ここ最近、テレビ関係者の間で話題になっているアイドルグループがある。それが、福岡を拠点に活動するHKT48だ。


卒業生が次々と意外なブレイク!グループの未来を切り開くOGたち

HKT48といえば、AKB48プロジェクトの第4弾として結成され、2011年10月23日に西武ドームでお披露目されたグループである。2014年には『第65回NHK紅白歌合戦』へ初出場を達成し、ブレイクを果たした。近年では、テレビの歌番組などで見かけることが少なくなったが、現在も福岡を中心に活動しているグループだ。

そんなHKT48だが、卒業生が各ジャンルで意外なブレイクを果たしているグループとして注目を集めている。

まず、代表的なのが世界的に人気のLE SSERAFIMに所属する宮脇咲良。韓国のガールズグループで活躍し、グローバルな人気を誇る。日本国内外問わず、その存在感は絶大で、AKB48グループ卒業生の中でもトップクラスの知名度を持つ。

「え!?あの人も!」“福岡発アイドル”卒業生が芸能界を席巻!...の画像はこちら >>
そして、日本国内に限れば宮脇と同等に大ブレイクしたのが、タレントの村重杏奈だろう。バラエティタレントとして無双の強さを誇る村重は、13歳のときHKT48の一期生としてデビュー。

2021年末にグループを卒業すると、一気にタレントとして人気を得て、いまではさまざまな番組に引っ張りだこの超売れっ子に成長した。ランジェリーブランドのプロデュースでも成功を収め、日本での知名度では宮脇を超える存在かもしれない。

卒業生たちの新たな飛躍—FRUITS ZIPPERとCANDY TUNEの活躍

今年の『NHK紅白歌合戦』に出場を決めたFRUITS ZIPPERとCANDY TUNEは、いずれもHKT48の元メンバーが活躍しているグループだ。

HKT48での活動時には目立った成果がなかった月足天音(FRUITS ZIPPER)は、グループを代表するメンバーとして現在は大きな注目を集めている。彼女は、HKT48卒業後にFRUITS ZIPPERに加入し、グループの顔としてその存在感を示しており、今後の活動にも期待がかかる。


また、ドラフト会議でHKT48に加入した村川緋杏(CANDY TUNE)も注目すべき存在となっており、彼女もまた、グループ内で中心的な役割を果たしている。HKT48時代にはあまり目立たなかったが、CANDY TUNEではその才能を発揮し、瞬く間にファンを獲得。今やグループの顔とも言える存在に成長している。

さらに、HKT48の「なこみく」コンビ、田中美久と矢吹奈子も今やそれぞれの分野で大きな成功を収めている。田中美久は、抜群のスタイルを活かして令和を代表するグラビアアイドルに成長。

一方、矢吹奈子も女優業で大きな注目を浴びている。特にTBSの日曜劇場『御上先生』での出演が話題となり、これにより彼女の演技力が広く認識された。今後も女優としての幅を広げていくことが期待されている。

指原莉乃の影響力が生んだ実力派OGたち

その他にも、インフルエンサー・実業家の菅本裕子や、女優の兒玉遥など、各ジャンルで活躍するOGが多い印象だ。卒業メンバーの総数から考えると、AKB48より比率的にはHKT48のほうが、卒業後も活躍しているOGの割合は高いのではないだろうか?

「え!?あの人も!」“福岡発アイドル”卒業生が芸能界を席巻!ブレイクの裏にあった“スキャンダル”とは?
指原莉乃さん画像:カッパ・クリエイト株式会社 プレスリリースより
芸能界に良質なタレントを多く送り込むHKT48だが、なぜ卒業後に活躍できる人材が生み出されているのだろうか?大きな理由として、グループに途中参加した指原莉乃の存在があると考える。

指原は、AKB48のメンバーとして人気絶頂期にスキャンダル報道があり、2012年にHKT48へ移籍。指原はHKT48劇場支配人も兼任し、プレイングマネージャーとしてメンバーのプロデュースも行った。結果、多くのメンバーがスキャンダルから復活する指原の姿を目の前で見たことで、早い段階からプロ意識が芽生えたと考えられる。


躍しているOGは、バラドルからアイドル、グラドル、実業家、女優と各ジャンルで人気だ。セルフプロデュースの達人である指原の影響を受け、自分の道をしっかり見つけたメンバーが多く、各OGの活躍につながったと言える。

自立を促す「48グループの4番目」独自性が育てた実力派メンバー

「え!?あの人も!」“福岡発アイドル”卒業生が芸能界を席巻!ブレイクの裏にあった“スキャンダル”とは?
宮脇咲良さん画像:デジタルハリウッド株式会社 プレスリリースより
また、「48グループ」で4番目のグループとして誕生したことも、各メンバーの自立を促したと考えられる。HKT48が発足した頃は、女性アイドルグループといえば「48グループ」という時代だった。その中で、絶対的存在のAKB48、勢いのあるSKE48、お笑いもできるNMB48が存在し、HKT48は先輩グループにない独自性を出す必要があった。

そのため、各メンバーは自分のセールスポイントを早めに確立し、ファンやメディアにアピールしなければならなかった。そういったプレッシャーを感じていたからこそ、村重のように在籍時からバラエティに熱心なメンバーも誕生した。4番目にできたグループという背景も実力のあるOGたちを生み出すきっかけになったと考えられる。

さて、そんなHKT48だが、かつての勢いに比べると現在は少し落ち着いている。とはいえ、在籍時には目立たなかった月足や村川が新たな場所で活躍を見せたように、現役メンバーにも今後大きな成長を遂げる可能性を秘めたメンバーがいるかもしれない。

そういった意味で、今のHKT48を応援してみるのも新たな発見があり、面白いかもしれない。

<文/ゆるま小林>

【ゆるま 小林】
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。
退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆
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