韓国で人気音楽サバイバル番組『現役歌王』の日本版『現役歌王JAPAN』(BS日本、2025年)で、一際丁寧なフレージングで名曲を歌い込んだ歌手がいた。番組ホームページ上には「拒否できない魅力のDNA!」という紹介フレーズ。


「父は昭和スーパースター」22歳歌手に受け継がれた“スター性...の画像はこちら >>
 2003年生まれ。現在22歳。西城秀樹の息子として知られる木本慎之介である。同番組では父の衣装を着て、名曲「ブルースカイ ブルー」を披露していた。

 今年2月には俳優デビューも果たし、ハイブリッドな才能が注目を集めている。“イケメン研究家”加賀谷健が解説する。

西城秀樹のスター性を受け継ぐ存在

 演歌界には、お笑いの世界同様に「第七世代」がある。戦後活躍した大御所・三橋美智也世代から数えた世代区分なのだが、代表的歌手としては新浜レオンや水森英夫門下の青山新、吉幾三の秘蔵っ子・真田ナオキらがいる。

 中でも新浜レオンはNHKの歌番組などに引っ張りだこの注目歌手であり、西城秀樹をリスペクトする高音のロングトーンが圧倒的である。

 ヴィレッジ・ピープル「Y.M.C.A.」をカバーした「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」や阿久悠作詞曲「ブルースカイ ブルー」など、誰もが知る代表曲がある西城秀樹のスター性は、こうして演歌界にも脈々と受け継がれている。

 このスター性を受け継ぐ、正統な存在がもう一人いる。父・西城秀樹譲りのビブラートに定評がある木本慎之介である。木本は今年2月7日から15日まで北千住のシアター1010で上演された舞台『ReAnimation ~THE ORIGIN~』で、俳優デビューを果たした。


歌手と俳優を両立するハイブリッドな強み

『ReAnimation ~THE ORIGIN~』は、杉浦太陽の弟でギタリスト・杉浦タカオが主宰するユニット「SEPT」による公演だ。同ユニットの公式ホームページ上には「音楽と演劇をMIXした次世代型エンターテイメントユニット」と説明が書かれている。

 音楽と芝居を融合させる試みは、1597年にフィレンツェの宮廷文化から誕生したオペラや、20世紀アメリカでオペラから進化したミュージカルなど、古今東西の舞台芸術史の中で育まれてきた。

 そうした伝統に対して肩肘はらず、フランクなスタイルの「次世代型エンターテイメント」として届ける。といったような同ユニットのスタンスは人懐こい気がする。それに単純に考えて、音楽と芝居を融合させるということは、歌手と俳優を両立するハイブリッドな強みにもなる。

 木本はこの舞台で主人公のギタリスト・相澤悠真を演じた。劇中にはギター初挑戦となる木本の演奏や歌唱パートが含まれる。当初はドラマー役での出演であり、主演の予定ではなかったようだが、歌を通じて演じることにも長けた木本の才能を見込み、主演に据えた杉浦の選択は英断といえる。

「拒否できない魅力のDNA!」

 木本の歌唱は、2025年に放送された、韓国の人気音楽サバイバル番組『現役歌王』の日本版『現役歌王JAPAN』でも注目を集めた。父・西城秀樹の名曲「ブルースカイ ブルー」を丁寧なフレージングで歌い込んだ。歌唱映像を見ると、スタジオの空気をしめやかな木本色に染め上げていたことがわかる。

 木本はInstagram上で「父のブルースカイブルーを歌わせていただきました」と出演した心境とともに番組歌唱動画を投稿(2025年8月24日)している。
コメント欄には歌唱時の衣装が、父・西城秀樹のものであることに感嘆する声が寄せられていた。同番組公式ホームページ上の木本プロフィールページでは「拒否できない魅力のDNA!」というフレーズがきらり。

 西城秀樹もまた『愛と誠』(1974年)や『傷だらけの勲章』(1986年)などの映画作品で俳優としても活躍した。歌うこと。演じること。「拒否できない魅力のDNA!」がそれらを合わせた表現を可能にする。その上で、木本慎之介はどんな表現を探求するのだろうか?

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】
イケメン研究家 / (株)KKミュージック取締役
“イケメン研究家”として大学時代からイケメン俳優に関するコラムを多くの媒体で執筆。アーティストマネジメント、ダイナマイトボートレース等のCM作品やコンサートでのクラシック音楽監修、大手ディベロッパーの映像キャスティング・演出、アジア映画宣伝プロデュースを手掛ける。他に、LDHアーティストのオフィシャルレポート担当や特典映像の聞き手など。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。
X:@1895cu
編集部おすすめ