乳がん予防のため、2013年に両方の乳房を切除する手術を行ったアンジェリーナ・ジョリー(50)。10年以上の月日を経て、2025年12月に手術の傷跡を初めて公開した。


 自身の体や健康問題について発信することで、一部から批判も受けているアンジェリーナ。今回、自分の体に刻まれた傷跡への思い、それを自ら世間に見せることを決断した理由について思いを語った。

子供たちとできるだけ長く一緒にいるために

米トップ女優、“乳房切除術の傷跡”を10年以上経って初公開。...の画像はこちら >>
 2月、仏ラジオ局「フランス・アンテール」のインタビューに応じたアンジェリーナ。自身の体に刻まれた乳房切除術の傷跡に愛着を感じているとした上で、こう思いを明かした。

「私はいつだって、人々が抱える傷跡や彼らの人生に、より大きな関心を寄せてきた。傷跡のない、完璧な人生という理想には惹かれない」

 自分自身にとってその傷跡は「子供たちとできるだけ長く一緒にいるために、自分ができることをする」という決断の証でもあると打ち明けた彼女。2007年に亡くなった母マルシェリーヌ・ベルトランについても触れ、自身の人生観をこう表現している。

「私は若い頃に母を亡くしたわ。祖母がいない状態で子供たちを育てているの。もし人生の終わりに、間違いもおかさず、混乱も経験せず、傷跡も持っていないとしたら、それは十分に満ち足りた人生を送ったとは言えない」

雑誌で初めて術後の傷跡を公開

 アンジェリーナは2025年12月、仏版タイム誌で初めて術後の傷跡を公開。同様の経験を持つ女性たちへの意識向上に努めている彼女は、同誌のインタビューでこう語った。

米トップ女優、“乳房切除術の傷跡”を10年以上経って初公開。「なんで今さら?」批判のなか、あえて発信した思い語る
フランス版『タイム誌』の表紙で、乳房切除術の傷痕を公開するアンジェリーナ・ジョリー※画像は同誌の公式インスタグラムより
「私は愛する多くの女性とこの傷を分かちあいたい。乳房の健康や予防、乳がんに関する知識を広める活動に参加したかった」

 検査がすべての女性に提供されるべきか?と質問されると、「リスク要因や家族歴がある女性にとって、手頃でアクセス可能でなければ」としたうえで、こう訴えた。

「医療の選択は個人的なもので、女性が情報と支援を得て自ら決断できるようにすべき。
経済状況や居住地によって検査や治療へのアクセスが制限されるべきではない」

両方の乳房、卵管と卵巣を摘出

 アンジェリーナの母マルシェリーヌ・ベルトランは乳癌により56歳で死去。さらに祖母、叔母も卵巣がん、あるいは乳がんで亡くなったという。

 アンジェリーナ本人も、乳癌と卵巣癌のリスクを高める「BRCA1」遺伝子が発見されたことから、2013年に両側乳房切除術を決断。米紙「ニューヨーク・タイムズ」への寄稿を通じて、遺伝性乳がんの可能性を減らすために「予防的両乳房切除・再建手術」を受けたことを公表した。

 2015年にはさらに卵巣がんのリスクを減らため、卵管と卵巣も摘出したことも明らかにしている。

 女性の体や健康、予防医療への意識を高めた彼女の勇気ある決断と告白。けれども、必ずしもポジティブな反応ばかりだけではなかったようだ。

 予防的切除という選択について、「そこまでしなくてもよかったのでは」「リッチなセレブだからできること」などといった声があり、世間に公表したことについても「わざわざ言う必要はない」と反対意見があがった。

「なんで今さら傷痕を見せるの?」と反発も

 また2013年の手術から10年以上経って、傷跡を公開したことは一部の人の反発を招くことに。タイム誌の写真が世にでると、SNS上では「なんで今さら傷痕を見せるの?」「世間の関心を集めたいだけ」「しょせんは自己アピール」と厳しい意見もみられ、なかには「元夫ブラッド・ピットとの長期にわたる法的争いから人々の目をそらさせるための戦略」と辛辣なコメントを寄せる人も。

 確かに、公開された写真を見ている限り、傷痕がハッキリわかるような状態ではない感じ。あえて自分から見せなければ、ほとんどの人に気づかれなさそうな気もするが……。

 それでも包み隠すことなく、自分の経験や傷痕を発信したアンジェリーナ。
女性が自分の身体について語り、選び、守る権利があることを明示し、「“完璧であること=美しさ”ではない」と身をもって示した。

 彼女が2013年にこの経験を告白した後から、米英仏などの欧米諸国で、BRCA遺伝子検査の受診者が急増。乳がん予防や家族歴について語ることがタブーではなくなって、医療機関への相談件数も大きく伸び、「アンジェリーナ効果(Angelina Effect)」と呼ばれる現象までもたらした。

 賛否は呼んだものの、アンジェリーナの行動が世界規模で“予防医療への意識”を変えたのは間違いなさそうだ。

<文/BANG SHOWBIZ、女子SPA!編集部>
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