昨今、若者を中心に空前のレトロブームが起きています。昔ながらの文化に惹かれ、古き良きものを懐かしみつつ愛好するこのムーブメントは、現代のファッションやライフスタイルにも影響を与えています。


 そんな中、「時代」をテーマに写真やデザイン、動画を作り上げているユニットがいます。その名も「タイムトラベルガール」(@timetravelgirls)。まさにブーム真っ只中の昭和や平成レトロの世界を見事に再現しているクリエイター集団です。

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 なぜ彼女たちは「時代」にこだわり続けるのでしょうか。主宰者であるちかさんとあやねさんに話を伺いました。

「時代」好き同士で意気投合して出発

——「タイムトラベルガール」のプロジェクトはどのようにして始まったのでしょうか?

あやね
「私は2016年から『時代』を好きな人たちが集まる会を開催していたのですが、そこで個人的にすごく意気投合した相手がちかさんだったんです。

「タイムトラベルガール」は、ちかさんの『1980年代の格好をしてディズニーランドに行ってみたいって夢がある』という話からスタートしました。せっかくなら本気でやろうということで、当時のグッズを必死で集めたりして、80年代スタイルを徹底して。でも、ポップコーンのバスケットだけは見つけられなかったので自作で挑みました(笑)」

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タイムトラベルガール(過去愛好クリエイター集団)さん
ちか「それで撮影してみたら『これ、お母さん世代の写真?』ってくらい良いレトロ感のある仕上がりになったんですよ。この時の写真はネット記事でも取り上げられて、友達からもすごく興味を持ってもらえた覚えがあります」

あやね「その翌々週くらいには本格的に始動させたはずです。オリーブ少女の格好で写真を撮りに清里まで行きました。それが2018年くらいのことかな」

「楽しければいいじゃん」大人による遊び

——現在のお二人のご年齢は? なぜ「時代」に興味を持ったのですか?

ちか
「私は31歳です。もともとは音楽やアイドルを追っていたのですが、だんだん過去のカルチャーや流行が気になり始めて、独自に昭和あたりを調べるようになったんです。今にない感覚があるなぁ、と。
そのうち自分でも、その当時のファッションを再現したりするようになりました」

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タイムトラベルガール(過去愛好クリエイター集団)さん
あやね「私は今、35歳です。興味を持ち始めたのは明確に2003年から。中学生の頃ですね。当時お笑いが大好きだったのですが、その5年くらい前に流行っていたボキャブラ天国ブームを掘ってみようと思ったんです。

そしたら、妙に面白かったんですよね。衣装だとコギャルとかルーズソックスとか。言葉だと『チョベリグ』とか。たった5年で誰も使わない昔のものになってしまう……時代の移り変わりって何なのかな、と」

——かなり思慮深い中学生だったのですね。ではやはり、レトロなものを広めたいという強い思いのもとで今の活動を?

あやね
「いえ、別に今の活動にそこまでメッセージ性はないんですよ(笑)。楽しければいいじゃんって感覚で始めたことなので。自分たちが継承しなくてもいいかな、と。あくまでも大人のごっこ遊びです」

二人の中で印象深い時代は?

——これまで昭和や平成の様々なファッションの再現をされていますが、特に印象に残っているものは?

あやね「これは、ジュリアナ東京! あまりにも私の顔立ちとメイクがしっくりきすぎて、あの時代に生きていたらお立ち台でぶいぶい言わせていたよな~と思いました(笑)」

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タイムトラベルガール(過去愛好クリエイター集団)さん
ちか「コギャルの格好でプリクラを撮りに行った時のことも思い出深いですね。90年代当時のプリクラ機はもうほとんど現存していなかったのですが、聞き込みで調べて春日部の温泉旅館にあることまで突きとめました。


でも、撮っている最中にそれが壊れてしまい、急きょ修理することになって。レトロなものってすごく貴重で、簡単にいつでも使えるものではないことを再認識しました。もっと大事にしていかないと……」

トレンドから外れたアイテムは、入手困難

あやね「服やアクセサリーも同じですよ。メルカリやハードオフなどの中古品市場で探してくるのですが、どうしてもないものもあるんです。

80年代ローラースタイルに必須だった大きめのリボンは、どこにも売っていなかったので自分で作りました。90年代だとSPEEDのスポーティファッションが、今ではどこにも売っていなくて苦労しましたよ」

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タイムトラベルガール(過去愛好クリエイター集団)さん
——ファッションアイテムもかなりの一期一会なんですね。

あやね
「そう。トレンドから外れてしまうと、けっこう地獄を見るんです。だからこそ、後々に使えるかも!? って思って、とりあえず買っておくアイテムも多いんですよ。だいぶ前に買った黄色いファーセーターも、いつかT.M.Revolutionや及川光博をやるために残してあるんです(笑)」

<取材・文/もちづき千代子>

【もちづき千代子】
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。
Twitter:@kyan__tama
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