お笑い芸人のやす子が、KEY TO LITの猪狩蒼弥に言い放った「ヤジ」で大炎上している。

「デビューいじり」でファン激怒。
やす子発言が大炎上に

やす子、好感度芸人から炎上芸人に?「キャラ変」が招いたアイド...の画像はこちら >>
2人は、12月8日に放送された『呼び出し先生タナカ』(フジテレビ系)のSP番組へ出演。番組で出題された「東京ディズニーランド開園当時からあるアトラクションは?」という問題がトラブルの発端となった。

この問題に、ディズニー好きを公言する猪狩が自信満々に「ビッグサンダーマウンテン」と回答して不正解に。その後、MCの田中卓志と猪狩のやり取りがあったが、そこにやす子が割り込む形で「だからデビューできないんだよ~」とツッコミ的なヤジを放ち、この発言が炎上を招いた。

バラエティ番組で活躍する猪狩だが、グループとしてはメジャーデビューができていない状況だ。猪狩は、デビュー間近と言われたグループに在籍した過去を持ち、さらにジュニアの大規模な解体・再編成などもあり「デビュー」はデリケートな問題とファンが考え、今回の炎上に繋がった。

この発言で、やす子は猪狩ファンだけでなく、他のアイドルファンからも批判を受け、思わぬ炎上に巻き込まれている。放送から2日経過した12月10日にも多くの批判コメントがXに書き込まれ、大炎上と言っていい状況となっている。

笑いの裏で視聴者はドン引き。温度差が生んだ火種

まず問題の場面を見ると、やす子の発言でスタジオに笑いが起き、猪狩もリアクションし「イジり」の範疇に演出上は収まっている。では、なぜファンを怒らせたのか?

前述したように猪狩ファンは“デビュー”に関してデリケートな問題として捉えている。やす子や番組スタッフがその事情を理解していたかどうかは不明だが、視聴者(ファン)が不快に思う言葉のチョイスを完全に間違えたことが炎上の原因だといえる。
迂闊な発言だったことは否めない。

そもそも、やす子といえば今年8月2日放送の『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ系)で言動が物議を醸したばかり。同番組で坂上忍の愛犬を逃がすドッキリの餌食になったが、撮影中のやす子が見せた言動が視聴者から批判を受けた。ドッキリとはいえ、「良い人キャラ」で売っていたやす子が荒々しい言動を見せたことで視聴者の不快感を招いてしまったのだ。

今年だけで複数炎上。やす子に何が起きているのか

やす子、好感度芸人から炎上芸人に?「キャラ変」が招いたアイドルへの“不適切発言と度重なる物議”
画像:株式会社 中国放送 プレスリリースより
他にも、今年5月放送の『上田と女が吠える夜』(日本テレビ系)に出演した際、朝型の女性を全面否定するような毒舌を披露し物議を醸した。今年に入って、何かとやす子の言動が問題視される場面が多くなり、その延長線上に猪狩への不適切な発言もあったと考えられる。

なぜ好感度の高かったやす子が、急に批判を受ける芸人になったのか?

その理由として、急激な「キャラ変」を行ったことにより歪みが生じているのではないかと推測される。

やす子は、今年に入って「キャラ変宣言」とも捉えられる発言を幾度か行っている。2月に出演した『あちこちオードリー』(テレビ東京系)で「好感度が上がりすぎて怖い」と告白し、「高級外車を買いたい」「シーシャを吸いたい」といったキャラとは異なる側面を披露。

また、8月の映画イベントでは、迷彩服を着ない機会が増えたことを話し、「事務所の意向です。キャラ変してま~す!マネージャーさん、ありがとう~」と明かした。
これらの発言から、やす子が「良い人キャラ」を脱し、芸人として幅を広げようとする意図が見えてくる。

キャラ変で自滅の危機? 芸人としての正念場に

その過程で、突如毒舌や荒々しい言動を披露して番組で大失敗している様子がうかがえる。やす子は、「自衛隊あるある」を武器に、2021年放送の『ぐるナイおもしろ荘』(日本テレビ系)で大ブレイクしたネタに強い芸人だった。

しかし、テレビ出演が増えるにつれロケが中心となり、いつしか純朴で無害な芸人としての人気を獲得。その状況に本人が悩み、「キャラ変」を決断した可能性が考えられる。

やす子、好感度芸人から炎上芸人に?「キャラ変」が招いたアイドルへの“不適切発言と度重なる物議”
画像:ニベア花王株式会社 プレスリリースより
ただ、芸人がキャラ変をするには多大なスキルと時間が必要だ。特にやす子のようにすでに成功している芸人ならなおさらだ。試行錯誤を重ねながら毒舌を披露しているが、成功しているとは言いがたい。毒舌や共演者のイジりやガヤは、相手だけでなく世間の反応まで考慮した高等なテクニックが必要とされる。

結果として、トークがお世辞にもうまいとは言えないやす子が、キャラ変を理由にたわいもないイジりや毒舌を披露することで、今回のような深刻なトラブルが発生しているのだ。

キャラ変も重要だろうが、いくつかの問題が起きている以上、本人の素質に合っていない可能性もある。安易に「良い人キャラ」の真逆である毒舌やイジりに方針転換する行動は、芸人としての寿命を短くしていると言わざるを得ない。


やす子といえば、かつてXで共演者から心ない発言を受けた騒動の被害者として知られ、本人も当時「とっても悲しい」と呟いていた。その彼女が急激に「ヒール役」にキャラ変することは本人の自由だが、ファンを悲しませるような言動だけは避けるべきだろう。

<文/ゆるま小林>

【ゆるま 小林】
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆
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