フラペチーノ1杯700円は高いのか?

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 今年もスターバックスで「桜」の季節がはじまりました。

 2月18日からお店に登場したグッズやドリンクを見ると、今年はくすみ感のないピンクが特徴的。
昨年までとはやや違う、柔らかで上品な雰囲気が気になっている人は少なくないでしょう。中でも外せないのが、“桜のフラペチーノ”。

 今年の桜フラペの商品名は、「桜 咲くよ 白桃 フラペチーノ」。白桃風味のジュレとミルクプリンの上に白桃ベースのフラペチーノが注がれ、桜味のソースがトッピングされた特別感あふれる1杯で、価格は700円となっています。

 このフラペにワクワクしている人はたくさんいそうですが、「ちょっと高いのでは?」と思う人もいて当然です。誰もが気軽に楽しめるカフェチェーンでドリンク1杯が700円ですから!

 そこで今回は、新作のフラペを実食しながら、スタバのフラペチーノの価値について考えてみることに。果たしてどんな魅力や価値があるのでしょうか?

スタバのフラペチーノはドリンクの概念を超えている

スタバのフラペチーノ700円は高いのか?→「値段ほどの価値なし」と考える人がいても「それでいい」と言い切れる理由
「桜 咲くよ 白桃 フラペチーノ」700円
 まずは新作フラペチーノである「桜 咲くよ 白桃 フラペチーノ」を注文して、実際に味わってみることにしました。

 できたてのフラペを見た瞬間、ほんのり華やかでかわいらしいピンクと白のグラデーションに心をつかまれてしまいました。まだまだ寒い2月だからこそ喜びもひとしおです。

 フラペチーノの中身をくわしく見ていくと、白桃風味のジュレにミルクプリン、白桃フラペの上にホイップクリームと桜ソース。仕上げに桜の花びらをイメージした2色のさくらフレーバーシェイブがトッピングされています。

 これはもはやドリンクの概念を飛び越えて、パフェ的スイーツの域に達していませんか?

「700円の価値はない」と考える人がいてもいい

スタバのフラペチーノ700円は高いのか?→「値段ほどの価値なし」と考える人がいても「それでいい」と言い切れる理由
白桃ジュレとミルクプリンの組み合わせに白桃フラペチーノがたっぷり。春を感じるスイーツ度満点のビジュアル!
 このフラペをパフェと捉えた場合、700円という価格の衝撃が少々和らぐ可能性があります。

 確かにここまで凝ったスイーツ感たっぷりのドリンクですから、自宅で作るのはもちろんのこと、コンビニやスーパーでも同レベルを探すのは難しいでしょう。

 さらにX上での反応を見ても、優しい甘さで美味しい、桜と白桃は最高の組み合わせ、という絶賛コメントが多く寄せられている状況に。


 そうは言っても、おいしさについては味わう人の好みによるものであり、700円の価値はない、そんなにしょっちゅう飲めるものではない、と冷静にとらえている人もいるでしょう。でも実は、それでいいのです。

春の予感は、1回で十分

スタバのフラペチーノ700円は高いのか?→「値段ほどの価値なし」と考える人がいても「それでいい」と言い切れる理由
桜が咲く前に、桜の花びらの世界観をフラペチーノで楽しめてしまいます
 もしかすると春の予感は一度だけで十分なのかもしれません。

 そう考えれば、バレンタインが終わった直後から、スタバで早々に桜シーズンがはじまることで、「2026年もそろそろ春が来るなあ」というモードになる人は全国的にどれほどいることでしょう。

 桜フラペを飲むことで春スイッチをオンにする人だっているかもしれません。そうです、よほどのファンを除いて、フラペチーノは期間中何度もリピートするドリンクではなく1回飲めば御の字の、風物詩的ドリンクなのです。

 スタバがすごいところは、桜フラペを単なる季節商品として提示するのではなく、“スタバとしての想い”が丁寧に語られていることにあります。今年のコンセプトは、「新しい季節の訪れにワクワクを感じながらも、ひとりひとりがそれぞれの前に進もうとする時期。新しい日々に向かって、毎日をがんばる人を応援したい。」というもの。

 つまり桜フラペは単なる期間限定のドリンクではなく、季節の移り変わりを感じさせるスイッチ役として、さらには飲む人の日常を励ましてくれる存在として十分なパワーを秘めた特別な商品だと捉えることができます。

 1杯のドリンクがおいしさだけでなく、季節を感じることができて、元気までもらえたとしたら、700円という価格はリーズナブルと考えることだってできてしまうのです。

フラペチーノは、ベストセラーを生み出しやすい看板商品

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フラペチーノをカップごと入れられるステンレスカップホルダーまで登場している
 スタバのフラペチーノを売り手の立場から考えてみましょう。

 現在スタバでは季節限定フラペが最低毎月1回は登場しています。
この期間中になるべくたくさんの人が1回でも飲んでくれれば、全国規模で考えれば相当数の売り上げになります。

 例えば1日100杯とかなり少なめに見積もったとしても、全国2011店舗(2025年3月末時点)で20日間売るとすれば、それだけで400万杯以上に。フラペチーノの原価率は40~50%程度と言われていますから、書籍でベストセラーを出すことよりもはるかに手堅いのです。

 このようにフラペチーノは、日本スタバのブランド力と丁寧な商品コンセプトが合わさることで生まれたキングオブドリンクと言っても過言ではありません。

 ちなみに今年のトレンド予測でも上がっている「うま確フード」(見た瞬間においしいと確信できるフード)の条件をも十二分に満たしていますから、発信力のあるZ世代からの支持も絶大です。

 おいしさだけでなく、季節の到来やイベント感を味わうことができる飲み物が700円。さあ、皆さんはどのように評価しますか?

<文/食文化研究家 スギアカツキ>

【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。
Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
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