「小学生の子どもがゲームをしていて、ルールを守らない」――そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。そのたびに注意したり叱ったり、ルールを見直したりと、多くの親御さんが試行錯誤しているのが現状です。


 文科省の全国学力調査によれば、ゲーム・SNS・動画視聴を含む時間が平日3時間以上という子どもは30%に上ります。他の調査でもスクリーンタイムが習慣化している傾向は複数報じられており、今や避けては通れない問題です。

 ゲームのルールに明確な「正解」はありません。今回は、子どものゲームとの向き合い方に悩みながら、日々調整を続けている親御さんたちに話を聞きました。

「抜けると仲間外れ」オンライン化が変えた放課後

「ゲームは1日1時間」はもう限界?宿題ボロボロ、嘘、逆ギレ…...の画像はこちら >>
「最初は“1日1時間”と決めていて、低学年のうちは守れていたんです」そう話すのは、小学4年生の男の子を育てる真紀さん(仮名・40代)。しかし、学年が上がるにつれて壁にぶつかったといいます。

「オンラインプレイが増え、『今みんなでやってるから抜けられない』と言われると、止めるのもだんだんしんどくなってきました。息子自身も『みんなやってるのに自分だけ遊べない。1時間では短すぎる』と嘆くようになったんです。外遊びをする子が少ない地域なので、“友達と遊ぶ=ゲーム”という時代の変化を痛感しました。お友達との関係性を考えると、成長に合わせてルールを変える方が良いのかもしれないと思うようになったんです」

 家庭で決めたルールとはいえ、友達との関係性も大切にしてあげたいと思うと判断が難しい場面が多いというのも、納得です。

一緒にプレイすることで変わった「親の視点」

「私自身にゲーム習慣がなかったので、のめり込むほどの楽しさを知りませんでした。夫は経験者だったので、私の気持ちも息子の気持ちも理解できると言ってくれて。夫の提案で、一度家族で息子のハマっているゲームをやってみることにしたんです」

「ゲームは1日1時間」はもう限界?宿題ボロボロ、嘘、逆ギレ…小4息子に母の悲鳴。「友達と遊ぶ=ゲーム」という令和の残酷な現実とは
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 実際に体験してみると、気づきがあったといいます。
「最近のゲームは終わりがなく、やめ時が本当に難しい。それを体験して初めて、息子の気持ちが少し理解できた気がしました。やったこともないのに“ゲーム=悪”と決めつけ、『ルールだから!』と頑なになっていた自分を反省するきっかけになりました」

 息子さんの気持ちを理解することで、その後のルールはどのように変化したのでしょうか。

「宿題ボロボロ」管理機能が招いた嘘と逆ギレ

 そこで、習い事がない日は「宿題と準備が終わったら夕飯までOK」にルールを変更。しかし、また別の問題が発生しました。

「ゲームは1日1時間」はもう限界?宿題ボロボロ、嘘、逆ギレ…小4息子に母の悲鳴。「友達と遊ぶ=ゲーム」という令和の残酷な現実とは
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「少しでも長く遊びたいからか、とにかく宿題が雑になったんです。字は汚く、計算ミスも増えて、本人は『終わった』と言うけれど内容はボロボロ。注意すると『終わったんだからいいでしょ!』と言い合いになり、結局毎回喧嘩になってしまいました」

 できるだけ長い時間ゲームをしたいという気持ちから、“早く終わらせよう”と雑になってしまう気持ちは理解できても、親としてはどうしていいものかさらに悩んでしまったと話してくれました。

タイマーも管理機能も使って、最後に辿り着いたのは?

「決してやらせたくないわけではないのですが、双方納得できるルール作りが難しくて。タイマーも使いましたし、ゲーム機の管理機能も設定しました」

 しかし、管理機能を使ってもうまくいかない場面があったそうです。「時間を2時間に延ばしても、アラームが鳴ると『セーブポイントまで!』『オンラインだから終わるまで待って!』と言われ、結局5分、10分と延びてしまう。こうして例外を認めると、いつの間にかルールが曖昧になっていきました」

 真紀さんは「最終的に子ども自身が納得していないと意味がない」という結論に達しました。

「現在は息子と話し合い、習い事のある日は1時間、ない日は3時間というルールで落ち着いています。アラームではなく、時間が来ると強制的に遊べなくなる機能を使っています。
ただ、画面に『あと〇分』と表示されるので、自分で逆算してセーブするように、管理そのものを息子に任せる約束をしました」

 息子さんと向き合い、話し合いを続けた結果、現在はルールを守って楽しめているようです。一方で、ルールの考え方を変えたという親御さんにも話を聞いてみました。

「時間で区切るのを、やめました」

 小学5年生の息子を育てる沙也加さん(仮名・40代)は、「1日〇分」という縛りをやめたと言います。

「平日は30分しかできない日もあれば、のめり込んで何時間もやりたい日もあります。そこで我が家では『今週は〇時間まで』と、週単位で息子と話し合うことにしました。すると『今週はテストがあるから少なくしよう』とか『週末は出かけるから土日はやらない』など、自分で調整ができるようになってきたんです」

 以前は時計を見て目を光らせることに疲弊していたという沙也加さん。「週単位にしてからは、息子とのコミュニケーションも増え、『やりすぎたら次の日できなくなる』という仕組みを本人が受け入れられるようになりました。正解かは分かりませんが、親子喧嘩は確実に減りましたね」

正解はない。だから何度変えてもいい

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 今回、取材した親御さんたちが口を揃えたのは、「一度決めたルールに固執しなくていい」「本人が納得していることが大切」ということでした。

 子どもは成長し、生活も変わります。以前のルールが合わなくなるのは当然のこと。それは失敗ではなく、「今はこれじゃなかった」という気づきに過ぎません。小学生のゲーム問題は、一度決めて終わりではなく、親子で歩み寄り続ける「終わりのない調整」なのかもしれません。


<文/鈴木風香>

【鈴木風香】
フリーライター・記者。ファッション・美容の専門学校を卒業後、アパレル企業にて勤務。息子2人の出産を経てライターとして活動を開始。ママ目線での情報をお届け。Instagram:@yuyz.mama
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