年末年始にさまざまなバラエティ番組が放送され、昨年の賞レースで活躍した芸人たちが数多く出演した。そこで、この記事では2025年に開催された賞レースのファイナリストを対象に、どの芸人が今年は大ブレイクするか、テレビ関係者の証言を基に予想してみたい。


まず、2026年のバラエティ界で、最も飛躍が期待されるのは「M-1グランプリ」の決勝進出組だろう。

M-1王者たくろう、現場が絶賛する「理想のコンビ仲」

中でも、王者に輝いた「たくろう」の勢いが止まらない。『第76回NHK紅白歌合戦』をはじめ、年末年始の特番や生放送に数多く出演。今、テレビ局が最も熱視線を送る彼らの魅力について、民放キー局のバラエティディレクターはこう分析する。

M-1王者たくろうに「CM問い合わせ急増」のウラ側。一方で関...の画像はこちら >>
「たくろうの魅力はコンビ仲が良好なところ。ツッコミのきむらバンドは気が利く良識人で、ボケの赤木裕を巧みにコントロールしています。業界内では『きむらは赤木のお母さんのようだ』と言われるほど体調面までサポートしており、赤木も全幅の信頼を置いている。昨今のテレビ界では『仲の良いコンビ』が支持される傾向にあり、彼らはまさにその理想形」

また、実力面でも、すでに高い評価を得ています。

「元日の『フットンダ王決定戦2026』では、2人揃って大喜利の強さを発揮しました。トークもきむらが上手く回すため安定感があり、間違いなく大ブレイクするでしょう。すでにCMの問い合わせも急増しているようで、国民的な人気を得る日も近そうです」

たくろう以外にも、2026年の主役候補は多い。すでに安定した活躍を見せるエバースはさらなる支持を集め、女性コンビとして唯一無二の存在感を放ったヨネダ2000も、さらなる露出増が確実視されている。

「ポスト津田」の呼び声も。
豪快キャプテンの突破力

中でも、業界内で「次にくる」と熱烈な視線を浴びているのが豪快キャプテンだ。前出のディレクターは、他のコンビと比較しながらそのポテンシャルを語る。

M-1王者たくろうに「CM問い合わせ急増」のウラ側。一方で関係者が「厳しい」と明かした“ファイナリスト”とは
豪快キャプテン べーやん (左) 山下ギャンブルゴリラ(右)©M-1グランプリ事務局
「今回の『M-1』ではドンデコルテが注目されたが、バラエティ番組ではクセが強すぎて若干使いづらい印象です。その点、豪快キャプテンはすでに拠点とする大阪で人気が急上昇しており、何よりロケが非常に上手いことで有名。過去には『笑神様は突然に…』(日本テレビ系)でも結果を残しており、東京の制作スタッフの間でも早くから名前が挙がっていました」

さらに、ツッコミの山下ギャンブルゴリラのキャラクターが、ブレイクの決定打になるという。

「山下はすでに東京で売れている先輩芸人たちにかわいがられる『愛され力』があり、定評のある『キレ芸』も持っています。上手くハマれば、ダイアンの津田さんのように、キレ芸を武器に一気に全国区へ駆け上がる可能性を秘めています」

「M-1グランプリ」のファイナリストは順調に人気を伸ばしそうだが、「キングオブコント」の決勝進出者はどうだろう?

局が使いたいレインボー、業界評が高い「や団・伊藤」

ロングコートダディが優勝した昨年の「キングオブコント」だが、バラエティ番組で活躍しそうなのは、や団とレインボーだろうと民放キー局のディレクターは明かす。

M-1王者たくろうに「CM問い合わせ急増」のウラ側。一方で関係者が「厳しい」と明かした“ファイナリスト”とは
や団 ロングサイズ伊藤(左)本間キッド(中央)中嶋享(右)画像:株式会社U-NEXT プレスリリース
「もともと人気があったレインボーは、『キングオブコント』で活躍して評価がさらに上がりました。YouTubeチャンネルも登録者が多く若者からの支持があり、若年層の視聴率が欲しい各局がレインボーを使いたがっています。ジャンボたかおはMCとしての実力も高いので、テレビ関係者の間で注目されています。

また、や団に関しては、ロングサイズ伊藤の支持が急上昇しています。ロングサイズは、昨年は『アメトーーク!』(テレビ朝日系)や『チャンスの時間』(ABEMA)など、テレビ関係者がよく見る番組で結果を残しました。2026年は仕事が増える可能性を強く感じます」

「M-1グランプリ」「キングオブコント」のファイナリストが結果を残しそうな一方で、厳しい現状なのが「THE W」と「R-1グランプリ」の決勝進出者だ。
特に、SNSで低レベルだと叩かれた「THE W」のファイナリストは、テレビ関係者からも注目が薄いとか。

賞レース乱立の明暗。「二大大会」に集中するブランド力

M-1王者たくろうに「CM問い合わせ急増」のウラ側。一方で関係者が「厳しい」と明かした“ファイナリスト”とは
ニッチェ 江上敬子(左)近藤くみこ(右)画像:名古屋テレビ放送株式会社 プレスリリース
「『THE W』で頂点に立ったニッチェですが、実力派の中堅ゆえに、ここからの爆発的な“再ブレイク”は少し想像しにくい。また、健闘したエルフや紺野ぶるまも、すでにバラエティへの露出が多く、視聴者にとっての目新しさは薄いのが現状です。今回の大会を通じて、他に大きく評価を上げた芸人が見当たらないのも寂しいところ。

一方の『R-1グランプリ』も厳しい。優勝した友田オレがいまひとつ波に乗り切れていないだけでなく、2023年大会の王者で、2025年大会では3位に入った田津原理音もトーク力の弱さをイジられるばかりで、賞レースの勢いを活かせていません。

こうした若手・ピン芸人の大会に対し、いま業界で最も『夢がある』と熱視線を浴びているのが『THE SECOND』です。優勝したツートライブを筆頭に、囲碁将棋も着実に人気を拡大させている。さらにはザ・ぼんちのようなベテランの再ブレイクの兆しもあり、ファイナリストたちのポテンシャルの高さは、他の大会を圧倒しています」(民放キー局ディレクター)

漫才とコントの“二刀流芸人”No.1を決める「ダブルインパクト」など、賞レースが乱立する昨今。芸人にとってチャンスの幅が広がったと言われているが、実情はそう甘くはないようだ。

結局のところ、伝統ある「M-1グランプリ」と「キングオブコント」で結果を残す以外に、お茶の間へのブレイクを掴む決定打はない。
賞レースが多様化すればするほど、皮肉にも「二大大会」の壁の高さが浮き彫りとなっている。

<文/ゆるま小林>

【ゆるま 小林】
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆
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