“日本一おもろい女”を決める『女芸人No.1決定戦 THE W 2025』が、12月13日に決勝を日本テレビ系で放送する。

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「THE W」に漂う低調ムードと視聴者の関心離れ

今年は、過去最多の1044組がエントリーし、8組がファイナリストとして決勝の舞台に進出。ファイナリストは昨年の12組から8組へと減り、紺野ぶるま、もめんと、電気ジュース、エルフ、ニッチェ、とんでもあや、ヤメピ、パンツ万博が選ばれ、5組が決勝初進出となった。


そんな『THE W 2025』だが、決勝が目前に控えながら盛り上がっている気配があまり無い。お笑いファンは、「M-1グランプリ2025」のファイナリストに注目し、どのコンビが最後の1枠となる「敗者復活戦」で勝つのかを予想することに忙しい。

そもそも「THE W」だが、乱立している賞レースの中でも注目度が低い大会のひとつになっている。2024年の放送は平均世帯視聴率で6.6%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)という番組史上最低を記録。優勝したお笑いコンビ・にぼしいわしも活躍しているとは言えず、SNSでは大会に批判的なコメントが多く投稿された。

数字でも人気でも低迷している賞レースで、今回の優勝者より「M-1グランプリ2025」で決勝に残った女性お笑いコンビ・ヨネダ2000のほうがブレイクする可能性を秘めているだろう。

粗品投入はテコ入れ策?制作サイドの本気度

厳しい現状の「THE W」だが、今年の大会ではこれまでになく大きな変革を行った。それが、お笑いコンビ・霜降り明星の粗品が、初めて同大会の審査員を務めるサプライズを打ち出したことだ。

「日テレが血の海に」視聴率6.6%で“史上最低”記録の『THE W』に今年は注目できる理由。当たり障りない審査に変化か?
画像:株式会社パルコ プレスリリースより
粗品といえば、今年3月に行われた『第14回ytv漫才新人賞決定戦』(読売テレビ)で賞レースの審査員を初めて担当した。粗品は審査員を務める際に「面白くない人が優勝しないようにしっかり審査します」とコメント。

その言葉通りに、近年の賞レースでは珍しい「低得点」を多く出しつつ的確で厳しい寸評を連発し、お笑いファンから高評価を得て『ytv漫才新人賞』は大きな注目を集めることに成功した。

「俺がTHE Wを救う」宣言の真意と期待感

「日テレが血の海に」視聴率6.6%で“史上最低”記録の『THE W』に今年は注目できる理由。当たり障りない審査に変化か?
画像:株式会社バンタン プレスリリースより
その実力を買われて『THE W 2025』の審査員に就任したと考えられるが、粗品が低迷する賞レースの救世主になるのだろうか?ちなみに粗品は、自身のXで11月29日に「俺がTHE Wを救う」とコメント。やる気は十分で、大会を盛り上げようとしている姿勢が見受けられる。

まず、粗品が審査員を務めることで、お笑いファンの視聴者が大幅に増えるだろう。
『ytv漫才新人賞』で切れ味鋭い審査を行った粗品が、女性芸人を相手にどんな講評をするのか視聴者が注目している。単純に視聴率や見逃し配信が伸びそうで、粗品によって数字を獲得できそうだ。

審査基準の曖昧さにメス?THE W改革の可能性

粗品が「THE W」の審査員として登場することが、大会にこれまでにない注目を集めている。というのも「THE W」はこれまで、審査員の“当たり障りのないコメント”や、視聴者投票とかけ離れた結果が批判を浴び、たびたび炎上してきた。投票制度が複雑なこともあり、審査基準が見えにくいとの指摘も多く、審査員がSNSで批判され続ける状況が続いていた。

そんな中で期待されているのが、粗品の“核心を突く審査”。11日に公式Xが公開した審査員コメントでは、粗品が「(「THE W」)レベルが低すぎる」「面白くないものには面白くないと言わせてもらいます」「日テレが血の海になったらすみません」と発言。遠慮のない辛口評価を示唆し、ファンの間でも注目が高まっている。

男女問わず面白くない芸には容赦なくツッコむ粗品だけに、これまでにない緊張感が大会に生まれる可能性は高い。“中途半端”と評されがちだった「THE W」が、一気に引き締まった大会へと変わるかもしれない。

果たして粗品は宣言通り、「THE W」を立て直し未来につなげることができるのか。今年の放送は、例年以上に見逃せないものとなりそうだ。


<文/ゆるま小林>

【ゆるま 小林】
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆
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