まだ着られそうな洋服を身内や友人にあげることはよくあることですが、その善意は思わぬトラブルにつながることも……。

 佐藤ゆきさん(仮名・38歳)は着なくなった洋服を義母によく譲っていました。
しかし、その善意が結果的に、義父母宅を崩壊させることにつながってしまいました。

おしゃれ好きな、年金暮らしの義母

義母から「下着を譲ってほしい」とLINEが…→数時間後、“ま...の画像はこちら >>
 ゆきさんは結婚相談所で出会った男性と、3年前に結婚しました。夫は、「義父母と同居するのは嫌」という意思を尊重してくれたそう。ふたりは賃貸アパートで新生活をスタートさせました。

「ただ、結婚前に夫から、『やっぱり自分の親のことは心配だから、半年に1回くらいは家族みんなで食事に行きたい』と言われていたので、それくらいなら……と承諾しました」

 こうして、ゆきさんは半年に1度、義父母と顔を合わせて食事をするようになりました。その中で知ったのは、義母と自分には「おしゃれが好き」という共通点があること。

 自身がおしゃれ好きであるからこそ、ゆきさんは義母がポロっと口にした「こんなおばあさんが何言ってるんだと思うかもしれないけど、年金暮らしだと、なかなか服にお金が回せなくて、おしゃれが楽しめないから悲しいのよ~」という言葉が心に刺さりました。

「おしゃれを楽しみたいっていう気持ちに年齢は関係ないと私は思っているから、義母の悲しみに感情移入してしまって……」

 ゆきさんは洋服を着尽くさず、ワンシーズンで買い替えるタイプ。まだ着られる状態の服を処分することに心苦しさを感じることもあったため、着なくなった洋服を義母にあげればお互いに心が満たされるのでは……と思いました。

「だから、義母にそのことを伝えて、着なくなった洋服でもいいなら譲ろうかと提案したんです。そしたら、義母はすごく喜んでくれて私も嬉しくなりました」

義母から「下着も譲ってほしい」という衝撃的なお願いが届いて……

義母から「下着を譲ってほしい」とLINEが…→数時間後、“まさかの送り主”が判明!「気持ち悪い…」
スマホを見て衝撃を受ける女性
 ゆきさんと義母は、普段着ている服のサイズが同じで好きな系統も似ていました。そのため、ゆきさんが洋服を贈るたび、義母からはお礼の喜びLINEが。

「実際に着た写真を送ってもくれて、微笑ましかったです。それまでは、街の古着回収ボックスやリサイクルショップに着なくなった服を持って行っていましたが、こんなにも喜んでくれるなら、こういうリサイクル法もいいなと思えました」

 ところが、洋服を譲るようになって1年半ほど経った頃、義母から衝撃的なお願いをされました。
「今度から着なくなった下着も譲ってくれない? そうすれば、もっと服代が節約できて生活が楽になるのよね~」というLINEが届いたのです。

「気持ち悪くて、背筋がゾっとしました。身内ならまだしも、血のつながりがない人に下着は送りたくないし、もし送った下着を義父に見られても嫌だし……。生活費を切り詰めたい気持ちは分かるけど、下着まで欲しがるのは厚かましいなあとも思いました」

 そこで、ゆきさんは「下着は衛生的にやめたほうがいいですし、私自身も送りたくありません」と義母に返信。すると、意外な展開が……。数時間後、義母から突然、謝罪の電話があったのです。

「下着を譲ってほしい」とおねだりしたのは義父だった……!

義母から「下着を譲ってほしい」とLINEが…→数時間後、“まさかの送り主”が判明!「気持ち悪い…」
※AI生成画像を使用しています。
 実は「下着を送ってほしい」というトークは、義父が送ったものでした。

「義母が畑仕事をしている時に、義父が義母のスマホを勝手に使ってこっそり送ったようで……。気持ち悪い思いをさせて、本当に申し訳ないと何度も謝られました」

 ゆきさんは、義父がそんな目で自分のことを見ていたことを知り、絶句。気持ち悪い、会いたくないという気持ちが募りました。

「いままで贈った洋服も、義父はそういう目で見ていたんだろうか……とも思って。私の中で、義父は寡黙で真面目な人という印象だったので、本当に信じられなかったです」

 なお、義父は「下着も貰えたら、その分のお金を生活費に回せると思った」という苦しい言い訳をしたそうですが義母は納得できず、夫婦仲に亀裂が。
数か月後、義父母は熟年離婚してしまいました。

「義母からは『自分を責めなくていいからね。あの人が悪かっただけだから』と言われましたが、もし私が義母に服を譲っていなかったら、義母たちは離婚しなかったんだろうなと思うと胸が痛いんです」

 愛する夫の家族を崩壊させてしまった。その罪悪感から、ゆきさんは今も抜け出せていません。

 善意からの行為が、誰かの本性を明らかにすることは意外と起こりえるもの。ゆきさんの体験談を聞くと、身内との距離感の取り方を改めて考えさせられます。

<取材・文/古川諭香>

【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
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