続々と最終回を迎えている2025年秋ドラマ。毎期ドラマをくまなくチェックしている筆者が、特に演技やキャラが輝いていたと感じる今期の俳優ベスト5を、独断で挙げさせていただきます。


化石男・竹内涼真vs“泣かせのプロ”妻夫木聡が激突!「秋ドラ...の画像はこちら >>

第1位『じゃあ、あんたが作ってみろよ』竹内涼真

 第1位は『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)主演の竹内涼真さん。時代錯誤の化石男・海老原勝男が大反響を呼び、最終回後には「勝男ロス」になる視聴者も続出しました。

 周りの空気が読めておらず痛々しい発言をしているのに、それに気づかずキラキラと自信満々な勝男の可愛げは、竹内さんでなければ醸し出せないものでした。

 自分を変えようと自宅のキッチンで肌着、それもシャツインのまま夢中で料理する姿も、絶妙にダサいと話題に。竹内さんはこうした勝男の細かなキャラ設定を主導して作り込み、社会現象となった今作を牽引しました。

第2位『ザ・ロイヤルファミリー』妻夫木聡

 第2位は『ザ・ロイヤルファミリー』(TBS系)主演の妻夫木聡さん。競馬が題材であるため敬遠する層も一定数いる中で、抑え気味の重厚な演技で観る者をドラマの世界観にどんどん引き込んでいきました。

 人と馬を巡る20年におよぶ壮大なストーリーの中、妻夫木さんのちょっとした仕草や佇まいの違いで、主人公・栗栖栄治が年齢を重ねていると分かるのは、さすがとしか言いようがありません。

 栗栖はちょっと涙もろすぎる気もしますが、妻夫木さんが毎回違う表情で自然と涙する姿は、多くの人をもらい泣きに誘いました。もはや“泣かせのプロ”と言っても過言ではありません。

第3位『ESCAPE それは誘拐のはずだった』佐野勇斗

 第3位は『ESCAPE それは誘拐のはずだった』(日本テレビ系)主演の佐野勇斗さん。これまでは朝ドラ『おむすび』(NHK)を筆頭に、どちらかというと温厚で真面目な役どころが多かった佐野さんですが、間抜けで人情味あるイマドキヤンキー誘拐犯・リンダとして新たな魅力を放ちました。

 佐野さんは所属するM!LKが、今年に入ってから『イイじゃん』、『好きすぎて滅!』と大ヒットを連発し、活動10周年で悲願の紅白出場を決めました。そんな中での民放キー局GP帯ドラマ初主演となった今作。

 W主演の桜田ひよりさん演じるハチとの逃亡劇は、息つく間もなくドキドキハラハラな展開で、放送前の下馬評を覆しました。
また2人の相性の良さもあり、“ハチリン”は今期最も推したいバディとなりました。

第4位『良いこと悪いこと』間宮祥太朗

 第4位は『良いこと悪いこと』(日テレ系)主演の間宮祥太朗さん。「ノンストップ考察ミステリー」と銘打たれている通り、次々と起こる同級生の連続不審死の謎を、多くの視聴者があれこれ推理しながら固唾を飲んで見守りました。

 元いじめっ子集団リーダーながら、大人になり仲間想いで良き父となった高木将として、間宮さんは渋く熱い演技を見せてくれています。

 もとよりイケメン俳優であった間宮さんですが、32歳となった今作では無造作に伸びた髪にメッシュが入り、髭をたくわえた姿で大人の色気が凄いと、新たにファンになった視聴者も多いようです。

第5位『ちょっとだけエスパー』大泉洋

 第5位は『ちょっとだけエスパー』(テレビ朝日系)主演の大泉洋さん。主人公・文太が、謎に包まれた「Eカプセル」を飲むことで、ちょっとだけエスパーになるという可笑しみや、世界を救っているはずが真逆のことをしていると知った悲しみを繊細に表していました。

 大泉さん特有のコメディアンぶりも、今作ではいい塩梅でちょっとだけに抑えられています。

 岡田将生さん演じる文人の代わりに、ミッションとして彼の妻と偽りの夫婦として過ごすことになった大泉さん演じる文太。

 彼がその任務に選ばれた理由の一つが、文人と背格好が似ているからだと分かった時、あらためて大泉さんのスタイルの良さを痛感し直した方も多いのではないでしょうか。

名優5名に心からの敬意を!

 上記5名の出演作は、いずれもTVerのお気に入り登録数や再生数が絶好調なものばかり。そんな豊作な秋ドラマを引っ張ってくれた名優5名に、心から敬意を表したいと思います。

<文/こじらぶ>

【こじらぶ】
フリーライター・コラムニスト。言語学修士。
男性&女性アイドル、地下、ローカルなど様々な現場を経験。ドラマ、スポーツ、エンタメ全般から時事ネタまで。俳優、アイドルなどのインタビューも。X: @kojirabu0419
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