【今日のにゃんこタイム~○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.192】

「先代猫の最高齢は16歳だったので、22歳まで生きてくれたチロには、ハイシニアの素晴らしく愛しい景色をたくさん見せてもらいました。貴重な経験をさせてもらったという感謝しかありません」

 愛猫チロちゃんと過ごした日々を、そう振り返るのは飼い主の「やあ」さん(@nekonote76)。


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 健康優良児だったチロちゃんは最期まで飼い主さんから愛あるケアを受け、22年のニャン生を全うしました。

家族が連れ帰ってきた個性的な白黒猫

 出会いは、2003年の秋頃。外の世界で必死に生きていた子猫のチロちゃんを、家族が家に連れてきました。幸い顔も体も綺麗で、健康状態も良好だったそう。

 当時、自宅には2匹の先住猫がいましたが、そのうちの1匹が甲斐甲斐しくお世話をしてくれたおかげで、チロちゃんはすんなりとおうちに馴染むことができました。

22年前に保護した野良の子猫→今年、大往生。飼い主と愛猫だけが知る“真夜中の思い出”に感動
座るチロ
「チロを迎えた後も立て続けに猫を保護して、一時期は10匹の猫と暮らしていました。みんな野良猫や捨て猫。病気があったり若くして亡くなる子もいたりして、チロとは猫家族を何度も一緒に見送りました」

 チロちゃんは、猫じゃらしなどの猫用おもちゃには反応が薄いタイプ。おもちゃで遊ぶよりも、テレビに映し出された猫を眺めるほうが好きでした。

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若猫期
「画面から猫が消えると、テレビの後に行って確認していました。おもしろくてかわいかったその姿を、今でもたまに思い出してほっこりします」

 好きだったのは、飼い主さんと一緒に眠ること。就寝時は、飼い主さんのお腹や胸の上でスヤスヤ。たまに聞こえる「ピーピー」という鼻息に、飼い主さんは癒されていました。


好物を食べ、好きなように過ごしてもらったことが“長寿”に繋がった

 22歳まで元気に生きてくれたのは、生まれ持った体質やチロ自身のすごさ――。そう話すものの、飼い主さんはチロちゃんがストレスなく、快適に過ごせるよう、マメな配慮をしていました。

 例えば、ハイシニア期にはぬるま湯が好きなチロちゃんを気遣い、喉が渇いた素振りを見せた時には、すぐにぬるま湯を用意して飲ませていたそう。

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19歳の頃
「加齢で耳が遠くなり、鳴き声が大きくなったチロは夜中にもぬるま湯を催促してくれたので、その都度、用意していました」

 食事は健康を気遣って療養食を試すも、全く食べてくれなかったため、チロちゃんが好む一般的なフードを何種類かをあげていたそう。20歳を超え、ドライフードやウェットフードをあまり食べてくれなくなると、食いつきがいい猫用の焼きささみを湯煎して、あげるようになりました。

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大好きなおやつを見つめる時の目力!
 好きなものを食べさせ、好きなように過ごさせてあげる。そんなさりげない気遣いが、チロちゃんの長寿に繋がったのです。

「ただ、17歳の頃には驚かされた出来事もありました。脱走対策をしていたのに、2階のベランダから抜け出し、隣家の裏庭の木陰で気持ちよさそうに寝ていて……。どうやってすり抜けたのかは未だに謎ですが、シニアなのに2階から脱走した体力にビックリしました」

22歳の誕生日を迎えた2ヶ月後に天国へ

 チロちゃんの様子に異変が起きたのは、22歳の誕生日を迎えた2025年5月3日から1か月半ほど経った頃。トイレの失敗が増え、拭いても取れない目やにが出始めました。

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22歳の誕生日を迎えた日
 約2か月後の7月5日には食べ物を一切口にせず、辛そうに横たわるようになり、飼い主さんは別れが近いことを悟りました。その日、チロちゃんはフラフラしながら、トイレやベランダなど行きたいところへ。飼い主さんは抱っこしたり、支えたりしながら望む場所に連れていきました。


 翌日、チロちゃんは立ちあがることができなくなり、水も飲めない状態に。時折出す辛そうな声を聞いた飼い主さんは何もしてあげられない無力感に苦しみながらも、体を撫で「ありがとう、大好きだよ」と何度も伝えました。

22年前に保護した野良の子猫→今年、大往生。飼い主と愛猫だけが知る“真夜中の思い出”に感動
頑張って生きようとする姿が愛おしかった
「頑張っているチロの前で泣きたくないのに、自然と涙が溢れて止まりませんでした」

 その日の夜、チロちゃんは何度か痙攣。それでも心臓は動き続けてくれましたが、日付がちょうど7月7日に変わった頃、体が大きく痙攣。10分後に心臓が止まり、22年のニャン生に幕を閉じました。

22年前に保護した野良の子猫→今年、大往生。飼い主と愛猫だけが知る“真夜中の思い出”に感動
シニア期にも豊かな表情を見せてくれた
「深い悲しみはありましたが、辛い体を離れたから、もう苦しまなくていいんだと安心もしました。本当に最期の瞬間まで、全力で頑張って生き抜いてくれました」

体力的に辛かった真夜中のケアも振り返れば“大切な時間”

 ペットロス後、飼い主さんはしばらく、意識的にチロちゃんのことを考えないようにしていたと言います。

22年前に保護した野良の子猫→今年、大往生。飼い主と愛猫だけが知る“真夜中の思い出”に感動
チロの横顔
「悲しい、辛い、会いたいという気持ちは常にありましたが、考えてしまうと、通勤中や仕事中に涙が溢れそうになってしまうから……。ただ、なんとなくチロが近くにいてくれているような感覚はあって。寂しいけど寂しくない、みたいな不思議な感じが今も続いています」

 亡くなる前の数年間、飼い主さんは自身の体調が悪くても大声で鳴くチロちゃんのために、夜中でも、ぬるま湯での水分補給や湯煎で温めた焼きささみでの栄養補給をしていたため、正直「眠い……」と思ったことも何度かあったそう。

22年前に保護した野良の子猫→今年、大往生。飼い主と愛猫だけが知る“真夜中の思い出”に感動
要求に応えた後、満足そうに眠るチロちゃんを見る時間が幸せだった
 しかし、そんな日々も今振り返れば、2人だけが知っている“真夜中の大切な思い出”です。

 出会えて、家族になれて本当によかった。
かけがえのないスペシャルな毎日をありがとう。そう話す飼い主さんにとってチロちゃんは、永遠に心の中で生き続ける大切な愛猫です。

<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>

【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
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