そんな友近さんにインタビュー。今度は映画でサスペンスものに挑戦した『テレビショッピングの女王 青池春香の事件チャンネル』の話をはじめ、友近さん自身の20代、30代と比べての意識の変化、仕事やプライベートへの向き合い方を聞きました。
お笑いの延長のような役のほうが難しい
友近さん(以下、友近):「大阪のコテコテのおばちゃん」をやってほしいというリクエストでした。コントではやったことがあるんですけど、ドラマではいわゆる「ザ・大阪のおばちゃん」はやったことがなくて。衣装合わせの時点ではトラ柄がぶわっと並んでいましたが、自分のなかで考えていたおばちゃん像とちょっと違っていました。
なので白川士監督に「こういう感じでもいいですか」と相談しながら、おばちゃんのさじ加減をすごく考えて作っていきました。
――本編内のテレビショッピングシーンでは、おふたりがパロディシーンを演じています。友近さんが名取さん主演の『法医学教室の事件ファイル』を彷彿とさせるキャラクターで登場したり、逆に名取さんが水谷千重子風キャラに扮したり。友近さんも大好きな五社英雄監督作品のパロディも登場しますが、名取さんは五社監督の『吉原炎上』の主演女優。
友近:よかったです。私としてはやっぱり芸人目線で、どうしても突っ込みたくなってしまうので(笑)。皆さんがそういうふうに見てくださるなら、ホッとします。実は私はシリアスなドラマのほうがやりやすいんです。お笑いの延長みたいな役のほうが、かえって難しいんですよ。
――そうなんですね。
友近:でもいろんなコスプレをするのは好きなので、記念としてめちゃめちゃ写真を撮りまくりましたけどね(笑)。名取さんのもめっちゃ撮りました。
水谷千重子も西尾一男も、“芸人”としての自分があるから
友近:あまり考えませんが、ひとつ挙げろと言われれば、やはり“芸人”です。それでデビューしているし、そこがないとブレる気がします。
――完全なる「友近さんワールド」なので、枠にとどまらない気がしていましたが、ご自身の中での根っこは“芸人”なんですね。
友近:芸人をやっているから、本作のヨッちゃんもできるし、水谷千重子もできるし、西尾一男(友近さんが生み出した人気男性キャラ)もできている。レポーターやテレビタレントもできる。芸人がベースにあるからこそだと思っています。
そのことは、愛媛でレポーターをやっていた20代の若いころから感じていました。「明るくただレポートしているひょうきんな奴」と思われるのは嫌で、「こいつ、こんな風に振る舞ってるけど、ネタできへんのちゃう?」と思われているんじゃないかとか……別にそんなこと思われていないんですけどね(笑)。でも、自分の中で核となるものがあると、自信を持って強気でいけるんです。
「ワーク・ライフ・バランス」ってなに?
友近:え、なんですか? 正直、あんまり聞いたこともないです。
――プライベートも、仕事も、どちらかに傾くことなく大切にしよう、といった考え方ですが。
友近:あっ、そういうのですね(笑)。あまり意識もしてないです。ただ自分が休みたいときに休む。休みたくないときは休まない。それだけですね。
でもここ10何年くらいは「自分がこれをしたい!」というものを自分で企画したり、クリエイティブに作ったりして、それを仲間と一緒にやっている。だから楽しい仕事しかないですし、プライベートも、「ここに旅行行きたいな」と思ったら、そこは仕事のスケジュールを空けて行きます。
老後の楽しみじゃなくて、今やろう
友近:それはあるかもしれないですね。『人生一度きり、なんにでもチャレンジ』というタイトルで全国で講演しているのですが、そこでも「今やりたいこととか、チャレンジしたいことは常に待ってるんじゃなくて、自分から動いてやっている」とお話ししています。仕事とかプライベートとか関係なく、「仕事を辞めてからとか、老後の楽しみじゃなくて、今やろう」って感じ。
――なるほど、老後の楽しみではなく。
友近:20代、30代のときは、仕事を犠牲にしなきゃいけないようなことだと、やっちゃいけないと思っていた気がします。でも今はそんなこと言っていられません。人生一度きりなんだから。
でも「ここはちょっと空けて旅行に行きたい」と思うなら、仕事が入るかもしれないけど、そこはあえて空けてプライベートで楽しんでもいいかな、と思ったりするようになりました。
好きな人には自分からアプローチ
友近:私、本当に子供が好きで。面白い無邪気な子供の動画をよく見ているんですけど、インスタで「いいな」と思った子の投稿をずっと遡ってチェックしたら、やっぱりすごく面白かったんです。それで「これは会わなあかん」と思って、声をかけて一緒にロケに行ったことがあります。
――インスタで見つけた子と!?
友近:急に「あなたの子どもと一緒にロケに行きたいんです」とか連絡が来たら怖いですよね(笑)。でも実は調べてみたら、その子のお母さんがモデルさんで、昔、私とも一緒にお仕事したことがあったことが分かって。それで事情をお伝えして、実現しました。
――なるほど。
友近:一般の人であっても、「この人面白い」とアンテナに引っ掛かったら、自分でアプローチします。タクシーの運転手の人で、すごく面白い人がいて、その人をラジオのゲストに呼んだこともあります。
――今のお話はお仕事に関連していますが、恋愛対象として好みだと思った人にも、自分からアプローチできますか?
友近:それもできます。
――おお。
友近:ただ私、いわゆるイケメンというものにはあまり興味がないんです。だから、この業界に入ってからは逆に、心ときめくみたいなのはないかもしれません(笑)。
――でもイケメン云々に限らず、惹かれる人がいれば、仕事でもプライベートでもご自分から行けると。
友近:はい。断られるのが当たり前だと思いながらぶつかっていくから、全然怖くないんです。実際ダメだったこともありますし、平気です。
「西尾一男と行く水谷千重子ツアー」を計画中
友近:正直、野望ってなくて。ただ、計画を立てていることはあります。自分が生み出したキャラクターを独り歩きさせるっていうのは、すごく難しいことなんですけど、いまそれが、水谷千重子でも西尾一男でもできています。なので今度は「西尾一男と行く水谷千重子ツアー」みたいに、二人が同行するものをやろうと思ってます(笑)。
――ふたりが同行。
友近:1日目は西尾一男がみなさんをお連れし観光。「明日は水谷千重子さんのツアーコンサートですよ」とか言いながら、バスで観光案内する。翌朝、最初は西尾一男がみんなと戯れて、「じゃあこの後は水谷千重子さんのコンサートでお楽しみください」って、一旦休憩入ってから、続いて水谷のコンサートが始まる。これはワクワクします。
<取材・文・撮影/望月ふみ>
(C) 2026テレビショッピングの女王『青池春香の事件チャンネル』製作委員会
【望月ふみ】
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi
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