『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)内のコーナー「グルメチキンレース・ゴチになります!27」(以下、『ゴチになります』)の新メンバーに抜擢され話題となった佐野勇斗さん。

 1月期ドラマでは、松嶋菜々子さん主演の『おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-』(テレビ朝日系)に2番手で出演するなど、いま勢いがある若手俳優の一人でしょう。


 そんな佐野さん、俳優業では比較的早い段階で頭角を現した一方で、彼がボーイズグループM!LKのメンバーであると知らなかった人も多いのではないでしょうか。

好青年とダークな一面「二面性」を見せる

 俳優としての佐野さんが世間に広く知られたきっかけは、2024年度の連続テレビ小説『おむすび』(NHK)でヒロイン・米田結(橋本環奈)の恋の相手である四ツ木翔也を演じたことでしょう。真面目で心優しい青年という印象をお茶の間に残しました。

 端正な顔立ちと黒髪も相まってか、2023年『トリリオンゲーム』(TBS系)でも凄腕エンジニアを演じており、“真面目な優等生役”という印象を持たれやすかったと思います。そんなイメージを、天性の演技力で見事に裏切っていくことが出来るのが佐野さんなのです。

実は“苦節10年”。朝ドラ、紅白、バラエティ…27歳俳優が快...の画像はこちら >>
 実は、佐野さんは2016年放送の菅野美穂さん主演ドラマ『砂の塔~知りすぎた隣人』(TBS系)にも出演し、当時のドラマファンの間で強烈なインパクトを残していました。穏やかで優しかった青年が豹変し、攻撃的で闇深い別の顔を見せていく様は視聴者に恐怖を与え、驚かせたのです。

 それ以降、2021年『ドラゴン桜』(TBS系)『真犯人フラグ』(日テレ系)、2024年『映画 六人の嘘つきな大学生』(東宝)、2025年『ひとりでしにたい』(NHK)など好青年のはずがダークな一面を持っていたり、敵かと思ったら味方だったりと、鮮やかな「二面性」を見せてきました。

金髪でイメージ一変。熱い性格は素に近い?

 同年、佐野さんは俳優としても大きな転機を迎えました。髪を金髪にし、ガラリと風貌を変え臨んだのは、民放キー局GP帯ドラマ初主演作『ESCAPE それは誘拐のはずだった』(日本テレビ系)。チャラくお調子者でありながらも、ヒロインを守る一本気な自動車整備工・林田大介を熱演し、これまでの出演作とのギャップを見せました。

実は“苦節10年”。朝ドラ、紅白、バラエティ…27歳俳優が快進撃を続けるワケ
Blu-ray『ESCAPE それは誘拐のはずだった』(バップ)
 どちらかというと、「真面目」や「優等生」といった過去の役より、熱さとやんちゃさを持ち合わせている林田の方が、本来の佐野さんに近いでしょう。
そんなやんちゃな熱さを見ることができるのが、“M!LKの佐野勇斗”という一面です。

「紅白に出たい」苦節10年、M!LKへの強い想い

 5人組ボーカルダンスユニット・M!LKのデビューは2014年。メンバーの脱退や加入、コロナ禍の活動などを経て“10周年イヤー”を迎えました。

 デビューから10年を経てやっとブレイクした昨年まで、常に知名度は「佐野勇斗>M!LK」という状態にあったと思います。それでも佐野さんは、支えて来てくれたファンのために、M!LKとして仲間と売れたいという強い想いで、グループを引っ張ってきました。

実は“苦節10年”。朝ドラ、紅白、バラエティ…27歳俳優が快進撃を続けるワケ
CD『M!Ⅹ』(ビクターエンタテインメント)
 顔や名前が知られた俳優であれば、音楽業を片手間にやる人も少なくありません。そんななか、佐野さんは紅白やドームツアーといった大きな夢を掲げ、俳優業と音楽業どちらにも全力を注いできたのです。

 佐野さんはそうした夢や目標を口にすることで自分を追い込むタイプのようで、まだ紅白が確定ではない段階から『ラヴィット!』(TBS系)など、様々なバラエティ番組でも「紅白に出たい」と公言していました。

 2025年に入りM!LKは「イイじゃん」、「好きすぎて滅!」がそれぞれMV再生2850万回、3600万回を超えるなど連続でバズりを達成。『イイじゃん』で第67回日本レコード大賞優秀作品賞を受賞し、念願だった『第76回NHK紅白歌合戦』にも初出場を果たしました。

 ブレイクのきっかけとなった「イイじゃん」はまさに“俳優・佐野勇斗”のような著しい「二面性」がある曲調。この楽曲を表現する上でも、佐野さんのこれまでの役者としての経験が活かされているのだと思います。

実は“苦節10年”。朝ドラ、紅白、バラエティ…27歳俳優が快進撃を続けるワケ
CD『爆裂愛してる/好きすぎて滅!』(ビクターエンタテインメント)

俳優×音楽の好循環に突入!『おコメの女』にも期待

 勢いそのままに放送開始となったドラマ『おコメの女』では、落ち着いた髪色に戻し、カラッと明るく仲間を盛り立てる東大卒のエリート調査官・笹野耕一として躍動しています。
ただ、二面性を得意とする佐野さんが演じているため、笹野がどんな男なのか、最後の最後まで観ないとわ

    からないという楽しみがあります。

     また、テレ朝のお堅いお仕事ドラマは高視聴率でもTVer登録数で苦戦する傾向がありますが、今作は1月25日執筆時点で74万超と、長期シリーズものを除く冬ドラマで3位と好調。若年層に人気の高い佐野さんが、少なからずこの数値に寄与していると考えられます。

     M!LK初の両A面CDシングル『爆裂愛してる/好きすぎて滅!』も、2月18日に発売が控えている佐野さん。

     俳優業で培った表現力をM!LKに還元し、M!LKで獲得したアイドル的人気を映像作品に生かす。そうした積み重ねの結果『ゴチになります』新メンバーにも抜擢されているように、今の佐野さんは、俳優業と音楽業の両輪がすべての活動に好循環をもたらしていると言えそうです。

    <文/こじらぶ>

    【こじらぶ】
    フリーライター・コラムニスト。言語学修士。男性&女性アイドル、地下、ローカルなど様々な現場を経験。ドラマ、スポーツ、エンタメ全般から時事ネタまで。俳優、アイドルなどのインタビューも。X: @kojirabu0419
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