こんにちは。これまで3000人以上の男女の相談に乗ってきた、恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。
髪もボサボサで化粧もしない“完全なる非モテ”から脱出した経験を活かし、多くの方々の「もったいない」をご指摘してきました。誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。

高望みなし、40代の大学准教授が、結婚できない理由は?

2021年、新型コロナウイルス感染症拡大の最中に婚活を開始し、2025年の今も婚活中という男性・隆さん(仮名・45歳)が相談にやってきました。

大学で教鞭をとっている隆さんは、結婚相談所を利用していて、婚活歴は4年目。ところが、会った人数は10人前後だというのです。この人数の少なさが不思議でした。

40代の大学准教授。「スペック十分」「高望みゼロ」なのに…全...の画像はこちら >>
隆さんは、年収や学歴といったスペックに問題はないし、若い女性と結婚したいなどの無謀な高望みをしているわけでもありません。ご本人は東京在住ではないのですが、出張が多く東京に来ることも多いため、首都圏の女性も対象にしていました。

70代女性と50代スタッフが運営する、老舗結婚相談所

隆さんの婚活スタートは41歳です。若いとは言えない年齢ですが、結婚相談所の女性会員は30代後半が多いので、活動に支障はまだないはず。受験シーズンなど多忙で婚活に時間を割けない時期はあったそうですが、それにしても会えた人数がやたら少ない。

「やっぱり少ないですか。仲人にも相談しているのですが、仲人の対応にも疑問を感じることが出てきてしまって

40代の大学准教授。「スペック十分」「高望みゼロ」なのに…全然結婚できないワケ。女性をドン引きさせた“結婚相談所の痛恨のミス”とは
電話する男性の後ろ姿
隆さんが登録しているのは30年ぐらいの歴史がある老舗結婚相談所です。ホームページを見ると、60代ぐらいの化粧が濃い女性の写真が掲載されていました。
隆さんが言うには、その写真はかなり前のものらしく、代表は70代以上の女性で、50代ぐらいのスタッフと2人で運営しているそうです。「老舗だから間違いないと思って、よく検討しないで登録してしまった」とのことでした。

その相談所ではZoomが使えず、連絡は電話がメイン。メールで問い合わせをしても返信が遅いのだそうです。この相談所に限った話ではないですが、仕事というより趣味感覚で運営している中高年の仲人は多いです。

婚活が進んでいなかった“もったいない原因”

中高年が運営している結婚相談所で活動する人にありがちなのは、写真がダサかったり、プロフィールに時代遅れなことを書いたりしているケースです。今の時代でも、女性に花柄ワンピースやアンサンブルニットを推奨する仲人は多いのです。

そこで隆さんに、プロフィールを見せてほしいと伝えました。

「プロフィールはないんです。僕は大学で働いていますから、名前を検索するとすぐに職場はバレますし、教え子に見つかるのも困るので、写真は非公開で婚活していました
「え? これまでどうやって相手探ししていたの?」

隆さんは結婚相談所の会員用システムを使うことができました。自分のスマホなどで女性を検索して、申し込み(会いたいという意思表示)したいと思った女性がいたら、仲人に連絡を入れます。

40代の大学准教授。「スペック十分」「高望みゼロ」なのに…全然結婚できないワケ。女性をドン引きさせた“結婚相談所の痛恨のミス”とは
スマホを見る男性
次に仲人が相手女性の結婚相談所に「うちに、大学で働いているから写真非公開にしている男性会員がいる。そちらの女性会員とのお見合いを希望しているんだけど、女性会員に申し込みしたら受けてくれるか確認してもらえないか」のような連絡をします。
そして、相手女性の了承を得られたら申し込みしていたそうです。

会ってみた女性とは、会話が成立せず

これまで2人ほどですが、仲人から「この女性に会ってみない?」と提案されて会った女性もいたそうです。

ですがどちらの女性も大人しく、こちらが質問したことに答えるだけでした。おそらくは相談所で、なんらかの理由でお見合いが成立しづらい女性なのでしょう。

ずいぶん面倒くさいやり方です。隆さんが申し込みしたいと思った女性はいたけれど、女性側から良い返事がもらえないことが多かったそう。40代男性なら、申し込みをして受けてもらえる確率は20件中1件程度です。しかし彼の場合は申し込み手順がややこしいため、一気に20件も申し込みしたことはないそうです。

珍しい婚活方法というだけで相手女性は引く

身バレしたくないという気持ちは分かりますし、お仕事の立場上、写真を出すことをためらう方は多いです。

とはいえ、結婚相談所では登録時に会員に「相手のプロフィールのスクショをSNS等に上げてはダメ」といった、個人情報保護の基本ルールを伝えています。私はそんな現状を隆さんへ伝えました。

40代の大学准教授。「スペック十分」「高望みゼロ」なのに…全然結婚できないワケ。女性をドン引きさせた“結婚相談所の痛恨のミス”とは
拒否する女性
「若い方はマッチングアプリなどを使うことに慣れていますので、もし仮に登録していることを学生さんに知られても『あ、そうなんだ』程度ですよ。

身バレしたくないお気持ちは分かるのですが、教職に就いている方や、政治家、医師、弁護士などでも基本は写真公開しています。そんな中で、写真がなく、しかも結婚相談所経由で申し込みが来ると、『変わっている人、癖が強そうな人』って印象を真っ先に先に持たれちゃうんですよ


『よく分からないけど試しに会ってみよう』というフットワークが軽い女性もいますが、基本的にそんな好奇心旺盛な女性は人気だから、ライバルに負けます。かといって慎重な女性は警戒して会うのをためらいます。とにかくその婚活方法だと、申し込みで印象を下げてます

他人の人生を預かっているというのに

「そうですか。仲人からは、ネットに個人情報を出したくない人は多いし、こういうやり方もあるって説明されたんですよね」

「昔はそうだったし、地方の結婚相談所だから東京に比べて、個人情報がネットに出ることに敏感な人は多かったかも。でも新型コロナ感染症拡大の影響もあって、出会いのスタンダードがマッチングアプリになっちゃったので、今はそんなこと言ってる場合じゃないんですよ

隆さんは今の結婚相談所を退会し、Zoomで面談もできる結婚相談所に乗り換えることにしました。

他人の人生を預かっているというのに、婚活方法がアップデートされない結婚相談所には、強い問題意識を抱かざるを得ません。隆さんの4年間は帰ってこないのです。

隆さんは結婚相談所を選ぶときに「大手より個人経営の方が手厚いサポートがあるかも」と思ったそうです。たしかに大手より手厚いサポートがある中小結婚相談所はあるけれど、それはごく一部。9割以上の中小規模の結婚相談所のサービスは、じつは大手以下なのです。

※相談者のプライバシー保護のため、一部情報を変更しています。

<文/菊乃>

【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。
29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt
編集部おすすめ