反町隆史、大森南朋、津田健次郎がトリプル主演を務めるドラマ『ラムネモンキー』(フジテレビ系)が、視聴率の推移は穏やかながらも、SNSでは絶賛する声が多く、一部の視聴者は大ハマりしている不思議なドラマとなっている。

昭和世代が熱狂する「1988年」の再現度

 同作は、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ、『リーガル・ハイ』シリーズ、『コンフィデンスマンJP』シリーズ(ともにフジテレビ系)、NHK大河ドラマ『どうする家康』などを手掛けた古沢良太が原作・脚本を担当。「1988青春回収ヒューマンコメディ」を謳い、人生に行き詰まりを感じている51歳の3人組が、再会と再生を遂げる姿を描いた作品だ。


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 主人公は、吉井雄太(反町)、藤巻肇(大森)、菊原紀介(津田)の3人で、1988年の中学生時代は映画研究部でカンフー映画の制作に没頭した幼なじみ。37年ぶりに3人が再会するところからドラマはスタートし、行方不明となっている映画研究部の顧問・宮下未散(木竜麻生)の消息を追うミステリー要素もあるドラマとなっている。

 つかみどころのないストーリーの『ラムネモンキー』だが、魅力は80年代に青春時代を過ごした視聴者が懐かしくなるセリフやシーンが満載なことだ。中学生時代の回想も多く登場するが、スタッフは丁寧に当時の空気感を取り入れ、セットや小物などを再現して制作。80年代のアニメや映画に加え、体罰教師なども登場し懐かしすぎる演出やセリフが多く、昭和ノスタルジーに浸れるドラマとして一部の視聴者から熱狂的な支持を得ている。

反町・大森・津田が起こす「最高の化学反応」

 また、昭和にタイムスリップできるストーリーだけでなく、主演を務める3人の“イケオジ”俳優たちの演技も魅力だ。これまで男3人を主軸とした作品は数多く制作されているが、今回の反町、大森、津田という組み合わせは、非常におもしろい化学反応を起こしている。

●吉井(反町隆史):大手商社勤務の勝ち組だったが、ある事件をきっかけに閑職に追いやられ負け組に。妻や娘からは腫れ物に触るような対応を受け、人生にむなしさを覚えている。

●藤巻(大森南朋):夢をかなえて映画監督になったが、偏屈でめんどくさい男として業界で孤立。フードデリバリーのバイトで食いつなぐどん底にいる。

●菊原(津田健次郎):漫画家の夢を諦め、実家の理容師に。独身のまま認知症となった母の介護に追われ、自分のやりたかったことがわからず葛藤している。


 こうした設定がビジュアルも含め主演の3人にハマり、本当に久しぶりに再会した中年たちのやり取りを見ているようなリアルな錯覚を覚える。表現力が高い3人の俳優が自然体に演じていることで、単なる中年たちの昔話も魅力あるシーンとなり、ドラマの見どころになっている。

中年3人の「いちゃつき」と絶妙な会話劇

 中年になった3人のキャラも、吉井は冷静沈着、藤巻は口が悪くトラブルの火種を起こすタイプ、菊原は物静かでバランスを取る役目と三者三様で、お気に入りの喫茶店で行われる会話劇はテンポ感が非常に良い。

 間の取り方やセリフの強弱、表情の作り込みもうまく、タイプの違うベテラン俳優たちだからこそ見せられる絶妙なコンビネーションを披露し続けている。この3人の名演技があるからこそ、中学生時代の回想シーンも味わい深いものになり、ドラマに引き込まれる視聴者が続出しているのだろう。

 また、80年代サブカルネタを交え、3人がいちゃいちゃしながら話すシーンも必見だ。中年オヤジ3人が、中二病全開で楽しそうに過去を振り返る描写は、ドラマでなかなか見られるものではなく、放送を重ねるごとに愛おしさを感じるようになっている。

進展しない謎? 予測不能な結末への期待

「この3人は反則」昭和世代がドハマり。SNSで異例の熱狂を呼ぶ“1988年”ドラマ、大人が中毒になる「納得の理由」
反町隆史さん画像:株式会社資生堂 プレスリリース
 不思議な魅力にあふれたドラマ『ラムネモンキー』は、今の時代だからこそ多くの人が見るべき、極めて貴重な作品であると筆者は考える。

 ちなみに、原稿執筆時点で第5話の放送が終わったところだが、顧問の消息を追うミステリー要素は進展がなく、どんな結末で終わるのかまだ予測不能だ。それだけに今からの後追いも可能で、多くの配信サービスで見られるので視聴してみてほしい。視聴率は高いとは言えないものの、見逃せない作品だと断言できる『ラムネモンキー』。もし未視聴の場合は、1話だけでも試しに見ることをおすすめする。

<文/ゆるま小林>

【ゆるま 小林】
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。
退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆
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