不況や物価高、そして副業解禁する会社も増え、いまブームとなっている“スキマバイト”。ライター歴15年、40代主婦の筆者はこの物価高の中、生活費の足しにと大手スキマバイトサービス「タイミー」に手を出すことにしました。


しかし、それは想像以上に就業までのハードルが高く、やりたい仕事があっても条件付きや、経験値を積まねばならない仕事が数多くあったのです。

40代主婦が食品工場でスキマバイト。私が最年少グループ? 世...の画像はこちら >>
それでも仕事をしたかった筆者は、未経験OKという宅配業者の仕分けバイトでなんとか経験値を積み、やっと希望の職場に申込みすることができました。今回は食品工場での体験をレポートします。

食品工場の大量募集!扱いはちょっと雑だけど…

今回申し込んだのは、家からほど近い場所にある食品工場です。ケーキ作りやお寿司づくり、パン作り部門などが募集にあり、できたものは近隣のスーパーに出荷されるそうです。

聞けば、この工場は1カ月前に操業開始したばかり。その日は祝日で15人ほど大量に募集がかかっていました。ちなみに、食品を扱う職場では必須の「検便」(検査費無料)もクリア済みです。

いざ行ってみると、この現場は以前の宅配現場と比べ、正規スタッフも少なく、スポットワーカーの扱いがどちらかというとぞんざいな様子でした。まあ、できたばかりの事業所で、なおかつ正規スタッフだけでは手が回らないからタイミーを導入していると考えれば、許容範囲です。

40代主婦が食品工場でスキマバイト。私が最年少グループ? 世知辛い“氷河期世代の現実”を見てしまった…
※写真は一例です
アプリの詳細には、入り方や準備などの説明は丁寧にあるものの、聞けるようなスタッフが見当たらず、集合場所でタイミーさんと思われる方のマネをして、時間までじっと立ちつくしたまま待機をしました。私は10分前に現場について準備をしていたのですが、1分前ギリギリにチェックインをして、準備をされる方も。

以前、SNSでとある飲食店の方が「出勤3分前に来たタイミーバイトを帰らせた」と投稿し、賛否両論の声があがりました。
その騒動を知る私はビビッて10分前に到着しましたが、現場によりけりなんですね。

40代の私が最年少グループ!高齢者もちらほら

驚いたのは40代主婦の私が比較的年少グループと考えられる面子だったことです。同年代くらいが半分ほど、ちょっと上かな? と感じる50代ぐらいの人がそれ以外、明らかな高齢者が数名いました。

シニア世代のワーカー人数に驚愕。最高齢は90歳

タイミーといえば、橋本環奈さんがCMをするなど、若者がターゲットの印象がありました(現在は中高年が主役のパターンもありますが)。私が学生時代に入った日雇いの現場でも、中心は20代から30代前後だったような記憶があります。

「みんな若い子たちだらけだったらどうしよう」という不安を多少抱えての現場到着でしたが、それは杞憂に終わりました。

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画像:株式会社タイミー プレスリリース「シニア世代のスポットワーク利用実態調査 2025年版」より(PR TIMES)
ちなみにタイミーでは、お仕事の詳細ページに、実際に働いたタイミーさんのお店への評価が順次掲載されており、そこに年代と性別が記載されています。後日、詳細ページを閲覧したところ、この現場の平均年齢はおおよそ30代~40代でした。

私としては都合がいいですが、どこの現場もそういうものなのでしょうか? ちなみに、タイミーの調査によると60歳以上のワーカーは、約30.8万人なのだそうです。勤務経験のある最高齢は90歳だとか(※シニア世代のスポットワーク利用実態調査 2025年版より)。

寿司づくりは楽しい!“ちいかわ”気分でせっせと働く

その日は、スーパーに出荷するための寿司づくりに勤しみました。5分ほどのレクチャーを受け、すぐに業務に入ります。成形されたシャリに決められたネタをのせ、にぎって次の担当に流すという作業を5時間続けます。
作る商品の種類によって品数が決められていて30分ごとに持ち場が代わり、気分転換になることもあって飽きませんでした。

マグロやサーモンは簡単でしたが、最後にホタテの上のイクラをスプーンで3粒だけのせる作業が地味に忙しかったです。ねっとりしているので、どうしても裁量がわからず、4~5粒すくってしまうこともしばしば。でも、3粒でなければいけません。一個だけとるのも至難の業です。

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作った寿司パックを購入
私のせいで流れを滞らせてしまうこともしばし発生し、本日の反省点となりました。これからはイクラが数粒乗った寿司をみたら、きっと今日のことを思い出すでしょう。そして、作り手になお一層の尊敬を抱くことになるでしょう。

ほか仕事内容はイメージしていた通りで、労働には違いませんが、お寿司屋さんごっこみたいな感覚で楽しかったです。自分の脳内イメージでは“ちいかわ”になって、せっせとけなげに仕事をしていました。

かなりのアタリ現場だった!

大量募集現場で、主な面子が40~50代が中心となると、傍から見ると「どんよりした重た目の雰囲気なのでは?」というイメージだと思います。

ですが、この現場に関しては、和気あいあいとした活気が感じられました。元料理人だと自ら自己紹介をしていた高齢男性は張りきって業務に臨んでいました。
私と同年代と思われる主婦の方は、自ら作った寿司を「家族分買って帰る」と楽しそうに話していました。

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今回の職場のレビュー欄
年齢的に主婦や社会人経験者が多いためか、挨拶や質問が飛び交い、手際もよかったように感じます。正規職員さんが少なかったためか、どこかタイミーさん同士での団結力が生まれていたように思います。

職種とメンバーに恵まれた、かなりの“アタリ現場”でした。ぜひまたここで働いてみたい、早くもそう思いました。

世知辛い「社会の縮図」を見てしまった

その後何度か同じ食品工場で働いたのですが、明らかに20代の人は数えるほどしか来ていませんでした。

大学生が長い休みの期間であったり、夕方以降の時間ならばもう少しこの現場にも若い人はいたのかもしれませんが、経験則から「スポットワークは若者のもの」というイメージを持っていた自分としては目からウロコでした。

40代主婦が食品工場でスキマバイト。私が最年少グループ? 世知辛い“氷河期世代の現実”を見てしまった…
今回の報酬です
もしかしたら、私たち氷河期世代がそのままスライドして非正規スポットワーカーのメイン世代になっているのでしょうか? もしそうであったら、勤務した5時間の間に少々世知辛い社会の縮図を見てしまったような気がします。

<文・写真/小政りょう>

【小政りょう】
映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦
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