マクドナルドを抜く日は来るのか?

 食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、食トレンド、スーパーマーケットやスタバ、ダイエットフード、食育などの情報を“食の専門家”として日々発信しています。


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 2025年11月、ハンバーガー業界を揺るがすようなニュースが飛び込んできました。それは、米金融大手ゴールドマン・サックスがバーガーキング(以下、バーキン)の日本事業(ビーケージャパンホールディングス)を約700億円で買収したというもの。

 バーキンは2025年末時点で337店舗を運営し、すでにロッテリア(ゼッテリア)の278店舗を抜かして業界3位にまで成長。ここ5年のV字回復ぶりは目を見張るものがあり、さらには2028年末までに600店舗(現在の約2倍)を目指しているというのです。

“ゴールドマンがバーキンを買収”というだけで驚きますが、今後ますます勢いを増すことができるのでしょうか? そこで今回は、「最新のバーキンの魅力」に注目しながら、マクドナルドやモスバーガーを揺るがすほどの“脅威ポイント”を3つご紹介していきたいと思います。

脅威ポイント①価格の勝利

バーガーキングが「マックやモスの脅威になる」と言える3つのワケ。ハンバーガーセットの“価格”だけじゃない
平日、土日に関わらずお得なセットは550円から購入可能。20年前のビッグマックセットと同価格帯であり、バーキンのコスパ力を実感できる
 ここ最近のバーキンが都心のみならず地方エリアでも人気を集めている最大の理由は、価格戦略にあります。

 例えばおいしそうなハンバーガーがセット価格で550円から購入可能であるということ。細かく見ていくと、スモーキーテリヤキバーガーセットがいつでも550円で、マクドナルドのてりやきマックバーガーセットは条件付きで600円(クーポン利用、平日10時30分~14時限定)。

 商品写真と合わせて比較をすれば一目瞭然で、アプリや店内では、消費者にわかりやすいように“お買い得感”をアピールしています。

 ちなみにこの550円は、2000年代前半のビッグマックセットと同価格帯。「ハンバーガーはやっぱり気軽な値段で食べたい」という潜在的な消費者ニーズをしっかり満たしてくれているのです。

 そして嬉しいのは価格だけではない、商品クオリティへの追求。てりやきはスモーキー、ベーコンレタスバーガーはBBQなどこだわり感をイメージしやすいような商品設計になっていて、“定番よりもおいしそう”を期待させてくれます。


 つまり強みは、圧倒的な“コスパ力”。グルメハンバーガーのセットもアプリを利用すれば1000円以内で購入できる価格設定こそが、全国規模での店舗拡大を可能にしているのです。

脅威ポイント②「ワッパー」のすさまじい満足感

バーガーキングが「マックやモスの脅威になる」と言える3つのワケ。ハンバーガーセットの“価格”だけじゃない
直火焼きの100%ビーフパティを使用した本格バーガー「ワッパー」は、一般的なハンバーガーの約1.4倍のボリューム。ハンバーガーは罪悪感気にせずがっつり食べたいというニーズにマッチしている
 2つ目は、看板バーガー「ワッパー(Whopper)」のすさまじい満足感にあります。

 ワッパーとは、同店の看板商品になっているビッグサイズのハンバーガーで、一般的なハンバーガーの約1.4倍のボリューム。

 使われているビーフパティはマック同様に100%ビーフでありながら、独自の直火焼き方式を採用することで、余分な脂を落としながら肉汁たっぷりでスモーキーなパティを生み出しています。これは食べてみればすぐにわかる香りや旨味で、同店が“炎の旨味”と掲げているのが納得できるのです。

 主力のワッパー商品のセット価格を見ていくと、スモーキーBBQワッパーセットが790円(クーポン利用、以下同様)、ウィンタースペシャルマッシュルームワッパーセットが990円。1000円以内に見事に収まります。

 誤解がないように申し上げたいのは、バーキンのワッパーをマックと比較した際に、マックが劣るということではありません。

 日本の消費者はマックの味やボリュームに十分慣れ親しみ、定着しきっているのです。だからこそ少々次元の違うアメリカンなグルメバーガーが200円程度の追加で楽しめてしまうというバーキンの提案は、新鮮かつ大きな魅力に。

 つまりワッパーは、手が届く価格帯のごちそうバーガーとして秀逸なのです。

脅威ポイント③クアトロチーズワッパーの大成功

バーガーキングが「マックやモスの脅威になる」と言える3つのワケ。ハンバーガーセットの“価格”だけじゃない
チーズ好きにはたまらないリッチな味わいを追求して誕生した「クアトロチーズワッパー」
 3つ目は、2016年に誕生し今年10周年を迎える「クアトロチーズワッパー」の大成功にあります。

 このバーガーは、定番のワッパーにレッドチェダーチーズスライスを2枚重ね、その上にコクのあるチーズソース、さらにゴーダチーズ、モッツァレラチーズ、レッドチェダーチーズの3種類をブレンドしたシュレッドチーズをのせた究極ともいえるチーズバーガー。


 このバーガーを指名買いするファンは少なくないでしょう。これは、“バーキンでしか食べられない味”を見事に実現していることになります。

バーガーキングが「マックやモスの脅威になる」と言える3つのワケ。ハンバーガーセットの“価格”だけじゃない
クアトロチーズのコクと旨味に驚く


“バーキンでしか食べられない味”は他メニューでも

バーガーキングが「マックやモスの脅威になる」と言える3つのワケ。ハンバーガーセットの“価格”だけじゃない
ヒッコリーのスモーキーな香りとスパイス感が際立つ「アメリカン スモーキー チキン」
 この“バーキンならではの味”は、他メニューでも発見することができます。

 例えば酒のつまみにも良いと絶賛される「アメリカン スモーキー チキン」は、ヒッコリーのスモーキーな香りとスパイス感が際立つサイドメニュー。本格チリビーンズとチーズソースを合わせた「チリチーズフライ」も他チェーンにはない個性が光ります。

 そして最後に嬉しいのは、「カスタマイズの楽しさ」。元から入っている野菜やソースの増量は無料で、追加トッピングは種類豊富に用意されています。

 ピクルス(30円)、チリビーンズ(140円)、アボカド(100円)、スパイシーソース(80円)、ペッパーマヨソース(100円)などを自由に組み合わせることができ、セットにしても1000円以内で楽しむことができる。

 これはマックやモスでは体験できない「1000円以内の自由な楽しさ」といっても過言ではありません。

バーガーキングが「マックやモスの脅威になる」と言える3つのワケ。ハンバーガーセットの“価格”だけじゃない
カスタマイズの種類が豊富で、オーダーメイドのハンバーガーが気軽に注文できる
 さあいかがでしたか? 王者マックや二番手のモスが、新生バーキンを脅威とする時代はすでにはじまっているといえるでしょう。

 今後のハンバーガー業界、ますます目が離せません!

<文/食文化研究家 スギアカツキ>

【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。
基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
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