2010年にTBSに入社し、『朝ズバッ!』『報道特集』などを担当したのち、2016年に退社したアンヌ遙香さん(40歳・以前は小林悠として活動)。

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 TBS退社から紆余曲折を経て20年生活した東京を後にして活動拠点を故郷北海道に戻したアンヌさん。
アラフォーにして再スタートを切った「出戻り先」でのシングルライフの様子や心境をつづる連載です。
 第72回となる今回は、アンヌさんが故郷に戻ってきて感じている「ファッションの変化」について綴ります(以下、アンヌさんの寄稿です)。

あきらかにスポーティーな服装をするようになった

 故郷北海道に帰ってきて、私が個人的に感じる大きな変化は、ファッションの変化。

 特に冬場、あきらかにスポーティーな服装をすることが増え、ハイブランドのカバン(後から読み返して自分で思いましたがカバンて……そういうところに昭和みが出る)なんてほとんど持たなくなったのです。

 一年の半分は雪に閉ざされ、とにかく、すべらない、埋まっても水がしみ込んでこない、暖かい、すべらない(大事だから繰り返します)ことに主眼をおいた靴選びが重要になってくるので、ハイヒールなどちょっと無理。

 かつ大型犬を駅前のシッターさんに預けて仕事場に行くとなると、両手があいて、さらに突然の雪がふってきてもびくともしない頑丈なリュックを毎日使用したいなと思うわけで……。

ハイブランドから遠ざかっていた日々のなかで、転機が!?

40歳にしてハイブランド店に行かなくなった元TBSアナの私が「50万円のバッグ」に一目惚れして感じたこと
アンヌ遙香さん
 東京でアナウンサーをしていたころは、周囲の女性陣がみんな、なんらかのブランド物のバッグを持っていましたっけ。それに触発されて、海外旅行に行った際は免税店でえいやっとハイブランドの革製バッグを購入したこともあったなあ。

 当時は「自分へのご褒美」的なニュアンスもあったけど、とにかく、40にしてハイブランドのお店に本当に行かなくなりました。もちろん北海道の雪事情もなんのそのでハイブランド品を楽しんでいるおしゃれ上級者もたくさんいますが、私は遠ざかる一方。

 今なら自分へのご褒美は「高い外食」かな……。

 そんな「ノーハイブランド生活」をしばらく送っていた私でしたが、先日久々にあるブランド店の前を仕事帰りに通りがかったとき、ウィンドウに展示されたバッグにぐーんと惹かれてしまったのです。

 パソコンも入りそうなサイズ感のトートバッグで、淡いピンク地にブランドロゴがちりばめられ、あまりのかわいらしさに、ちょっとお店に入ってみようかなと足をとめたほど。

 しかし! 外で中をのぞいていた私に対し、入口の男性スタッフが「今、入店制限を行っていまして、数分待っていただきます」とにこにこしながら当たり前のように伝えてくるではありませんか!

 そうだった、東京でも表参道の某ブランド店などは事前に予約しないとすごく並ぶとかあったな……札幌でも海外からの観光客の勢いもあるし、並ばないと入れないという現実があることをすっかり忘れていました。


数日後、またあのお店へ

 なんだかそこまでじゃないかもと急にしゅんとなった私は、店内に足を踏み入れることなく踵を返して帰宅。ただ、やっぱりかわいかったなと友人らにその旨をLINEしたところ、詳しい友人いわく「そのバッグ今50万円こえているよ」とのこと!

 ご、ごじゅうまん!? 革製じゃないよ!? 布製だよ確か!? というおかしなポイントにひっかかった私でしたが、50万円のバッグを買ったとしていつ使おう、どんな服に合わせよう、と考えると、なんだか違うのかなと考えこんでしまったり。

 それから数日後、仲良しと食事をして一緒に街中を歩いていたとき、たまたまそのハイブランド店の近くであることに気づきました。可愛いバッグがあるんだよね、よかったら見てくれない? と彼女を誘い、再チャレンジ。実はこの日ビールを飲んでいたのでちょっと気が大きくなっていたんだな。

 しかもこの日は入店制限なし。入店するなり例のバッグをもたせていただき、鏡をみてみました。この日の私はリュックにフリースにニットキャップといういで立ち。まあ、とにかくピンクの繊細なバッグはちょっと違うかなという雰囲気。

 うーんこれはだめかなと視線をおとすと、同じデザインのこれまた可愛いお財布があるではないですか。店員さんいわく、「今年の3月5日は一粒万倍日や寅の日などが重なる何年に一度かのラッキーデーなので、ぜひその日から新しいお財布を使い始めることをお勧めします」とのこと。

 実は今私が使っているのは祖母の遺品。なかなか気に入っていますが、ちょっとボタンが閉じにくくなってきているのが難点。
お財布を買い替えるのもありかもという気持ちがポーンと浮かんできたのです。

友人が耳元で“一言”

40歳にしてハイブランド店に行かなくなった元TBSアナの私が「50万円のバッグ」に一目惚れして感じたこと
アンヌ遙香さん
 値段を聞けば「11万円」とのこと。普通に考えればありえない数字ですが、50万のあとに聞かされるとなんだかお買い得に聞こえてくるから不思議。

 え、やっちゃおうかな!? 買っちゃおうかな!? ともぞもぞしていたら、子育て中の友人が耳元で「布地の淡いピンクはすぐ手垢つくよ! それでもいいの!?」とぴしゃり。

 た、確かに……一気に現実に引き戻された私。結局またもすごすごと退散したのでした。

 ハイブランド品はキラキラしていて魅力的だし、誰かに買ってもらう人もいれば、自分で買う人もいる。その背景はさまざま。今の私は自分で買う派。

 おそらく今の私にはあまり必要のないものなのかも。でもそのうち可愛い真新しいバッグを手にしている日があるかも。そのときは「なにか自分にご褒美をあげてもよいかも」って思えたタイミングなのかも、ね。
とにかく、今じゃない。

<文/アンヌ遙香>

【アンヌ遙香】
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道札幌出身、在住。現在はフリーアナウンサーとしてSTV「どさんこWEEKEND」メインMCや、情報番組コメンテーターして活動中。北海道大学大学院博士後期課程在籍中。文筆家。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中。Instagram: @aromatherapyanne
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