「他の家はいくら渡しているんだろう?」

 子どもが小学生になると、お小遣いの金額や渡し方に悩み始める親は多いものです。「少なすぎるとかわいそうだが、多すぎても使い方が心配」……。
何に使うのか、管理はどうすべきかなど、悩みは尽きません。金額以上に“家庭の価値観”が表れやすいこのテーマについて、小学生のママたちに実体験を聞きました。

“月500円”からスタート。ガチャガチャでの“痛い失敗”が教訓に

「2か月分のお小遣いが一瞬で…」小3娘がガチャガチャで散財→...の画像はこちら >>
 明菜さん(仮名・30代)の家庭では、小学3年生からおこづかいを始めました。低学年のうちは友達とお金を持って出かける機会もなく、「渡すべきか」迷ったといいます。

「きっかけは、娘が『ガチャガチャをやりたい!』と言う機会が増えたこと。親がその都度出すとキリがないので、まずは月500円と決めました。ただ、最近のガチャガチャは1回300円ほど。昔の500円の感覚とは少し違う気もしています」

 ある時、娘さんは2か月分貯めた1000円を手に、お目当てのガチャガチャに挑戦しました。しかし、結果は2回連続で同じもの。「3回目を止めたい」という親心をぐっとこらえ、明菜さんは娘が自分でお金を使う様子を見守りました。結局、お目当ては出ず――。
しかし、この経験が娘さんの意識を変えたといいます。

「身銭を切って残念な思いをしたことで、『欲しいものが決まっている時は(ショップ等で)買ったほうが“確実”』と学んだようです。今も月500円ルールを継続中ですが、お年玉と合わせて貯金し、本当に欲しいものを見極めて買うようになりました。学年の変化に合わせて、今後の増額も検討しています」

働いた分だけもらえる“お手伝い制”の意外な落とし穴

 一方、小学4年生の息子を持つ加奈さん(仮名・40代)は、低学年から「お手伝い制」を導入しました。

「2か月分のお小遣いが一瞬で…」小3娘がガチャガチャで散財→“あえて止めなかった”ワケとは
写真はイメージです(以下同)
「お風呂洗い30円」「食器洗い30円」「ゴミ捨て20円」など、頑張った分だけ増える歩合制。自身も同様の教育を受けた加奈さんは、「家事を覚えてほしい」との願いから始めましたが、息子の成長とともに“落とし穴”に気づきます。

「高学年に近づくと習い事や遊びで忙しくなり、家事に割く時間が物理的に減りました。それ以上に困ったのが、何かを頼むと『それ、おこづかいになる?』と聞かれるようになったこと。家族として家事をするのは当たり前なのに、『お金がもらえないならやらない』という発想を植え付けてしまったと反省しました」

 家事を覚えるきっかけとしては最適でも、大きくなるにつれて“おこづかいが欲しいから”という動機でしか動けなくなるのはよくないかもしれないと感じたと語ってくれました。

最終的に落ち着いたのは、「基本給+α」

「2か月分のお小遣いが一瞬で…」小3娘がガチャガチャで散財→“あえて止めなかった”ワケとは
0207_おこづかい④
 試行錯誤の末、加奈さんがたどり着いたのは「固定額+お手伝い分」のハイブリッド型でした。

「小4で駄菓子屋へ行く機会が増えたのを機にルールを見直しました。今は『学年×100円(基本給)』に、お手伝い分をプラスしています。ただし、お手伝いの条件も変えました」

 現在は「自主的に気づいて動いたか」「完成度が満足な状態か」の2点を条件に。親に言われてやるのではなく、自分から仕事を探し、家族に感謝される経験を重視したのです。


「やっていることは以前と同じようでも、視野が広がり、家事のクオリティも上がってきていると感じます」

 お子さんの成長や生活リズムに合わせてルールを改定したという加奈さん。今はおこづかいの管理の仕方も工夫されているんだそう。

“使う分”と“貯める分”で分けて管理

「2か月分のお小遣いが一瞬で…」小3娘がガチャガチャで散財→“あえて止めなかった”ワケとは
0207_おこづかい③
 現在は管理方法も工夫し、渡したその日に“使う分”と“貯める分”を分けています。

「以前はすべて貯金箱に入れていたのですが、高学年になり『お金を使う経験』もしてほしいと思うようになりました。おこづかい帳をつけながら、友達と楽しく使うことも学びの一つ。

 最近、息子が3歳の弟の誕生日に、自分のおこづかいでプレゼントを買ってくれたんです。弟の喜ぶ姿を見て、息子も誇らしげでした。お金はただ持っているだけじゃなく、どう使ったかが記憶に残るもの。誰かのために使う喜びを知ってくれたのは、大きな収穫でした」

 おこづかいは、単なるお金のやり取りではありません。失敗して後悔したり、誰かのために使って幸せを感じたり。試行錯誤のルール作りは、親子で価値観を伝え合う大切なコミュニケーションそのものなのかもしれません。

<文/鈴木風香>

【鈴木風香】
フリーライター・記者。
ファッション・美容の専門学校を卒業後、アパレル企業にて勤務。息子2人の出産を経てライターとして活動を開始。ママ目線での情報をお届け。Instagram:@yuyz.mama
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