新卒から18年半、テレビ朝日のアナウンサーとして、報道、スポーツ、バラエティなど多岐にわたる番組を担当してきた大木優紀さん(45歳)。

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 40歳を超えてから、スタートアップ企業「令和トラベル」に転職。
現在は旅行アプリ「NEWT(ニュート)」の広報を担当。さらに2025年10月には、ハワイ子会社「ALOHA7, Inc.」のCEOに就任し、家族とともにハワイへ移住。新たなステージで活躍の場を広げています。

 第31回となる今回は、そんな大木さんが、2026年の海外旅行トレンドの変化について綴ります。(以下、大木さんの寄稿)

2026年海外旅行トレンドを大予想!

 2026年がスタートし、すっかり日常モードに戻ったという方も多いのではないでしょうか。

 年末年始には、昨年を振り返ったり、「今年はどんな一年にしよう?」と考えたりした人も多かったはず。SNSやメディアでも、2026年のトレンド予測や年間テーマをまとめた記事を目にする機会が増えています。

 私が働く「令和トラベル」でも、運営する旅行アプリ『NEWT』における2025年と2026年の予約データをもとに「若者の海外旅行予測2026」を発表しました。

 そこで今回は、そのレポートをベースに、2026年に注目したい海外旅行トレンドをお届けします。

2026年は「安近短」のアジアからヨーロッパへ転換!?

「円安でもパリに行きたい!」20代の若者が「一生モノの体験」に投資するワケ
2025年エリア別渡航者数
 ここ数年は、円安や物価高の影響もあり、海外旅行といえば韓国や台湾など、近場のアジア圏が人気でした。「近くて、安くて、短期間で楽しめる」いわゆる“安近短”が、旅のキーワードとして使われていました。

 実際に2025年の海外旅行先予約データを分析すると、渡航先の約9割がアジアに集中しています。移動時間が短く、費用も比較的抑えられるアジアは、やはり圧倒的な支持を集めていました。

 ところが、その一方で、ヨーロッパへの渡航者数は2024年から2025年にかけて約2倍に増加しています。
特に29歳以下に限ると、ヨーロッパを選ぶ人の割合は2.4倍にまで跳ね上がっていました。

 円安や現地の物価高が続く今、ヨーロッパは「できれば後回しにしたい旅先」になりそうです。しかし、NEWTを利用する20代の声を聞いてみると、単に「安いから行く」のではなく、「一生の記憶に残る旅がしたい」と考える人が確実に増えていることがわかります。

 いつか行きたいと夢見ていた歴史ある街並みや、本場の文化を、今の自分に体験させてあげたい。そんな気持ちが、若い世代の中で高まっているようなのです。

 旅行を単なる観光ではなく、自分の価値観をアップデートする“人生の資産”のような体験として捉え直す動きが、少しずつ広がってきているように感じます。

価格よりも「体験価値」を求め戦略的な選択をする若者たち

 
「円安でもパリに行きたい!」20代の若者が「一生モノの体験」に投資するワケ
2026年エリア別渡航者数
 この傾向は、決して「今の若者はお金に余裕があるから」というわけではありません。今回のリサーチから見えてきたのは、むしろ限られたリソースの中で、賢く、戦略的に選択している若者たちの姿です。

 旅は「安いから行く」ものではなく、「最高に価値のある一回」に、金銭的にも体力的にも集中投下するものへ。これが、2026年流のスマートな旅の選び方と言えるでしょう。

 実際、今年のヨーロッパ旅行を牽引しているのは20代です。NEWTの利用データを見ても、ヨーロッパ渡航者のうち6割以上を20代が占めています。

 スマホ一つあれば、世界中の景色をいつでも眺められる時代。
さらに、AIを使えば、自分がその場にいるかのようなリアルな映像さえ作れてしまいます。だからこそ、画面越しの疑似体験ではなく、自分の五感で感じる“手触り感のある本物の体験”の価値が、いま圧倒的に高まっています。

 不確実性の高い時代だからこそ、確かな実感を得られる体験に投資する。そんな選択をする若者が、確実に増えてきているのです。

2026年も変わらず人気!個人の関心に合わせ多様化するアジア旅

 ヨーロッパ旅行の人気が高まる一方で、アジア旅行のトレンドも引き続き堅調で、むしろ今後さらに存在感を増していくと予想されています。

 韓国・台湾といった定番エリアの人気は変わらないものの、楽しみ方はより多様化しています。グルメやショッピングだけでなく、スパやウェルネス、ローカル体験など、自分の関心に合わせて旅のテーマを設計する人が増えてきました。

 さらに、フィリピンやタイなどのリゾート地では、あえてワンランク上のホテルを選び、“自分へのご褒美旅”を楽しむ動きも広がっています。日本より物価の安さがまだ残るベトナムなどを選び、コストを抑えながらも、質の高い体験を楽しむ人も増えていきそうです。

「行きたいけど動き出せない」層は3人に1人

「円安でもパリに行きたい!」20代の若者が「一生モノの体験」に投資するワケ
スクリーニング調査結果
 コロナ禍から5年が経ち、海外旅行は回復傾向にあるものの、まだ課題も残っています。調査によると、若い世代の約5割が「海外旅行に行きたい」と考えている一方で、過去5年間に実際に海外へ渡航できた人は2割にとどまっています。

 つまり、全体の約3割、“3人に1人”が「行きたい気持ちはあるのに、まだ動き出せていない」という足踏み状態にあるということです。

 その背景には、物価高への不安や、何から準備すればいいかわからないといった情報面のハードルなど、目に見えない“壁”の存在があるようです。

 旅行アプリ『NEWT』では、こうした課題を重要なテーマと捉え、その壁を少しでも低くすることを目指しています。
足踏みしている30%の人たちが、安心して一歩を踏み出し、世界へと旅立てる環境を整えていく。

 2026年はそんな活気あふれる年にしたいなという思いで、私も日々仕事に向き合っています。

2026年、旅の選び方がより主体的に変わっていく

「円安でもパリに行きたい!」20代の若者が「一生モノの体験」に投資するワケ
大木優紀さん
 ここまで、2026年の海外旅行トレンドについて見てきました。これからの旅は、「安さ」だけを基準に選ぶのではなく、自分にとってどんな体験が価値ある時間なのかを主体的に選ぶ時代へとシフトしていきそうです。

 「ここに行けば間違いない」と誰かの正解をなぞるような受け身の旅ではなく、自分自身の関心や気分、今のライフステージに合わせて旅を組み立てていく。そんなスタイルが、これからのスタンダードになっていくのではないでしょうか。

 とはいえ、あまりにも“理想の旅”を追い求めすぎると、かえって疲れてしまうこともあります。大切なのは、肩の力を抜いて、今の自分の心が自然と惹かれる場所に目を向けてみること。まずは気になる街や国を検索してみる。その小さな一歩が、次の旅への扉を開いてくれるはずです。

 ぜひ2026年、みなさんも自分らしい旅のプランを思い描いてみてください。

<文/大木優紀>

【大木優紀】
1980年生まれ。
2003年にテレビ朝日に入社し、アナウンサーとして報道情報、スポーツ、バラエティーと幅広く担当。21年末に退社し、令和トラベルに転職。旅行アプリ『NEWT(ニュート)』のPRに奮闘中。2児の母
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