どうしても“親の十四光り”と揶揄されてしまう日本国内よりも、もう“親離れ”をして海外での仕事だけに専念したほうがいいのかもしれません。

 木村拓哉さんと工藤静香さんの次女で、モデル・俳優のKōki,さん(22歳)のことです。


わずか15歳で『ELLE japon』表紙デビュー

「親&日本離れした方が…」主演映画が大惨敗のKōki,。露呈...の画像はこちら >>
 2018年に15歳で鮮烈デビューしてから早7年。いきなり世界的ファッション誌の日本版『ELLE japon』の表紙を飾り、その後、シャネルやブルガリなど超有名ハイブランドのアンバサダーを務めるなど、彗星のごとく芸能界に現れました。そして今年11月には「第42回ベストジーニスト2025」の協議会選出部門で表彰されています。けれどベストジーニスト賞というと、どうしても「父・木村拓哉」の名前がちらつくもの。

 Kōki,さん自身も登壇した際、その日の衣装は父が着ていたデニムのセットアップを参考に選んだことなど、父娘のエピソードを披露していました。木村さんはかつて5年連続でベストジーニスト賞を受賞して殿堂入りしていたため、キムタクの娘だから選ばれたといった穿った見方もされてしまうでしょう。

 そんな彼女ですが、国内での俳優業がなかなか厳しい状況にあるのです。

『牛首村』は不発、『女神降臨』は大コケ

 当初はモデル業を主軸にしていたKōki,さんが俳優デビューを飾ったのが2022年。『呪怨』などで有名な清水崇監督の『牛首村』で、映画初出演にして映画初主演を果たします。

『牛首村』の興行収入は5億円台で、大コケしたというほどではないものの、清水監督の2020年の映画『犬鳴村』は興収14億円ほど、2021年の映画『樹海村』が7億円ほどだったのです。『犬鳴村』の半減以下では、ヒットしたとは言い難いでしょう。

「親&日本離れした方が…」主演映画が大惨敗のKōki,。露呈した十四光りの“限界”と、木村拓哉との決定的な“違い”
画像:株式会社 U-NEXT プレスリリースより
 とは言え『牛首村』はまだいいほう。今年3月に前編、5月に後編が公開されたラブコメ映画『女神降臨』にKōki,さんは主演したのですが、残念ながらこちらは大惨敗。前編は公開初週に初登場9位となるも翌週はベスト10圏外、後編は初週からベスト10圏外となりました。
前後編合計で数十億円の興収を見込まれていたものの、結果は計5億円程度だったと言われています。

 『女神降臨』は日本テレビが製作幹事の大作で、Kōki,さんは日テレの『しゃべくり007』や『世界の果てまでイッテQ!』といった人気バラエティ番組に出演するなど、宣伝に積極的だったこともあり、大コケ感がより際立ってしまったというわけです。

約30年間主演し続ける父・木村拓哉でさえ……

 デビューからこれまでのKōki,さんの目立った仕事は、“親の十四光り”と見られてしまっても仕方がない気がします。

 デビューしたばかりのモデルが、いきなり『ELLE japon』の表紙やハイブランドのアンバサダーに抜擢されたと考えると超異例でしょう。俳優としても実績がないのに世界的に有名な清水監督の映画にいきなり主演したり、目立ったヒット作もない段階で日テレが注力する大作映画に主演したりと、Kōki,さん本人だけの実力で選ばれたかと言うと、相当な疑問符が残るからです。

「親&日本離れした方が…」主演映画が大惨敗のKōki,。露呈した十四光りの“限界”と、木村拓哉との決定的な“違い”
画像:株式会社エフエム東京 プレスリリースより
 約30年前からドラマ主演し続けている父・木村拓哉さんでさえ、1996年に『ロングバケーション』(フジテレビ系)で連続ドラマ初主演(山口智子さんとダブル主演)するまで、何年も主演以外でキャリアを積んでいました。

 1992年の『その時、ハートは盗まれた』(フジテレビ系)、1993年の『あすなろ白書』(フジテレビ系)は3番手キャスト、1994年の『若者のすべて』(フジテレビ系)、1995年の『人生は上々だ』(TBS系)は2番手キャストで出演していたのです。

この際、海外仕事に専念したほうがいい?

 日本国内の作品にいきなり主演すると、両親のネームバリューのおかげだという見られ方をしてしまうので、来年からでもKōki,さんはまず映画やドラマに主演以外で出演し、人気と実力を積み上げていったほうがよかったのではないでしょうか。

「親&日本離れした方が…」主演映画が大惨敗のKōki,。露呈した十四光りの“限界”と、木村拓哉との決定的な“違い”
画像:タペストリー・ジャパン合同会社 プレスリリースより
 ただ、例え2番手、3番手のキャスティングで出演しても、やはり“親の十四光り”でいただけたお仕事という見方をする人は出てきてしまうでしょう。それほど日本国内での活動は「木村拓哉と工藤静香の娘」という事実が、彼女にとって“呪縛”になってしまっているように感じます。

 ですからもうこの際、国内の仕事は一旦封印して、海外での仕事に専念するのがいいのかもしれません。インターナショナルスクール出身で英語が堪能なKōki,さんは、すでに2024年にアイスランド映画『TOUCH』(日本公開は2025年)に出演、2025年公開のイギリス映画『TORNADO』(日本公開は未定)に主演しています。

 このように日本国内を興行収入のターゲットにしている映画ではなく、海外制作で現地に向けて作られた作品に出演していけば、“親の十四光り”なんて揶揄されることもないわけです。

甘やかしのないストイックな環境がベスト?

 国内でのモデル業・俳優業は無期限活動休止にして、海外に単身移住して現地の映画オーディションなどを受けまくるという、甘やかしのないストイックな環境に身をおくことが、長い目で見るとKōki,さん自身のためになるのではないでしょうか。


 “親離れ”、ひいては“日本離れ”を決断するときなのかもしれません。

<文/堺屋大地>

【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『日刊SPA!』(扶桑社)で恋愛コラム連載、『SmartFLASH』(光文社)でドラマコラム連載、『コクハク』(日刊現代)で芸能コラム連載。そのほか『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)などにコラム寄稿。LINE公式のチャット相談サービスにて、計1万件以上の恋愛相談を受けている。公式SNS(X)は @SakaiyaDaichi
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