昨年頃から、バラエティ番組やお笑い番組でまさに「引っ張りだこ」の状態が続いているピン芸人のみなみかわさん。

 最近では、テレビで見ない日はないといっても過言ではないほどの売れっ子ぶりを見せています。
かつては「松竹芸能の壊し屋」などと呼ばれ、毒のあるキャラクターで注目を集めましたが、ここまでの大ブレイクを果たした背景には何があるのでしょうか。

 いまやバラエティ界に欠かせない存在となったみなみかわさんが、なぜここまで支持され、売れ続けているのか、その理由を多角的に考察します。

「いじる側」から「いじられる側」へ変幻自在の器用さ

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 かつてのみなみかわさんは、古巣である松竹芸能への毒舌を武器にするスタイルが印象的でした。『ゴッドタン』(テレビ東京系)の人気企画「みなみかわの相談相手オーディション」では、名乗りを上げた芸人たちに容赦なく噛みつき、喧嘩腰の毒舌で場を支配する「いじる側」として異彩を放っていました。しかし潮目が変わってきたのがいじられる側になっていったことです。

 みなみかわさんが一気に売れっ子へと駆け上がる決定打となったのは、やはり『水曜日のダウンタウン』(TBS系)でしょう。人気シリーズ「名探偵津田」では、第2弾からダイアン・津田篤宏さんの助手役として登場。パニックに陥る津田さんに対し、冷静なツッコミや状況説明を行うことで、いわば「裏回し」のような役割を完遂しました。複雑な設定の企画を視聴者にとって見やすく整理した功績は大きく、2025年末のスペシャル放送でもその存在感は際立っていました。

 また、視聴者の注目を集めたのが、2025年11月放送の「紙飛行機×高飛び込みキャッチ」や、そこから派生した2026年1月の「きしたかの高野 10m高飛び込みリベンジ」です。

 ここではリーダー的な立ち位置を担いつつ、率先して過酷な企画に挑む姿勢を見せました。特筆すべきは、きしたかの・高野正成さんら他のメンバーを絶妙になだめ、現場に沈黙を作らないよう間を埋める技術です。

 視聴者の気持ちを代弁しつつ、時には制作サイドにも鋭く突っかかる――。
これまでの「リアクション一辺倒」だったドッキリ芸人とは一線を画す、そのクレバーで器用な振る舞いは、番組スタッフから重宝されるのも納得と言えるでしょう。予期せぬトラブルや窮地に追い込まれた際、みなみかわさんの高いお笑いスキルがより色濃く抽出される形となっています。

毒舌キャラと「真面目な素顔」のギャップ

「独立後にブレイク」毒舌キャラだったのになぜ好感度が急上昇? 現場を支える圧倒的スキルと、意外な“真面目さ”が支持される理由
画像:株式会社AbemaTV プレスリリースより
 2月9日・16日放送の『くりぃむナンタラ』(テレビ朝日系)では、2週にわたってみなみかわさんの知られざる素顔を深掘りする「みなみかわを知ろう」が放送されました。

 同企画では、エッジの効いた芸風とは裏腹に、私生活では夜遊びもせず真面目に過ごすプライベートが露呈。「実は真面目」といじられるたびに、「風俗に行きまくってますから!」と必死に逆張りで反論する姿が爆笑を誘いました。「真面目キャラ」でも笑いが取れ、それを否定しようとする「無理な悪ぶり」でも笑いが生まれるという、無敵の構図が完成しつつあります。

 さらば青春の光やお見送り芸人しんいちさんといった、私生活の暴露を得意とする芸人仲間からも一目置かれているみなみかわさん。今後も、周囲の芸人からその「素顔」をいじられる場面はさらに増えていくことでしょう。

愛妻家としての顔と、育ちの良さが生む好感度

 みなみかわさんを語る上で欠かせないのが、愛妻家としての一面です。売れない時代から彼に一目惚れして支え続けてきた夫人は、まさに公私ともに最強のパートナー。2024年に松竹芸能を退社した後は、夫人が前年に設立した個人事務所に所属し、活動を続けています。

 芸人や番組プロデューサーなどにみなみかわさんを売り込むためにDMを送るなどの営業をしている一方で、表には出ずにあくまでみなみかわさんが売れることに注力している奥様。売れていない時代に支えただけでなく、所属事務所社長であり、マネージャー的な役割でみなみかわさんを支える奥様のエピソードと、愛妻家なみなみかわさんに視聴者からも好感度が高くなるのは当然のことでしょう。 

 加えて、父親が公務員で自身も高学歴という、ふとした瞬間に垣間見える「育ちの良さ」や「品の良さ」。
毒を吐いてもどこか嫌味がないその雰囲気は、意外にも多くの女性ファンを惹きつける大きな要因となっています。

アルピー平子にも共通する「大人の余裕」と魅力

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画像:合同会社DMM.com プレスリリースより
 現在のみなみかわさんの人気を語る上で欠かせないキーワードが、若年層を中心に広まる「メロい」です。2月11日、人気コンビ・ニューヨークが自身のYouTubeチャンネルで発表した「お笑いファンが選んだ本当にメロい芸人ランキングTOP100」は、1万人以上が投票したことで大きな話題となりました。

 エバース・佐々木さんやこたけ正義感さんといった、男前やインテリな面々が上位に名を連ねる中、みなみかわさんは堂々の20位にランクイン。ガタイの良さと高身長、育ちの良さを感じさせる品の良さ、そして現場をまとめ上げるクレバーな「裏回し」の技術。そこに「愛妻家」というスパイスが加わり、多くのファンが彼に「メロさ」を感じていることが証明されました。

 その魅力の共通項として挙げられるのが、2月14日に写真集『艶夢』を出版するなど熱狂的な支持を集める、アルコ&ピース・平子祐希さんの存在です。高身長でガタイが良く、ダンディな色気と愛妻家キャラを併せ持つ平子さんと、みなみかわさんには驚くほど多くの共通点があります。

 特筆すべきは「声」の魅力です。みなみかわさんの声は、平子さんのような甘い低音ボイスとはまた一味違うものの、柔らかくトゲのない、聞き取りやすい質感を持っています。SNSでも「みなみかわ、実はメロい」「口説いてこなさそうな安心感と、こちらが迫っても軽く流される余裕感がある」といった声が散見され、その「大人の余裕」に色気を感じる視聴者が急増しているのです。

「いじる」ことも「いじられる」こともこなし、瞬時に自分の役割を理解して振る舞う圧倒的なお笑いスキル。
そこに「メロさ」という武器が加わったことで、みなみかわさんは男女問わず幅広いファン層を獲得しました。

 ちょっとコワモテで毒舌だけれども漂う清潔感や穏やかな雰囲気、真面目で愛妻家というキャラクターはテレビ番組だけでなく、今後は津田さんのようにCM起用も増えてくるのではないでしょうか。

<文/エタノール純子>

【エタノール純子】
編集プロダクション勤務を経てフリーライターに。エンタメ、女性にまつわる問題、育児などをテーマに、 各Webサイトで執筆中
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