春といえばお花見。桜を見ながらお酒や美味しいご飯を食べる時間は、日本の誇るべき文化ですよね。


今回はそんな楽しいお花見だったはずが、義父に振り回されてしまった女性のエピソードをご紹介しましょう。

義父母と初めてのお花見

須藤祥子さん(仮名・30歳)は結婚1年目。義両親の強い希望で、夫と4人でお花見をすることになりました。

「楽しいはずのお花見」が一瞬で崩壊…カップケーキを投げ合う“...の画像はこちら >>
「義母が自慢のお花見弁当を私に披露したいと言ったので、義両親が毎年4月に花見をしている公園の桜がとても綺麗だそうで、私たちも参加させてもらうことにしました」

当日、祥子さん夫妻は手ぶらでは気が引けると考え、デザート用に桜モチーフの可愛らしいカップケーキを用意。穏やかな春の空気の中、少し緊張しながら公園へ向かったそう。

「その公園はさほど広くはありませんが、何種類かの桜がありとても美しく、お花見客で賑わっていました」

レジャーシートを広げると、義母は手際よく豪華なお弁当を並べ、義父は待ちきれない様子で昼間から酒をあおり始めます。

乾杯もそこそこに、まるで競うような勢いで杯を重ねる義父。最初は上機嫌に冗談を飛ばしていたものの、酔いが回るにつれて声は大きくなり、態度も図々しくなっていき、周囲の視線など意に介さない様子で、次第に場の空気を支配するようになっていきました。

謎の“対抗心”で大喧嘩に発展

そんな中、近くに別の家族連れが場所を取ったそう。

「義父が通うカラオケ教室で一緒のクラスの同世代の男性家族が、偶然私たちの近くにレジャーシートを敷きお花見を始めたんです。すると義父が舌打ちをしたので驚きました」

ただ知り合いが近くに来ただけなのに、義父の表情はみるみる険しくなっていきました。ライバル心なのか、被害妄想なのか、理由は分かりませんが相手をにらみつけ、聞こえるように悪態までつき始めたのです。そして酒の勢いのまま、わざわざ相手のシートへと歩み寄ったそう。

「おたくのお花見弁当、質素で可哀想だな。
うちの唐揚げを分けてやろうか?」

完全に挑発する口調でした。突然の侮辱に、相手の男性も売り言葉に買い言葉で応酬します。

「いいや結構です。そんな悪い油のものは体に悪いよ。うちの銀ダラの煮付けを食べてもいいぞ」

「楽しいはずのお花見」が一瞬で崩壊…カップケーキを投げ合う“悪夢の展開”の原因は?
お花見で大喧嘩
周囲が凍りつく中、義父はさらにヒートアップ。顔を真っ赤にし、肩をいからせ、止めに入る家族の声も耳に入らない様子で言い返し続けました。ついには相手のレジャーシートに踏み込み、威嚇するように距離を詰めます。その姿は大人の男性というより、感情を制御できない子どものようだったそう。

「周りのお花見客に迷惑だし、ジロジロ見られて本当に恥ずかしくてたまりませんでした。最終的に私の買ったカップケーキを投げつけ合うという、大人気なくてみっともない喧嘩になり、相手の男性のご家族と協力し合いながらなんとか2人を引き離し、周りの人たちに謝りながら公園を後にしました」

何事もなかったような義父の態度にモヤモヤ

せっかくの手土産だったカップケーキまで投げられ光景は、まるで悪夢のようでした。楽しいお花見のはずがとんでもない修羅場に変わってしまい、祥子さんは情けなさと恐怖で胸がいっぱいに。「義父はお酒が入ると本当に止まらないのだ」と背筋が冷えたといいます。


ところが当の義父は、酔い潰れていたせいか騒動の記憶がほとんどなし。後日になっても悪びれる様子はなく、「お花見楽しかったなあ」と満足げに笑っていたそうです。周囲にかけた迷惑も、祥子さんが味わった屈辱も、まるで存在しなかったかのようでした。

そして今年もまた、何事もなかったかのように花見に誘われてしまい……。

「楽しいはずのお花見」が一瞬で崩壊…カップケーキを投げ合う“悪夢の展開”の原因は?
悩む女性
「私的にはもう二度とごめんなのですが……夫と義母に『お願いだから祥子ちゃんも参加してよ? 前回みたいにならないように気をつけるから』と頼み込まれて困っているんですよね」

いまだにあの日の異様な光景が脳裏に焼き付いて離れない中、果たして「気をつける」という言葉を、どこまで信じていいのでしょうか? 再び桜の咲く季節が来るのが怖い祥子さんなのでした。

<文・イラスト/鈴木詩子>

【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop
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