吉本興業所属のお笑い芸人・きくちこうすけさん。2001年よりお笑いコンビ・チーモンチョーチュウのツッコミとして活躍していたきくちさんですが、2025年12月30日に解散を発表し、新たな活動をスタートさせました。


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 女子SPA!では、きくちさんの芸人人生について深掘りインタビュー。芸歴25年目にしてピン芸人となった現在の心境や今後の活動について語っていただきました。

「なんでだよ!」で空気が止まった、標準語アレルギーの大阪時代

――きくちさんは2000年に大阪の吉本総合芸能学院(NSC)に入学し、2001年にチーモンチョーチュウとしてデビューされています。もともと、芸人を志したきっかけは?

きくちこうすけさん(以下、きくち):ウッチャンナンチャンさん、とんねるずさん、ダウンタウンさんへの憧れからです。自分の世代の人間としてはベタな話なんですけど。

――プロフィールでは千葉出身とありますが、なぜわざわざ大阪のNSCに?

きくち:単純に東京にもあることを知らなかったからです。入学の書類が送られてきた時に東京NSCのチラシが入ってて、「あれ?」って(笑)。結局、NSCを卒業してすぐに東京に戻ってきました。

――そのまま大阪で活動する選択はしなかったのですね。

きくち:当時の若手の劇場では、標準語のツッコミがぜんぜん受け入れられなかったんですよ。「なんでだよ!」って言った瞬間にお客さんの空気がピタっと止まるんです。あの頃は大阪の漫才においては、標準語アレルギーみたいなものが存在していたんじゃないかと思います。

巨人師匠からの金言「漫才は色んな形に変化できる」

「コンビ時代より収入は…」芸歴25年で“ピン芸人”になった元チーモンチョーチュウ・きくちこうすけ。R-1参戦の野望と独学で掴んだ“意外な新境地”
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――そして24年間のコンビ活動を経ての解散。漫才コンクール時代の『THE MANZAI』(フジテレビ系)やヨシモト∞ホールでの『AGE AGE LIVE』などを見ていた人たちは、特に驚いたのではないかと思います。


きくち:解散にあたってご報告させてもらった時、ありがたいことに色んな方が惜しんでくれました。でも、その分「新しいスタートだね」と言ってくれる方もたくさんいて。

巨人師匠(オール阪神・巨人)にも「大変かもしれないけれど、漫才は色んな形に変化できる。今まで培ったものを存分に使って頑張りなさい」と言っていただけて、「確かにそうだな」と。自分が今までやってきたことを掛け合わせれば、1人でもできることがあるんじゃないかと考えられたんです。

――では、25年目でピン芸人になることに不安はなかった?

きくち:そうですね。マイナスな感情は一切ありませんでした。ピン芸人でいえば、1人芸なら何をやってもいい『R-1グランプリ』があるじゃないですか。そうなると、むしろ「選択肢が無限にありすぎて、逆に何から手をつけようか困る」くらいの感覚(笑)。可能性が無限にある分、むしろその中で何をやっていこうかな?という感じでした。

R-1参戦への野望と「ピン芸人」としての戦略

――『R-1』の出場も考えているのですね。

きくち:はい。来年2027年度のエントリーは視野に入れています。
スタイルも色々と考えていますが、これまでの経験を踏まえると漫談もアリなのかな?と。コンビ時代のネタも自分が作ったものであれば、それを再構築してピンネタにするとか……工夫次第でいくらでもできるんじゃないかと思っています。

――新たなコンビを組むという可能性は?

きくち:それはないですね。よっぽど呼吸が合うか、考えが近しい人でないと難しいと思います。ピン芸人としてネタをやっていきたいというのはもちろんですが、お笑いだけというよりも、エンタメ業界全体でチャレンジできることはしていきたいんですよ。

ダンス、演劇への挑戦…「お笑い」の枠を超えていきたい

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――そういえば、きくちさんは以前から男性パフォーマンスグループ「おしゃれ紳士」のメンバーとして、演劇やダンスのフィールドでも活躍していますよね。

きくち:ダンスは中学時代からやっているんですけど、教室に通ったことはなくて完全に我流なんです。当時『ダンス甲子園』を録画したビデオテープをもらって、その中のブレイキングダンス講座を見ながら、ひたすらバックスピンの練習をしていました。芸人になってからは、お仕事で一緒になったダンサーさんに教えてもらったりはしていますが。

――コンビ時代は漫才の印象が強いのですが、演技力はどのように身に着けたのですか?

きくち:今の神保町よしもと漫才劇場が芝居小屋だった時代、よく演劇の舞台に立たせてもらっていたんです。その劇場が『おしゃれ紳士』とコラボしたことがあって、僕は2021年にその2回目の公演にゲストとして呼ばれたんですよ。その時の舞台が本当に面白くてめちゃくちゃ感激して、「絶対にまた呼んでくださいね!」って言ったら、本当に次の公演も呼んでもらえました(笑)。


――「おしゃれ紳士」は、よっぽどきくちさんの心を打ったのですね。

きくち:もう一度出演してみても、やっぱりものすごく面白くて。「正式に入れてくれ」って直談判したら、本気で話し合いをしてくれたんです。その後は晴れてメンバーになりました。2月の公演にも出演しています。

――ピン芸人活動、滑り出し順調そうですね。

きくち:とはいっても、リアルな仕事量としては漫才の出番がなくなったので、その分は少なくなりましたよ。それでもルミネtheよしもとのスペシャルコメディだったり、MCだったりで劇場や舞台には立てています。コンビとしての収入を超えることは、なんだかんだで今後の目標の一つではありますね。

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 ピン芸人として、そして表現者として枠にとらわれず突き進むきくちさん。そんな彼がいま、お笑いや演劇と同じ熱量で取り組んでいるのが「手話」です。後半では、手話を始めた意外なきっかけや、独学で身につけたという驚きの習得術、そして「手話×お笑い」の持つ可能性について語ってもらいました。


<取材・文&撮影/もちづき千代子>

【もちづき千代子】
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:@kyan__tama
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