家族や身内が、思いもよらない病気になった時は、「何かをしてあげたい」と思うことも多いものです。しかし、加藤りほさん(仮名・38歳)は、病気を盾にして要望を叶えてもらおうとする義父に態度にうんざりしています。


「もともと強引なところがある人でしたが、がんを告知されてからは、より頑固になりました。『俺は死ぬんだから……』と被害者モードで要求をされるのが辛いです」

結婚の挨拶をしに行った時、義父から言われた言葉が衝撃的だった…

“胃がんを患う義父”との絶縁を考えるワケ 「俺はもう死ぬんだ...の画像はこちら >>
りほさん4年前、4歳上の夫と結婚しました。結婚の挨拶に行った時から、りほさんは義父が苦手だったと言います。

「田舎だからか、義父は世間体をすごく気にする人でした。今どき、再婚なんて珍しくないのに、『りほさんが再婚だってことは身内や近所の人には言わないから、あんたも自分から言わないでね』と言われたんです」

ただ、りほさん夫妻は義父母と同居せず、アパートで新婚生活をスタートさせたため、穏やかな日々を過ごせていました。

しかし、数ヶ月前に義父の胃がんが発覚したことを機に、日常は一変。義父はなぜか、治療を受けることよりも、りほさんたちに自分の要望を叶えてもらうことにこだわり始めたのです。

挙式を強引に勧めてくる義父の圧がしんどかった

“胃がんを患う義父”との絶縁を考えるワケ 「俺はもう死ぬんだから…」としてくる“理不尽な要望”とは
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義父が最初に希望してきたのは、「結婚式を行うこと」でした。実はりほさん、1度目の結婚時に結婚式を挙げていたため、今回は結婚式を挙げていませんでした。

「一回ドレスを着たので、フォトウエディングにも興味がなくて。夫も結婚式を挙げることにこだわりがなかったので、私たちは結婚式を挙げていなかったのですが、義父の中ではそれが引っかかっていたみたいです」

義父は「俺が結婚式をプレゼントするから、式を挙げろ」と言ってきたそう。りほさんは身内からご祝儀をもう一度貰うのは申し訳ないと思い、義父の提案を断ろうとしましたが、病気を宣告された義父の気持ちを考えると、言い出せず……。

そこで、互いの両親だけを呼ぶ小規模なものであれば行ってもいいと伝えました。しかし、義父は納得せず、「立派になった息子の姿を親戚に見せてこそ、結婚式だろ!」と怒鳴られてしまいました。


「結局、結婚式は夫が『俺がやりたくない』と言ってくれたので強行されませんでしたが、全然折れてくれない義父の頑固さにうんざりしました」

不妊を伝えても「孫の顔を早く見せろ」と急かされる日々が地獄

“胃がんを患う義父”との絶縁を考えるワケ 「俺はもう死ぬんだから…」としてくる“理不尽な要望”とは
ため息 女性
義父の理不尽な要望は、今も続いています。りほさんが特に辛く感じるのは、「孫の顔を早く見せろ」と急かされること。

「私は不妊が原因で離婚したので、子どものことを言われると辛い記憶がフラッシュバックして苦しくなります」

りほさんが義父母と会うのは年末年始などの長期連休中だけですが、その時、義父は夫のいとこの子ども話などを持ち出してきて、「あんたらも子どもを持ってこそ、一人前の大人やぞ」と言ってくるそうです。

その話題があまりにも辛くて、りほさんは義父に「私は子どもができにくい体なので難しいかもしれません」と打ち明けたことがあります。しかし、義父は「体質なんて生活習慣や食事で変わるんだから、努力が足りん」と言い放ったそうです。

「だから、今年は何かと理由をつけて夫の実家へ行くのを避けていました。そしたら義父のほうからアパートに来るようになってしまって……。『俺の命はどうせ長くないから、生きているうちにできる限り親孝行をしてちょうだいよ』と遠回しに圧をかけてくるんです」

いま、どんな治療をしていて、体はどんな状態なのか。そう尋ねても、義父はなぜかいつもはぐらかすため、りほさんは病状を詳しく知れていません。

「がんは早期治療が大事だと聞きますが、義父は病気を治療する気などないように見えます。もしかしたら末期なのかもしれませんが、病気を盾にして、これまで言えなかった自分の要望を私たちに押し付けるのを楽しんでいるような感じもする。今みたいな状態が続くようなら、絶縁を検討します」

自分に深刻な病気が発覚すると、「やり残したこと」が頭に浮かぶことはあるものです。
しかし、病気は家族や身内に自分の要望を押し付ける免罪符にはなりません。

がんとの向き合い方を間違え、家族の溝を深めている義父……。彼が正しい闘病の仕方に気づく日は、やってくるのでしょうか。

<文/古川諭香>

【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
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