恋愛・婚活コンサルタントの田中亜依です。10年間の婚活で600人以上とデートを重ねた経験を活かし、今では年間1000人以上の相談に応じています。


いびきがうるさい、足が当たる…飛行機での“微妙な迷惑行為”、...の画像はこちら >>
 国際線ファーストクラスを担当していた元客室乗務員の桜さん(仮名・38歳)に、コミュニケーション術を聞く本シリーズ。桜さんは客室乗務員として国際線のファーストクラスを担当した後、指導員として活躍しており、ホスピタリティ分野のプロです。

 移動や帰省が増えるこの時期、“どう伝えるべきか迷う場面”に出会いやすくなります。こちらは迷惑しているけれど、相手や状況を考えるとはっきり伝えづらい。そんなとき、皆さんはどうしていますか? 今回は、日常で直面しがちな「言いにくいこと」を工夫して伝える方法を、桜さんに教えてもらいました。

「隣の人のいびきがうるさい」⇒CAの解決方法とは

田中亜依(以下、田中):友人や親に対して、「言いにくいことをなかなか伝えられない」という悩みをよく聞きます。桜さんは仕事でこのような対応をしなければならない場面も多かったと思いますが、どう対応していたのでしょうか?

桜さん(以下、桜):機内では、本当に注意の嵐なんです。たとえば「隣の人のいびきがうるさいから何とかしてほしい」とか、「後ろの人がシートを強く蹴ってくる」といったケース。直接相手に注意するとトラブルになりやすいので、工夫して伝えていました。

 いびきなら、まずクレームを言ってきたお客様に「気になりますよね」と共感して落ち着いていただく。その後、いびきをかいている方に毛布をそっと掛けて体勢を変えてもらう。起こすのではなく、自然に改善を促す方法を取っていました。

 後ろの席のお客様がシートを蹴っているケースでは、まず蹴られている側のお客様にお詫びをして、「私からさりげなく声をかけてみますね」と伝えます。


いびきがうるさい、足が当たる…飛行機での“微妙な迷惑行為”、CAはどう注意する? 国際線CAに聞いた「意外な答え」
笑顔でお客様の対応をするキャビンアテンダント
 そのうえで、蹴っている方(多くはお子さん)に対して「足元に何か落ちていませんか?」と声をかけたり、「席を少し広くできますよ」と座り直しを提案する。つまり直接「やめてください」と伝えるのではなく、別の行動に誘導して改善してもらうんです

田中:なるほど、直接クレームが入ったことを相手に伝えるのではなく、解決につながる行動を促すんですね。とっさにそういう行動が取れるのは、さすがホスピタリティのプロです。

両親や義両親、ママ友に「やめて」を言えないときは

田中:続いては、日常生活での「言いにくい場面」の相談です。

祖父母が、自分の箸やスプーンで孫に食べさせている。親としては、虫歯がうつりそうで困るからやめてほしい」、「ママ友が毎回お菓子をくれるけど、子どもにはあまりお菓子を食べさせたくないため、家庭の方針に合わない」といった場合は、どのように伝えたらいいでしょうか?

桜:その場で直接伝えると角が立ちやすいので、事前に対策を考えておきましょう。

 祖父母の箸やスプーンの件なら、あらかじめ子ども用の箸やスプーンを近くに用意して、祖父母のものではなく、用意したものを使うよう自然に促す。ママ友のお菓子なら、お菓子を出される前に、身の上話として「実はうちでは甘いものを控えていて」と前もって共有しておく。

 事前に一言添えておくだけで、当日の空気を壊さず相手にも受け入れてもらいやすくなりますよ。

正しさを押し付けるより、相手に気づかせる工夫を

田中:事前に対策できることはやっておくというのは、やはり大切ですね。相手に自然と気づいてもらえれば、相手も気分を害しませんし、自分としても伝えるストレスが減ります。

いびきがうるさい、足が当たる…飛行機での“微妙な迷惑行為”、CAはどう注意する? 国際線CAに聞いた「意外な答え」
会話する男女
桜:そうなんです。人は問題が起きた時にその場で直接指摘されると、防御反応で反発してしまいやすいものです
でも間接的に伝えられると「あ、そうか」と自然に受け入れられる。

 機内で学んだのは、正しさを押し付けるより、相手に気づかせる工夫の方がずっと効果的だということでした。身の回りのお悩み事でも、相手の行動を少し変えてほしい時は、この考え方で役立つことがあると思いますよ。

「注意したいけど言えない」という悩みは誰にでもあります。伝えた結果、相手の気分を害してしまったり、言い合いになってしまうのではないかと思うとなかなか言えなくなってしまい、関係自体がストレスとなってしまいます。

 でもダイレクトに言わなくても、工夫すれば相手に伝わります。相手を立てつつ自分の意見も伝えるバランスが大切です。人間関係において、言いたいけど言えなくてストレスを感じている人は、「相手に気づかせる工夫」を、ぜひ取り入れてみてください。

言いにくいと感じたら、さまざまな伝え方を試してみよう

 ホスピタリティのプロ、桜さんが実践していたのは、不満な点を直接伝えるのではなく、「相手に気づかせる工夫」でした。注意したいけれど言いにくい状況にストレスを感じた時は、自然と改善を促す、事前に対策を打つなど、自分がストレスを感じにくい方法を試してみるといいかもしれません。

<取材・文/田中亜依>

【田中亜依】
恋愛・婚活コンサルタント、デートコーチ。婚活歴10年、婚活に700万円を投資。
マッチングアプリ、結婚相談所、合コンで600人以上の男性と出会い結婚。この経験を生かし、国内最大手結婚相談所にて「また会いたくなるデート方法」などのセミナー講師として活動。Twitter:@date_coach_ai/Instagram:@ai_tanaka1019
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