ダイエット、仕事、自己啓発。「今度こそ!」と奮起したのに3日で挫折。
自らダメ人間のレッテルを貼ってしまう。それって全部、あなたのせいですか?

つい食べ過ぎる、集中力がない…を解決するラクな方法って?意外...の画像はこちら >>

「今年こそ〇〇をやる!」はなぜ続かないのか

 そうではない、と全力で証明してくれたのが、『科学的に証明された すごい習慣大百科』(SBクリエイティブ、堀田秀吾著、2025年)。目標を達成させるには小さな習慣があればOKだと、科学的根拠に基づき解説しています。

 著者は明治大学教授の言語学者で、ハーバード大、スタンフォード大、オックスフォード大などでの研究をもとにライフハックを集めた本書。発売5ケ月となる2025年12月時点で40万部を突破しているそうです。

 やるべき事柄の前後に組み込むだけで、脳が実現モードに早変わり。こんな小さなことでいいの?と目を見張るような習慣を、本書では112個も紹介しています。習慣として仕組み化してしまえば、体が勝手に動いてしまうというのです。

 制すべきは脳よりも体。生存本能が強い脳は、実は変化を嫌います。現状維持が安全だと刷り込まれているので、何かを変えようとする決意が持続しないのは当然のこと。
<習慣化に意志力はいらない>と本書が断言するように、まず動けば、脳が小さな一歩を踏み出すのです。

 いくつかの習慣をご紹介しましょう(以下、< >内は同書からの引用)。


集中力アップ、仕事効率を上げるには「かわいい写真を見る」

<人間の行動の45パーセントが習慣化されたもの>で、意識して行動しているのではなく、無意識下でルーティン化されているといいます。考えると怖くもありますが、そこを逆手に取って<習慣化=自動化させれば複雑な作業も成り立つ>わけです。

つい食べ過ぎる、集中力がない…を解決するラクな方法って?意外な「習慣」で自然にできちゃう
『科学的に証明された すごい習慣大百科』より
 仕事の効率化、集中力をアップさせる簡単な習慣が、<かわいい写真を見る>。広島大学の実験結果から、<かわいいという感情が生まれたとき、対象に接近して詳しく知ろうという機能が作動するため、より集中する効果が生まれた>という見解が示されています。

 職場のデスクに赤ちゃんの写真を飾る、ペットの写真を置く、というのは理にかなっているのです。ただし、ずっと見ているのは逆効果。1分~1分半がちょうどいいそうです。

ダイエットで食欲を抑えるには、“脳内食事”を

 ダイエットや健康法にも、習慣が功を奏します。一番難しいのが食欲の抑制ですが、これ、妄想が解決してくれるのです。

 梅干しやレモンを想像すると口の中が唾液でいっぱいになる、この条件反射は誰もが経験済みでしょう。カーネギーメロン大学の研究結果で、<想像するだけである程度食欲を抑えることができる>ということが示唆されています。

つい食べ過ぎる、集中力がない…を解決するラクな方法って?意外な「習慣」で自然にできちゃう
『科学的に証明された すごい習慣大百科』より
 この実験では、まず3つのグループ分けをしました。

<チョコレートを30個食べる想像をしたグループ>
<チョコレート3個食べる想像をしたグループ>
<チョコレートを食べる想像をしなかったグループ>

 このうち、その後、実際にチョコレートを食べた量が少なかったのは、30個食べる想像をしたグループでした。

 ダイエット中の人は、食べたい! と思ったら、脳内食事で乗り切りましょう。
脳に、美味しいものを十分食べた、という錯覚を起こさせれば、ダイエットの成功も間近です。

メンタルが暗くなったら、スキップをする

 本書いわく<人間は、体が先、メンタル(思考)が後>。憂鬱な出来事があったり、ネガティブになると、私達は引きこもりがちになります。すると、体の影響でメンタルがさらに落ち込み、悪循環になるわけです。

 私達の認識は<意識する→体が動く>です。

 しかし本来は<体が動いた→その意味は?→「ああそうか」と脳が意識する>が正解です。

 よく、楽しくなくても笑えば楽しくなってくる、と言いますよね。これも<動作と意思の関係性>をあらわしています。憂鬱な気分、ネガティブな心境になってしまったら、<スキップをする>ことを本書は薦めています。

つい食べ過ぎる、集中力がない…を解決するラクな方法って?意外な「習慣」で自然にできちゃう
『科学的に証明された すごい習慣大百科』より
 サンフランシスコ州立大学などの研究で、手足を大きく動かす元気な動きによって、気持ちも明るくなることが示唆されたとか。

 スキップなんて子どもの頃にやったきりで、もう何年もしていないという大人にこそ、昔を懐かしみスキップしてほしいです。<子供のようにスキップすると、よりハッピーになる>という例を挙げている論文もあるからです。

 こんな手軽で素晴らしい習慣は、他にないのではないでしょうか。


目的に合った習慣を知れば、人生が楽になる

 こんな些細な動きで? こんな行動の組み合わせで? というほど、簡単な習慣が本書には記されています。だまされたと思って、私も部屋を一周スキップしてみましたが、なんとなく心が軽くなり、あれこれ悩んでいたのがどうでもよくなりました。その日一日、気分がよかったです。

 本書は<「仕事の効率化」習慣><「勉強」習慣><「ダイエット・健康」習慣><「コミュニケーション」習慣><「メンタル」習慣><「生活」習慣>の6つのチャプターで構成されています。すべて今すぐにでも使える習慣ですから、自分の日常や成すべき目標に合わせて、選ぶといいでしょう。明日からの自分と毎日が、変化しそうです。

<文/森美樹>

【森美樹】
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。X:@morimikixxx
編集部おすすめ