毎朝、明るい笑いを届けてくれるNHK連続テレビ小説『ばけばけ』。このドラマは主役のトキ、ヘブンのふたりのみならず、松野家の人々、錦織……などなど、登場人物の個性的なキャラクターが魅力でもあります。


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人気上昇傾向の中、11月24日の放映で満を持して登場したのが、トキの恋敵となるべく現れた島根県知事・江藤安宗のご令嬢、おリヨさまです。

わがままな悪役令嬢、おリヨさま

北香那さん演じるおリヨさまは、その美貌、家柄だけでなく料理上手で、さらに東京の女学校仕込みの英語も堪能という才色兼備なお嬢様です。登場して間もなく、ヘブンに惹かれ、女中であるトキに対し「あなたは私のライヴァルなのかしら?」と宣戦布告。

トキが否定すると「協力してくださらない?」と仲を取り持つよう強要するなど、わかりやすい悪役ムーブをかまします。ルー大柴を思わせるような英語交じりのお嬢様言葉で、ヘブンとトキのあいだに割って入り、心通わせつつあるふたりの関係を翻弄しています。

12月2日放送では、ヘブンの前で琴を演奏したにもかかわらず「シジミさん(トキ)みたい」と評されたことに大激怒。三味線や生け花が堪能なトキに対して、「やめてくださらない? お花とか茶の湯とか三味線とか。あなたがやると私が目立たないでしょ!」と命令し、トキを戸惑わせました。

クセつよキャラがSNSでも話題に

そのハッキリとした強烈キャラクターに、SNSでは、「すげえキャラ」「クセつよ悪役女子!」「おトキちゃんへの圧が強い」などと、盛り上がりました。

おリヨさまを演じるのが、28歳の演技派女優・北香那さん。ドラマや映画での活躍のみならず、共演者との距離感の近さや過剰なボディタッチで炎上したことも視聴者の記憶に新しいところです。

プライベートでもヒール役? 過去の炎上騒動

炎上の火種は2024年、ドラマ『先生さようなら』(日本テレビ系)のクランクアップ映像です。

花束を渡すSnow Manの渡辺翔太さんへ握手を求め、肩に手を添えるなどの仕草がファンの中で話題になりました。それと共に俳優・高橋文哉さんへ絡もうとする動画も発掘され、こちらも含めてネットで批判を浴びました。

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相手が人気アイドルと今をときめく俳優さんだったこともあり、「相手の手を撫でたり何回も体をベタベタと触るのは異性でも同性でもセクハラじゃない?」「全男性俳優共演NGにして」「ボディタッチおばさん」「ねっとりお触りお姉さん」などと、その行為や人間性を批判する声が数多く沸きあがりました。


お笑い芸人・粗品さんも自身のYouTube「1人賛否」(2024年10月15日)にて言及するほど。ボディタッチは本人の癖と言われれば納得できる範囲のものの、その悪名で名前を覚えた人も多いようです。

悪役はお手の物。菜々緒や武田久美子に続くか

当初、北香那さんがトキのライバル的な役回りと発表された際、先の炎上もあいまって多くのヘイトを集めるだろうと筆者は想像していました。しかし、ふたを開けるとどうでしょうか? SNSを中心に、その悪役ぶりがむしろ愛されています。

役柄自体のクセが強いのはもちろんですが、一番が北さんの役へのハマり度合です。

かつての炎上で世間に「嫌な女」イメージを植え付けていたことが功を奏した部分があるのかもしれませんが、それ以前にも『魔法のリノベ』(カンテレ・フジテレビ系/2022年)の主人公を陥れるイヤな女役が話題になっていたこともあり、悪役はお手の物のよう。

古くは武田久美子さん、少し前は菜々緒さんが出てくるだけで不穏な雰囲気を醸し出す悪役女優として、ドラマで重宝されていました。今後は北さんがその女王となる期待大です。

『バイプレイヤーズ』などで独自のポジションを確立

一方で、『アバランチ』(カンテレ・フジテレビ系/2021年)では、小さな町工場の娘役を真摯に熱演、「演技がうますぎる」と存在感を印象付けました。

また『拾われた男』(NHK/2022年)では、オタクのビデオ屋店員、そして『バイプレイヤーズ』(テレビ東京/2017年ほか)での中国人留学生・ジャスミン役は、そのコメディセンスをこれでもかと見せつけました。

悪役のみならず、その憑依的な演技力で多くの役柄を幅広く演じられる北さん。今までの俳優の常識に収まり切らない独自のポジションを確立するかもしれません。


おリヨさまの一昔前のドラマや漫画のような、わかりやすい悪役しぐさは、苛立ちよりも安心感を与えてくれます。その特徴的な口調は思わずマネをしたくなるほど。

登場すると必ずXのトレンドの上位になるくらい、このキャラが視聴者に愛されているのは、そのクセの強さとともに、どこか哀愁が漂っているからなのかもしれません。

悪役だけど哀愁も。思わず応援したくなる女優

『ばけばけ』が史実を元にしている以上、彼女の悲恋は約束されたもの。

モデルのラフカディオ・ハーンと小泉セツが添い遂げ、それに向かってストーリーが進展していることは、『ばけばけ』視聴者の全てが理解しています。

だからこそ、おリヨさまは、悲しき恋のピエロになってしまう可能性が高いです。ヘブンへの熱い思いがあるにもかかわらず、父親をはじめとする全ての人に反対されていることも、悪役だとしてもどこか肩を持ちたくなる要素を含んでいます。 
 
ヘブンとトキの進展も気になるところですが、おリヨさま、そして女優・北香那さんの今後の活動にも大注目です。

<文/小政りょう>

【小政りょう】
映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦
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