皇室のペットというと、おそらく一般庶民よりも格段に良い暮らしをしていると思われます。先日、宮内庁が、愛子様のお誕生日に合わせて、天皇ご一家が飼われている猫の写真を公開しました。


 2016年から飼われているキジシロのオスのセブンと、2025年8月に新たに迎えられたメスの三毛猫、美海(みみ)で、2匹とも保護猫です。

動物たちとの触れ合いの時間は、心安らぐひととき

「生まれ変わったら皇室で飼われたい」愛子様の猫、秋篠宮家の“...の画像はこちら >>
 先輩猫のセブンは、千代田区にあるビルの非常階段を7階まで登り、空中庭園でランチしている人のところに食べ物をねだりにいっていたのを保護され、動物病院に引き取られたそうです。

 その賢さと生存本能に驚かされますが、それほどの処世術を持った猫が天皇家に見い出され、大出世するというのにも運命的なドラマを感じます。セブンという名前は、子猫が訪れていた7階にちなんでいるそうです。毛足の長いじゅうたんに座り、爪とぎの道具に手をかけているセブンの写真は、ここは僕の縄張り、と言っているようです。

 そして新しい猫、美海も都内で保護され、動物病院を経て皇室猫になりました。美しい海を願い、この名前が付けられました。窓枠から黒目がちの大きな瞳で見つめる写真がかわいいです。

 宮内庁によると、愛子様にとって動物たちとの触れ合いの時間は、心安らぐひとときとなっているそうです。ラオスご訪問などで忙しい日々も、猫が癒してくれたのでしょう。

鴨場での「鴨の脱力」は愛子様の癒しのパワー?

 逆に、動物たちにとっては、愛子様のほうが癒してくれる存在でもあります。それを実感したのは、先日の鴨場でのハプニング。愛子様はお一人で「鴨場接待」に参加され、各国大使をもてなされました。

 鷹匠から鴨を受け取り、放鳥するという段取りで、愛子様が優しく手を離すと鴨は飛び立つ……はずだったのですが、その場から動かなくなってしまいました。
芝生の上でぐったりしている鴨を、愛子様はなんとか飛び立たせようと優しく撫でていましたが微動だにしません。一見、お亡くなりになったか、仮死状態かと思うくらい脱力しきっていました。

「愛子様が好きだからそばにいたいのです」と大使がフォロー。愛子様が鷹匠に「大丈夫ですか?」と問いかけると、鷹匠は鴨が怯えてしまった、というような説明でしたが、素人目には怯えてフリーズしたようには見えませんでした。

 ただただ、力を抜いて安らかに眠っているようです。愛子様の癒しのパワーがほとばしっていて、安心しきった鴨が警戒心がゼロになった状態なのでしょう。飛ぶという責務も忘れて、ただ、そこにいるという状態。鴨からは「全てを委ねます」という思いが伝わってきました。

 そのあと、鷹匠から「リベンジを……」と、別の鴨が手渡され、無事に放鳥は成功したとのこと。脱力した鴨も別のところで放鳥されたようです。愛子様は、まさに「看護婦の愛子」(中一の時の作文)で書かれたように、動物を癒すホスピタリティ溢れる存在でいらっしゃいます。迎えられた飼い猫たちも愛子様の前ではヘソ天でお腹を見せまくっていることでしょう。


秋篠宮家にはマニアックな動物「マーラ」が

「生まれ変わったら皇室で飼われたい」愛子様の猫、秋篠宮家の“珍動物”…皇室ペットニュースに思う/辛酸なめ子
マーラ ※イメージです
 愛子様のお誕生日の猫写真公開とちょうど同じ時期に、秋篠宮様のお誕生日の近影映像も公開されました。秋篠宮ご夫妻が宮邸の庭でほほえんで見つめるその先には……見慣れない2匹の動物が。それは犬でも猫でもない、マーラでした。

 齧歯目テンジクネズミ科マーラ属に分類される動物で、動物園などではたまに見られますが、ペットとして飼育されるのは珍しいです。

 さすが家禽類の研究で博士号を取得されたほど、生き物に造詣が深い秋篠宮様です。庭で放し飼いにされていて、天皇家の猫様のように特に名前も公表されていません。時々さり気なく写真や映像に映り込んでいるのがシュールです。

 佳子様、眞子様、悠仁様の家族写真の後ろの茂みの奥に、ひっそりマーラが隠れていたこともありました。秋篠宮邸で飼われているマーラは広大な敷地を跳ね回っているからか筋肉質に見えます。

 秋篠宮様は、以前、宮邸を訪れた人に「庭には、マーラがスタスタと歩いているんです」「芝刈りもやってくれるのですよ」と冗談混じりにおっしゃったそうです。犬や猫のようにかわいがるのではなく、役割を持たせ、家畜として一線を引いた関係を保っているのかもしれません。

 今回の映像でも、少し離れたところからご覧になっていて、皇室入りしたマーラのことはそこまで甘やかしていないようでした。

かつて死なせてしまったモルモットの慰霊の意味も?

 マーラはテンジクネズミ科ですが、同じ科のモルモットについては、秋篠宮様の黒歴史も言い伝えられています。
小学校低学年だった秋篠宮様が、冬の日にテンジクネズミを池で泳がせ、心臓マヒで死なせてしまいました。

 そのことをお父様に伝えると、激怒されて、お仕置きで冷たい池の中に入れられたそうです。生き物の命の大切さを体で学んだ秋篠宮様。同じテンジクネズミ科のマーラをかわいがるのは、かつて死なせてしまったモルモットの慰霊の意味もあるのでしょうか。

 10年ほど前、宮邸を訪れた人のブログによると、当時はマーラに加え、同じくテンジクネズミ科のカピバラやワラビーまで放し飼いにされていたとか。今のマーラが何代目かわかりませんが、これからもマニアックな動物飼育に挑戦されそうです。可能ならば皇室の特別なルートでパンダを輸入して、いつか庭にパンダが映り込んで国民を驚かせてほしいです。

 縁あって皇室に引き取られたら動物たちの姿を、こうして時々ニュース映像などで拝見すると心が和みます。生物界の中で最も快適な環境を手に入れた幸運な動物たちに、幸せをわけてもらえそうです。

 生まれ変わったらぜひ皇室で飼われたい……世知辛い世の中で羨望の念が募ります。

<文・イラスト/辛酸なめ子>

【辛酸なめ子】
東京都生まれ、埼玉育ち。漫画家、コラムニスト。
著書は『辛酸なめ子と寺井広樹の「あの世の歩き方」』(マキノ出版)、『辛酸なめ子の現代社会学』(幻冬舎)、『女子校育ち』(筑摩書房)など多数。
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