60代でバツなし、ひとり暮らし。さみしい? 不安?そんなことを微塵(みじん)も感じさせない笑顔の持ち主。
それが、漫画家・小説家の折原みとさんです。

『60代バツなし おひとりさま、毎日ごきげん暮らし』(KADOKAWA 2025年12月発売)は、人生は自分次第で100%幸福、という折原さんの生き方が詰まったエッセイです。

60代未婚、ひとり。夢のようなお部屋で犬と暮らす、人気漫画家...の画像はこちら >>

「人生は、いつでも今が最高」

 折原さんは21歳で漫画家デビュー、その2年後には小説家デビューも果たし、たちまち大人気に。超多忙の20代を経て、30代初めに湘南へ引っ越しました。夢だった海の近くの一軒家、愛犬との暮らし。羨ましいかぎりですが、幸福の扉をひらいてきたのは、いつだって折原さんのブレない思いと、言葉です。

<幸せの基準は、人それぞれ>
<どんな人生であれ、自分らしく、自分なりの幸せを見つけていけばいいのではないでしょうか>
と、折原さんが語るように、本書には世間体云々の視点はまったくナシ。

<本気で望めば、人生は変わる!>を体現してきた折原さん。そんな生き方の秘訣を教えてもらいましょう。

60代未婚、ひとり。夢のようなお部屋で犬と暮らす、人気漫画家の年の重ね方とは
漫画『るり色プリンセス』や小説『時の輝き』など、ヒット作は数知れず……

「やりたい!」と口に出してみる

 やりたい! と思ったら即座に実行。失敗しても、つまずいても、すべて自分の経験値だから無駄ではない。そして大事なのは<年を重ねていくことは、決してマイナスではありません>ということ。

 留学したい、転職したいetc……やりたいことが頭に浮かんだ時、条件反射のように「でも無理」という自己否定にかき消されませんか?折原さんはいつでも「やりたいです!」と、言葉に出していました。漫画家から小説家へ、扉を開いたのも、この言葉がきっかけです。


 言霊(ことだま)というように、口に出した途端、言葉は命を持って運命を動かしてくれるのかもしれません。さらにその言葉どおりに、自分も自然に動いてしまうのかも。

 人には生存本能が備わっていて、変化を恐れる脳が生存のために、条件反射でダメ出しをしてしまうのだとか。ちょっと臆病な脳をなだめつつ、少しの勇気を持って今日から「やりたい!」を口に出してみましょう。運とともに、あなた自身も動き始めるはずです。

部屋や暮らし方のテーマは「毎日がリゾート」

 折原さんが毎日ご機嫌なのは、すべて自分のアンテナで選び、行動してきたから。東京から湘南へ、マンションから一軒家へ、30代での引っ越しは、すべてが初めて尽くし。大変さや苦労もありつつ、大切にしたのは<毎日がリゾート>というテーマです。

60代未婚、ひとり。夢のようなお部屋で犬と暮らす、人気漫画家の年の重ね方とは
折原さんちのリビング(撮影/砂原文)
 私達も、仕事終わりに疲れた体を引きずって帰宅した時に、自分好みに整えられた部屋があればリセットできますよね。自宅で仕事をしている折原さんは、仕事部屋とリビングの雰囲気を切り離しました。

 リビングのイメージは、<ホテルのような「非日常空間」>。でも家が広くないから無理、なんてあきらめないで。少しのスペースでも、花を一輪飾る、お気に入りの食器を置く、というだけで、気分が晴れやかになるはず。


<特別な日じゃなくても、どこにも出かけなくても、日々の生活を、いつも目いっぱい楽しみたい>
この折原さんのモットーは、私達も工夫次第ですぐに真似できそうです。

60代未婚、ひとり。夢のようなお部屋で犬と暮らす、人気漫画家の年の重ね方とは
買ってきたお惣菜や余ったおかずも木箱に入れたら、おひとりさま用のおつまみセットに

年齢で制限をかけない生き方

 59歳で弓道を開始。60歳で防災士の資格取得。61歳間近で「Voicy」のパーソナリティを始め、61歳でInstagram「mito/60代バツなしおひとりさま」アカウント立ち上げ。これすべて、実際に折原さんがやってきたこと。もちろん、仕事の合間にこなしているのですから、かなりアクティブでパワフル!と驚きますよね。

 でも折原さんが弓道に憧れたのは、19歳の時。普通なら、記憶の片隅に埋もれている夢ですが、40年ぶりに訪れたきっかけを、折原さんはしっかりと生かしました。もう歳だから、なんていいわけも制限もまったくありません。

 めぐってきたかつての夢に、「やりたいです!」の熱意で即座にチャレンジ。結局、自分に制限をかけてしまっているのは、年齢に対する思い込みなのでしょう。

 とはいえ、<体力オバケ>と言われている折原さんも、スーパーウーマンではないのです。年を重ねてからの衰えや、女性特有の疾患もあったといいます。
でも、年齢を理由に線引きしてしまうのは、自分で限界を決めてしまうようなもの。

 体の変化を認めつつも、自分の好奇心に忠実に生きる。<変わっていくことを受け入れて、変わっていくことを恐れずに>やりたいことをあきらめても、あきらめなくても、人生は続きます。

 だったら、やっちゃえ! 折原さんを見ていると、こちらもやる気になってしまうから不思議です。

60代、これから叶えたい2つの夢

 インテリアコーディネーターの資格を取る。動物に関するコミュニティをつくる。このふたつが、これからの折原さんの夢であり、野望です。

 空き家問題が深刻になっている昨今、<家じまいなどで出た不用品を綺麗に再生して、インテリアとしてコーディネートしたらどうでしょう?>というのが、折原さんの目的です。ユニークかつ実用的ですよね。

60代未婚、ひとり。夢のようなお部屋で犬と暮らす、人気漫画家の年の重ね方とは
ソファにはワンちゃんが(撮影/砂原文)
 もうひとつは、愛犬家である折原さんらしいアイデア。飼い主がペットと暮らせなくなった時に、身近で信頼できる人に託せるような仕組みづくりです。普段から飼い主やペット同士で交流をはかり、<大切な家族>が負担なく過ごせるようなベースを構築する。
ペットにも飼い主にもやさしいコミュニティです。

<これからの人生をどう歩むかは、自分次第なのです>と折原さん。本書を読めば、あきらめかけていた夢がまだ芽吹き、開花するに違いありません。あなたの夢は何ですか?「やりたいです!」の一言で、夢が動き出すかもしれませんよ。

<文/森美樹>

【森美樹】
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。X:@morimikixxx
編集部おすすめ