています。

2025年、旅が戻ってきた!最新データで見る「海外旅行トレンド」

 みなさんは、最後に海外旅行へ行ったのはいつですか?「もう何年も行っていない」という方も多いかもしれません。

 私の所属する会社が運営する旅行アプリ「NEWT(ニュート)」では全国の18~69歳の男女2万6186人を対象に「海外旅行に関する意識調査」を行いました。その結果、ここ数年とは少し違う“変化の兆し”が見えてきたのがわかりました。

 円安などの影響が続く中でも、「久しぶりに海外に行きたい」「そろそろ旅を再開したい」という声が確実に増えています。いよいよ“旅が戻ってきた”ーー2025年は、海外旅行にとって“転機の年”になりそうです。

 今回は、その調査から見えてきた「2025年秋・海外旅行トレンド」をもとに、今の日本人がどんな旅を求めているのか。人気の行き先や世代別の傾向まで、データとリアルな感覚の両面からお届けします。

海外旅行の現状と、進む二極化

ハワイは3位。「直近3年間の海外の行き先」人気ランキング。2025年は“転機の年”に
直近、海外に行った時期
 まずは今回の調査でわかった、海外旅行のリアルな現状から。

 海外旅行の経験を聞いたところ、「プライベートで行ったことがない」と答えた人が全体の44.4%にのぼりました。日本人のパスポート保有率の低さを考えると、悲しいながらも納得のいく数字かもしれません。

 一方で、「過去5年以内に海外旅行に行ったことがある」という人は55.6%。
さらに「コロナ以降に行ったことがある」と答えたのは14.3%にとどまりました。つまり、いまだに多くの人が“ポストコロナ初の海外旅行”を経験できていないことがわかります。

 世代別に見てみると、10代ではおよそ7割、20代では6割 が「一度も海外に行ったことがない」と回答。ただし、行っている人は他の世代よりも“直近1年以内に行った”割合が高いという特徴もありました。

 つまり、今の若者の間では、「行く人」と「行かない人」の二極化がはっきり進んでいるのです。海外旅行もデジタル化が進んでいます。スマホひとつで予約や支払いまで完結できるなど、旅行経験者にとっては、むしろ海外が“より身近”になっている一面も見えてきました。

今後の海外旅行予定と年代別傾向

ハワイは3位。「直近3年間の海外の行き先」人気ランキング。2025年は“転機の年”に
今後の旅行予定
 続いて、これからの海外旅行の予定についての調査結果を見ていきましょう。

「具体的に計画がある人」が17.7%、「具体的な予定はないが将来的に行きたい」という回答が32.2%という結果でした。

 一方で、およそ半数の50.1%が「海外に行く予定はない」と回答しており、依然として海外旅行には慎重な姿勢も見せる人も多いことがわかりました。

 年代別にみると、10代から20代では「1年以内に行く予定がある」割合が比較的高い傾向に。その一方で、年代が上がるにつれて「行く予定も気持ちもない」という回答も増加しています。

 つまり、現在の日本では「旅に出ている人」と「そうでない人」がはっきり分かれています。
とはいえ、「いつか行きたい」と考えている人も多く、今まさに、そのきっかけを探している時期なのかもしれません。

人気の渡航先の変化の波が

ハワイは3位。「直近3年間の海外の行き先」人気ランキング。2025年は“転機の年”に
3年以内に渡航した国・地域
 ここ数年の海外旅行先にも、少しずつ変化が見られました。さて、ここで問題です。この3年以内に人気だった海外の行き先、トップ3はどこだと思いますか? 正解は……

1位:韓国、2位:台湾、3位:ハワイ!
 
 続いて、4位アメリカ、5位タイ、6位シンガポール、7位中国、8位香港、9位ベトナム という結果になりました。

 コスパよくいける韓国、台湾は10代20代に依然として人気。その一方で、30代~40代は「少し遠くても行きたい」というアメリカなどの憧れの場所を選ぶ人が多い印象でした。60代以上では、安心して楽しめる場所であるハワイが根強い人気を集めています。

ハワイは3位。「直近3年間の海外の行き先」人気ランキング。2025年は“転機の年”に
今後渡航したいと思う国・地域
 さらに、「今後いきたい国や地域」についてアンケートをとったところ、ハワイが全年代で1位にランクアップ。続いて2位台湾、3位イタリア、4位韓国、5位オーストラリアという結果になりました。

 6~10位にランクインしているアメリカ、フランス、イギリス、ドイツなど、ヨーロッパ勢もランクイン。じわじわと今ヨーロッパ人気の復活も感じられる結果となりました。

 物価や距離といった条件よりも「自分にとって価値があるかどうか」を重視して旅行先を選ぶ人が増えている。そんな印象を受ける調査結果でした。


いま、旅が変わる―新しい旅のカタチへ

ハワイは3位。「直近3年間の海外の行き先」人気ランキング。2025年は“転機の年”に
大木優紀さん
 今回の調査からもわかるように、「旅に出たい」という気持ちは、確実に戻ってきています。コロナ禍以降、まだ様子を見ている人は多いものの、「いつか行きたい」「次はどこに行こう」と考え始めている人が着実に増えていました。

 また、円安や物価高といった現実的なハードルがある中でも、「自分にとって価値のある旅」を主体的に選ぶ人が増えているのが印象的です。

 旅行は“観光”から、“体験”や“つながり”へ。 誰と、どんな時間を過ごすか。それを大切にする時代へと、旅のあり方が変わってきているのかもしれません。

<文/大木優紀>

【大木優紀】
1980年生まれ。2003年にテレビ朝日に入社し、アナウンサーとして報道情報、スポーツ、バラエティーと幅広く担当。21年末に退社し、令和トラベルに転職。旅行アプリ『NEWT(ニュート)』のPRに奮闘中。2児の母
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