「アイドルが恋をすることは、罪なのか」――。そんなセンセーショナルな問いを投げかける映画『恋愛裁判』が、2026年1月23日(金)ついに公開を迎えます。


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主演を務めるのは、2024年に日向坂46を卒業した齊藤京子さん(28歳)。グループ在籍時から圧倒的な存在感を放っていた彼女は、卒業後、俳優として目覚ましい躍進を遂げています。W主演ドラマ『娘の命を奪ったヤツを殺すのは罪ですか?』での迫真の演技が記憶に新しい中、2026年に入るとNetflix映画『教場 Reunion』への出演でさらなる注目を集めました。

「アイドルは天職」日向坂46卒業から2年、元エースが明かす意外な本音…それでも「自分を芸能人だと思ったことがない」理由
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そして今月、満を持して公開されるのが『恋愛裁判』。アイドルが「恋愛禁止」のルールを破ったとして法廷に立つ物語は、第78回カンヌ国際映画祭のカンヌプレミア部門に正式出品された注目作です。覚悟のいる役柄に挑んだ齊藤さんに、グループ卒業から間もないタイミングでこの大役に臨んだ決意などを聞きました。

初主演映画に「やりたいです」と即答

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――脚本を読んだ時の率直な感想を教えてください。

齊藤京子さん(以下、齊藤):日向坂46を卒業して、1~2カ月という時期に脚本を読ませていただき、衝撃を受けました。普段は読むのが遅いんですけど、一瞬で読み終わってしまったくらい、とにかく面白かったです。

そして山岡真衣という主人公を演じたいと素直に思いました。もちろん、卒業後すぐにこの作品をやることで、ファンの方がどう思うかというのは、すごく気になりましたし、「大丈夫かな」という気持ちがなかったわけではありません。でも、たとえどう思われたとしても、信念を持って真衣を演じることで、皆さんが考えるきっかけになるかもしれない、と。

何よりこの物語に強く惹かれましたし、(深田晃司)監督が声をかけてくださったことへの恩返しを、お芝居で返したいという気持ちが勝り、ほとんど即答に近い形で「やりたいです」とお伝えしました。


――かなりチャレンジングな役だと思いますが。

齊藤:そうですね。ファンの方にも「京子がやる役は早く報われてほしいと思う役が多い」と言われます(笑)。でも意外と、チャレンジングな役のほうが、自分の中ではお芝居がやりやすいというか、やりがいを感じます。

アイドルの“リアル”と法廷の“緊張感”。二つの世界を演じきって

――前半はアイドルとしての華やかなシーンが映りますが、後半は一転してシリアスな法廷シーンになります。

齊藤:アイドルシーンをすべて撮り終えた後に、法廷シーンの撮影に入りました。アイドル時代はキラキラした衣装の若い女の子5人がいつも近くにいましたが、裁判のシーンでは裁判官の方々など性別も年齢も様々で、衣装もスーツのようなモノトーンの世界。視覚から入ってくる情報もすべてが変わって、別の作品を撮っているような気持ちになりましたし、自然と気持ちが切り替わりました。

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――証言シーンでは、ご自身の心情と重なる部分があったそうですね。

齊藤:はい。私自身、中学時代から何度もオーディションに落ちて、「これがダメだったらもうやめよう」と思って受けたオーディションでやっと合格したのですが、その経験と全く同じことが書かれていました。
まるで自分の人生が脚本に反映されているようで、すごく感情移入できました。

初参加のカンヌ国際映画祭は“異次元の体験”

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――今作で、世界三大映画祭の一つであるカンヌ国際映画祭に、初めて参加されました。レッドカーペットを歩いた感想を聞かせてください。

齊藤:街全体がお祭りのようで、ただただ! すごかったです。二度とできない幻みたいな経験になりました。一つひとつを噛みしめるというより、何もかもがあっという間で、異次元の体験すぎて、気づいたらレッドカーペットも歩き終わっていました。「あ、終わっちゃった」と(苦笑)。

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――レッドカーペットの階段を上がったときは?

齊藤:この作品を一緒に作り上げてきた監督やプロデューサーの皆さんと横一列に並んで階段を上り、そこから歩いてきたレッドカーペットを見下ろしました。「このメンバーで今ここに立っているんだ」と、感慨深いものがありましたし、同時に「また戻ってこられるように頑張ろう」と強く思いました。

アイドルは天職。「すごく向いてるな」と

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――一線で活躍を続けている齊藤さんですが、芸能界という世界に飛び込んで、「やめたい」と思ったことや「戸惑った」ことはありましたか?

齊藤:アイドルになってですか? やめたいなと感じる瞬間というのは、何をやっていたとしても、きっと誰しもあると思うんですけど、本気でやめたいなと思ったことはありません。小学生の頃から、テレビの中で活躍する人というか、“テレビの中の仕事”をしたいとずっと思っていましたし、それは今でも変わりません。

戸惑ったり、壁にぶつかることもしょっちゅうありますが、本気で「もうやめる」みたいなことはないですね。


――「戸惑う」というのは。

齊藤:それもすごく小さなことです。基本は、アイドルをやっていた時も「すごく向いてるな」と思っていました。天職だなと。

自分が芸能人だと意識することはない

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――生活のなかで、「自分って、本当にアイドルなんだ。芸能人なんだな」と実感した瞬間はいつですか?

齊藤:たとえばファンの方からお声をもらったりすると、自分が思っている以上に活力を与えられていたんだなと感じることはありましたが、自分のことを芸能人だと思ったことは1回もないんです。

だから普段から、出演者の方よりスタッフさんのほうが仲良くなります。バラエティ番組などに出ると、「変わり者」という扱いをされることが多くて、そのイメージが強いのか、「え、普通じゃん」と言われることが多いです。もっと変わってる人ばかりだからかもしれませんけど(笑)。とにかく普段、自分が芸能人というのは意識していないです。

――街中で話しかけられたりということは。

齊藤:全くないです。私バレないんです。


――マスクをしてキャップをかぶって、といったことをされているからでは。

齊藤:たしかに。見られた時に絶望的なドすっぴんを晒すよりは、「マスクと帽子で出かけよう」みたいなときはあります。がっかりさせないためでもあります(笑)。あと、そういえば、電車の中で「齊藤京子」という単語が聞こえてきて、ビクッとなるときはありますね。「バレたかな?」と思うんですけど、私には気づいてなくて、普通に会話の中に出てきていたみたいで。そういうことは何度かありますね。

俳優業も、バラエティも、歌も、全部を並行してやっていきたい

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――2026年はキャリア10周年の年です。

齊藤:そうなんですよ。20代最後の年にもなりますし、10周年という、ついに2桁になるんだなと。いつまでも「まだフレッシュでやらせてもらいます」なんて言っていられないと感じています。10年もこの世界にいさせていただいているという自覚を、改めてちゃんと持って、10周年らしく、俳優としてもタレントとしても、しっかりと活動していきたいです。


――「俳優としてもタレントとしても」とのことですが、最後に、今後の活動の“野望”を教えてください。

齊藤:「どんな人になりたいですか」とよく聞かれるのですが、あえて目標の人を決めないようにしています。その人には絶対になれないし、「自分らしくていいんだな」と最近すごく思うようになりました。

私は俳優業も、バラエティも、歌も、全部が好き。だから、どれか一つに絞るのではなく、全部を並行してやっていく、自分だけの新たなオリジナルになりたいと思っています。そしていつか、「齊藤京子さんみたいになりたい」と、誰かに言ってもらえるような存在になれたら、それが一番の目標です。

<取材・文・撮影/望月ふみ ヘアメイク/正田篤子 スタイリスト/髙橋美咲>

映画『恋愛裁判』は1月23日(金)より公開
(C) 2025「恋愛裁判」製作委員会

【望月ふみ】
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi
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