絶賛される藤吉郎の「陰と陽」
テンポが良いストーリー展開に加え、主演の仲野をはじめとする豪華キャストが集結。幅広い世代から支持を集めているが、中でも、その圧倒的な演技力で作品を牽引しているのが、藤吉郎(豊臣秀吉)を演じる池松壮亮だ。池松が演じる藤吉郎は、初回から人懐っこいお調子者として躍動。仲野演じる弟・小一郎(豊臣秀長)との「コントのような掛け合い」は息もぴったりで、瞬く間に視聴者の心をつかんだ。
しかし、単なる喜劇的なキャラクターに留まらないのが池松の真骨頂だ。第1話で「間者」を切り捨てるシーンでは、それまでの明るさとは一変、藤吉郎の奥底に潜む「狂気」を表現。この“陰と陽”を鮮やかに使い分ける演技に対し、SNSでは池松を絶賛する声が多く、誰もが知る歴史上の人物をどう再定義していくのか、熱い注目が集まっている。
異例すぎる天才子役の歩み
映画やドラマで華々しい活躍を見せる池松だが、その真髄は、役のためなら一切の妥協を許さない「表現者としての覚悟」にある。
濡れ場も厭わぬ「役者魂」
同年の映画『海を感じる時』では市川由衣を相手に、愛を拒み肉体関係のみを続ける身勝手な男を魅力的に体現。さらに、宮沢りえとの共演が話題となった『紙の月』や、寺島しのぶと濃密なラブシーンを演じた配信ドラマ『裏切りの街』など、ベテラン女優の相手役としてもその存在感を発揮してきた。また、映画『無伴奏』では成海璃子のみならず、斎藤工との「禁断の濡れ場」を披露したことも記憶に新しい。
現在活躍する俳優の中で、池松ほど数多くの濡れ場、それも「クズで性にだらしない男」を魅力的に演じられる俳優はいないだろう。驚くべきは、こうした過激な役を演じても評価を落とすどころか、むしろ俳優としての支持を高めてきた点だ。
唯一無二の「池松版・秀吉」へ
もちろん、池松はこうした作品以外でも数々の名作で実力を発揮してきた。しかし、過激な表現に挑み続けてきた経験が、彼を「唯一無二の表現者」へと進化させたのは間違いない。
今回の『豊臣兄弟!』で演じる藤吉郎にも、かつての作品で見せた「狂気」がわずかに漂う。独自の歩みを経た池松だからこそ描ける、新しい豊臣秀吉像。
<文/ゆるま小林>
【ゆるま 小林】
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆
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